この記事では、「社員の勤務態度を改善するために必要なこと」について書籍『会社で活躍する人が辞めないしくみ』よりご紹介します。

【書籍】『会社で活躍する人が辞めないしくみ
【著者】
内海正人 日本中央社会保険労務士事務所代表 / 人事コンサルタント・社会保険労務士

勤務態度の改善は、経営者、上司の姿勢で決まる

「偉くなったから、少し遅めに来ても大丈夫!」、これはいわゆる重役出勤ですね。実際に重役出勤などあるのかと思うほど、経営者や幹部の方は、朝早くから出社して働いています。「朝早い方が集中できる」「電話が鳴らないので、邪魔が入らない」「頭がすっきりしているときに仕事をガンガンこなしたい」などの意見が多いのも事実です。

ある会社の例です。数か月前に部長から役員に昇進した方がいらっしゃいました。その方は「役員だから、少しぐらいは社長は大目に見てくれるだろう」と、気が緩んだ感じで会社に遅めに出社していたそうです。しばらくして、社長は彼を降格しました。通常の業務に問題はありませんでしたが、勤務態度の悪化ということで降格したのです。

社長は、役員だから、一般社員だから、ということで異なる勤務態度を求めることはありません。やはり、働くということを第一に考えた行動こそがその基準なのでしょう。

しかし、これは普遍的なしくみということではありません。あるイベント企画会社の社長が私のところに来て、「うちの会社は始業が10時だけど、10時には女性のアシスタントがいるだけだ。こんな状況って他の会社でもありますか?」と言いました。私は「始業の時間に社員がいないとは何事かとお思いかもしれませんが、業種によっては珍しいことではありません」とお伝えしました。この社長は「ここで襟を正し、会社組織としてあるべき姿にしたい」と話されていました。それから、社長自らが「10時前に出社して社員を迎え入れる。必ず挨拶の声掛けをする」ことを伝え、実践してもらいました。すると、1か月を過ぎたころには、社員は10時までに出社することが当たり前となったのです。

この会社は夜が遅く、残業も多いので今までは朝の出勤に対してやや甘えがあったのですが、社長が動いてからは社員の態度も一変しました。

このように会社が求める社員の勤務態度は普遍的ではありませんが、その基準は社員の職階によって変わることはありません。ここは会社のしくみとして、重要なポイントですし、これがぶれてしまえば優秀な社員をはじめ多くの社員が会社に見切りをつける瞬間がくるかもしれません。単なる勤務態度と侮るなかれ。もはや重役出勤は死語となりつつあります。

中間管理職がいきいきと働く会社はホンモノです

現場の社員がいきいきと働く姿を見て、「ああ、いい会社だな」と感じる経営者やリーダーも多いかと思います。仕事に対し、前向きな姿勢で行動している姿はとてもすがすがしく感じます。しかし、その上の管理職である課長やマネージャーはどうでしょうか?

もしわからないようでしたら、本人たちに直接聞いてみましょう。

中間管理職である課長やマネージャーがいきいきと働いていて、活躍している会社にはよい会社が多いです。「とてもやりがいがある」「この会社で幹部を目指す」などの意見が出たら、よい会社です。反対に「仕事は楽しくない」「部下の面倒で大変だ」という意見が多ければ、マネージメントの意味を中間管理職に伝えきれていない会社なのでしょう。

現場の社員は直接お客様と触れ合い、その仕事の本質を日々感じているので、やりがいを感じやすいでしょう。しかし、マネージャー職となると、部下の管理や経営者からのをダイレクトに受けるため、いわゆる「下からは突き上げられ、上からは押さえつけられ」という状況になりがちなのです。

しかし、このような状況でもマネージャーが「会社が楽しい」「仕事が楽しい」ということであれば、部下とのコミュニケーションもうまくいっており、経営者との意思疎通もうまくいっているということです。さらに、マネージャーが部下の手本となるように働いている環境があれば、マネージャーは自然と部下のロールモデルとなり、上司を目指すようになるのです。さらに、部下も将来の自分の姿が想像できるようになっていくのです。

このような相乗効果が生まれる会社はよい会社です。このような会社環境は、日々のコツコツとした努力の上に宿っているのです。そのためにも経営者はマネージャーにマネジメントの意味を伝えることを重視しましょう。

さいごに

記事の内容をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください。

会社で活躍する人が辞めないしくみ


会社で活躍する人が辞めないしくみ

AMAZONで見る