この記事では「雇用契約書とは何か」について、社会保険労務士 寺内正樹さんの著書『仕事のあたりまえはすべてルールにまとめなさい!』よりご紹介します。

雇用契約書の役割を確認して、組織の成長につながる契約書を作りましょう。

【書籍】『仕事のあたりまえはすべてルールにまとめなさい!
【著者】寺内正樹 
社会保険労務士 / 行政書士

より大きな成果を出すために必要な「雇用契約」

「会社」は、法律の手続を踏めば、1人でもつくることができますが、「企業」は少し違います。「企業」は、営利を目的とする生産・販売等の経済活動を行なう組織です。

「組織」になるためには、最低でも2人、つまり、あなたとあなた以外の誰かが必要になります。1人より2人の方がより大きな力が出せます。それは数の理屈から言っても明らかです。さらに、個々の長所が融合することによって、単純な足し算ではなく「相乗効果」も生まれます。

だからこそ、より大きな成果を出すために、世の中にこれだけ多くの「企業」が存在しているわけです。

雇用契約とは

1人の「会社」から「企業」へ近づくためには、組織のメンバーを増やす必要があります。ビジネスパートナーとして役員を増やすこともありますが、一般的には、ここで人を雇うことになります。

「人を雇う」ということは、法律的には会社と社員との間で「雇用契約」を結ぶということです。

この際、法律上は、賃金、労働時間などの重要な労働条件の一部について、書面上、明示しておくことが決められています。会社のメンバーを増やす際には、少なくともこれらの項目を決めて、会社の「ルール」をつくらなければなりません。

雇用契約の効力は口頭でも発生する

実は、雇用契約の効力は口約束でも発生します。しかし、後から労働条件に関するトラブルが生じる恐れを避けるために重要な項目については書面にしておくことが義務付けられているのです。

雇用契約書の「本当の意味」とは?

「労働条件通知書」のみで済ませない

そのため、本来は「労働条件通知書」という形式で、社員に労働条件を雇用時に通知すれば、法律としては問題ありません。

ただし、通知書を会社が一方的に渡すだけでは、後から労働条件の書面での通知をしてもらっていないと言われてしまうと証明することが困難になります。それを防止するために「雇用契約書」を作成して条件を確認してもらった上で、会社と社員双方で記名押印して、互いに持っておくということが有効なのです。

雛形・サンプルをそのまま使用しない

しかし、「雇用契約書」の意味を理解しないまま、単純に法律で決められているから結ぶと考えているリーダーは、かなり多いのです。そのため、「雇用契約書」を作っていたとしても雛形・サンプルをそのまま使用している例がほとんどです。

確かに、雛形を使えば法律に違反しない必要最低限のものはできます。しかし、法律に違反しないのは、ある意味、当然のことで、「雇用契約書」にそれを超えた意味を持たせて、「ルール」として有効活用しなければもったいないのです。伸びる会社はこの点にも気を遣っています。

契約に違反した場合は解除できる

「雇用契約書」は、突き詰めていくと、単純に法律を守るという意味だけで結ばれるものではありません。これは、記載されている条件で働くことを会社と従業員との1対1の関係で互いに「約束」するものです。

すなわち、会社がそこに書いてある条件で働けるように社内環境を整える義務を負うと同時に、社員もその条件の下で働く義務を負うことを約束するのです。そして、その内容に違反をしてしまえば契約違反で、契約そのものを解消されたり、場合によっては、損害賠償請求がなされても文句は言えないということになります。

雇用契約書は「個別の約束」

会社が社員1人1人に求めるものは異なるはずです。例えば、Aさんには管理者としてしっかりと部下をマネジメントしてほしい、Bさんには営業マンとして成果をあげてほしい、といったことです。

「雇用契約書」は、この違いを書面上反映できる「個別の約束であり、ルール」です。そして、これこそが「雇用契約書」の本当の意味なのです。

雇用契約書の書き方

会社と社員をつなぐルールとして「雇用契約書」作成の際に気をつけるべき項目について、それぞれの記事で解説しています。メンバーを増やすところからつまずかないように、あなたの会社に合った「雇用契約書」をつくっていきましょう。

さいごに

以下のページでは、「雇用契約書」を会社の成長拡大に役立つものにするためのチェックシートを公開しています。

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