「経営をサポートしているプロフェッショナル」へのインタビュー第3回は、AERA STYLE MAGAZINE(アエラスタイルマガジン)編集長を務めながら、ビジネスパーソンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動している山本晃弘さんへのインタビューをお届けします。
ビジネスパーソンが身につけておきたい「スーツの着こなし方」について教えていただきました。
スーツをきちんと着ることは仕事の第一歩
―ビジネスにおいて「スーツの着こなし」が大切だと考える理由は何ですか?
山本 スーツをきちんと着こなすことは、「仕事の出来」や「人柄」を伝える第一歩だと思うからです。
「仕事ができる」ビジネスマンであったとしても、「人柄がいい」上司であったとしても、それが相手に伝わらないことには、意味がありません。
「スーツの着こなしに気を取られている暇があったら仕事をしろ」という上司の意見も、「仕事ができれば、スーツの着こなしは関係ない」といういまどきビジネスマンの意見も、そのいずれもが時代遅れな考え方と言っていいでしょう。
見た目の印象がビジネスの成否を左右することもある現代において、スーツをきちんと着ることは仕事の第一歩です。
簡単な「ルール」を知ることでスーツを着こなす
―どうすれば、スーツをきちんと着こなせるようになるのでしょうか?
山本 ビジネスでスーツを着るために、毎月ファッション誌を読んでセンスをみがくことも、高価なブランドものをむやみに購入することも、いずれも必要ありません。
まずは、いくつかの「ルール」を知ること。それだけで、誰でもが簡単に「仕事ができる」ように見えるスーツ姿になります。
例えば、
初心者の20代は、「ネイビースーツ」の次に買うべきスーツの色を知る。
ファッション誌を買うことをやめた30代は、「クールビズ」に半袖シャツがアリかナシかを知る。
いまさら聞けないと思っている部長クラスは、「ブラックタイ」のドレスコードを知る。
そういった簡単な着こなしルールを、覚えるだけでいいのです。
初心者の20代が「ネイビースーツ」の次に買うべきスーツの色
「ネイビーの次にはネイビーのスーツ」。ネイビーには、精悍に見える、知的に見えるといったイメージがあります。だからこそ、20代にはネイビースーツをすすめています。
「クールビズ」に半袖シャツがアリかナシか
「美しさ」という観点で考えると、長袖シャツが半袖シャツに勝るのは間違いありません。暑くとも、やせ我慢。長袖シャツを着て、暑さをしのげない日中には袖をまくるのがスタイリッシュです。
「ブラックタイ」のドレスコードとは
「ブラックタイ」とは、タキシード着用を意味するドレスコードです。
タキシードは、ピークドラペル(剣襟)と呼ばれる上向きにとがったジャケットの襟が特徴ですが、なかには襟がショールカラ―(へちま襟)になったアメリカンスタイルのものもあります。側章がついたパンツに、オペラパンプスと呼ばれるドレッシーな靴を履くのが正統ですが、オペラパンプスを持っていない場合は、よく磨いたストレートチップを履いてもかまいません。
最近では、午後のパーティーにタキシードを着用することもありますが、その場合には、蝶ネクタイとカマーバンドを柄ものやシルバーのものにフォーマルダウンするといった工夫が欲しいものです。
『仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。』(山本晃弘 著)より
会社の価値につながる「服育」
―スーツの着こなしについて、会社全体として意識するべきことはありますか?
山本 働き方だけにとどまらず、会社の在り方や、仕事そのものが変わっていくいま、スーツの選び方や着方も大きく変わっていこうとしています。
会社が社員の「服育」をきちんとできることが、その会社の価値につながり、社員にとっては福利厚生の一つになることもあるはず。
「服育」を学ぶビジネスマン、「服育」を重視するマネージメントを目指しましょう。
さいごに
今回は、AERA STYLE MAGAZINE(アエラスタイルマガジン)編集長の山本晃弘さんに、スーツの着こなし方についてうかがいました。
- スーツをきちんと着こなすことは、「仕事の出来」や「人柄」を伝える第一歩。
- いくつかの「ルール」を知るだけで、誰でもが簡単に「仕事ができる」ように見えるスーツ姿になれる。
- 会社が社員の「服育」をきちんとできることが、その会社の価値につながり、社員にとっては福利厚生の一つになることもある。
書籍のご紹介
『仕事ができる人は、小さめのスーツを着ている。』
山本晃弘さんからのコメント
世代を問わず、スーツを着て働くすべてのビジネスマンに向けて、この本を書きました。自分磨きのために本書を購入する男性ビジネスマンが多いいっぽうで、夫のために、息子のためにと、贈り物の本として購入する女性も多いようです。ファッション誌で書けなかったリアルな視点に応える最重要ポイントを書いた本書を、「ビジネスマンの着こなしルールブック」としてぜひ活用してください。
山本晃弘
AERA STYLE MAGAZINE 編集長
1963年、岡山生まれ。1987年3月早稲田大学法学部卒業。「MEN’S CLUB」「GQ JAPAN」などを経て、2008年4月に朝日新聞出版の設立に参加。同年11月、編集長として「アエラスタイルマガジン」を創刊。ニュース週刊誌「アエラ」の別冊ファッション季刊誌として、ビジネスマンのリアルな声に応える誌面をつくり続けている。現在は、その見識を活かしたトークイベントやファッション系WEBへのインタビュー出演で、ビジネスマンや就活生にスーツの着こなしを指南するアドバイザーとしても活動中。
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