この記事では、「リーダーがチームメンバーと共有すべきこと」を解説します。

人材育成・組織開発コンサルタントの三浦将さんの著者『才能スイッチ』で解説している内容をもとに編集しています。
【著者】三浦将 株式会社チームダイナミクス代表

チームの存在理由を共有する

イノベーションを目指すチームをリードする上において、チームメンバーと共有すべき大事なことが何点かあります。

まずは、存在目的を共有すること。これはチームの存在理由といってもいいでしょう。存在理由は、ビジョンの上位概念です。この上位概念をしっかりと共有することが大切なのです。

我々はなぜ存在するのか?我々はなぜここに集まっているのか?

このことを共有することで、日頃の活動のベクトルの一致と、目線の一致が生まれます。これによって、全員の活動が「ぶれない」ものとなり、シナジーが生まれます。

ちなみに、私が経営する株式会社チームダイナミクスの存在目的は、「月曜の朝、元気に仕事に向かう人たちをこの社会に増やす」。

あなたは、月曜の朝、どんな気持ちで仕事に向かっているでしょうか?

月曜の朝、元気に、そして豊かな気持ちで仕事に向かうことができたら、あなたの人生はどうなっていくでしょうか?

社会の一人ひとりがそんな感覚を持つようになったら、どんな世界になっていくでしょうか?

お父さん、お母さんたちが元気に楽しそうに仕事に向かう家庭で育つこどもたちは、仕事をすること、大人になること、そして勉強することについて、どんな想いを持つようになるでしょうか?

次の世代に希望のバトンをつなぐ。そのためにも、今、私たちが成長し、進化し、元気になっていくことが大切なのです。

チームダイナミクスはそのために存在しています。そして、我々メンバーの一人ひとりがこの想いを共有し、この原点を大切にすることによって、チームとしての結束力は強靭なものとなっています。

たとえ、判断に迷うことがあっても、「そもそも、何のためにこの活動をやっているのか?」と、この存在目的を軸に、お互いに問い合うことによって、原点を確認し合うことができます。

これは価値観の共有でもあるのです。

あなたの会社やチームの存在目的は何でしょうか?

もし明確でなければ、みんなで想いを共有しながら、このことについて話し合うことから始めてみてください。

取り組みのルールを徹底する

目的が共有できたら、今度は取り組みのルールの共有と徹底です。

チーム全体の創造性の発揮のために、リーダーはルールを共有し、徹底する必要があります。ここにほころびがあると、大事なことがどんどん崩れていってしまいます。このルール厳守は、リーダーの重要な仕事です。

ルールは以下のものです。

相手への承認を基本とすること

「リーダーが、メンバーのさらなる可能性を信じ、承認すること」。この徹底は本当に重要です。そして、それと同時に、メンバー同士がお互いを承認しあうこと。この徹底が行われるようリードするのもリーダーの仕事です。これがないがしろになっている場面があれば、それを看過してはいけません。

どんどん口出しすること

経験の浅い者や、入社して間もない者であっても、決定に影響力を持つことが許されるべきなのが、イノベーションを目指すチームの在り方です。誰から出てきたものもアイデアはアイデア。全員が意見を出せる環境になっているか?これを常に徹底することで、自由闊達な場が生まれます。

楽しく真剣に

楽しいと感じるときに、人間の潜在能力は発揮されやすくなります。そして、緩み過ぎず、深刻になり過ぎない、程よいリラックス感を持ちながら、真剣に取り組む。このノリが徹底されることで、メンバーの潜在能力はさらに発揮されていきます。リーダーの役目は、チームが常にこの状態になるよう導いていくことです。

これらのルールの徹底のために、リーダーとして心掛けることは、個人の肯定と支援、失敗を含めた実験・学習の促進、ボトムアップの取り組みの奨励。そして何よりも「忍耐」なのです。

忍耐は、相手の可能性を信じることによって、強化されていきます。

承認の力は、リーダーにとって、最も大切な要素の一つである「忍耐」の力をも高めてくれます。これは先に書いた「いかに待つことができるか」ということでもあります。

イノベーションを目指すリーダーとして進むとき、必ずぶち当たるのがこの点です。そして、ぶち当たりながら忍耐を持って進むことで、やがて、この忍耐がいかに大きな価値を生むかを経験されるでしょう。

その価値は、チーム全体の創造性の具体的な発揮となって花咲きます。さらには、それだけに留まらず、リーダーであるあなた自身の、人間としての大きな成長にもつながるのです。あなたのエゴを横に置き、忍耐を持って、全体のために動く。この経験が、あなたの人間としての器を大きくしてくれます。そして、そのことにより、やがてあなたの潜在能力がさらに発揮されていくことにも気づくことになるでしょう。

まずは「知っている」を「できる」にするための小さな行動から始めてみてください。

さいごに

この記事では、三浦将さんの著書より「リーダーがチームメンバーと共有すべきこと」について解説しました。記事の内容をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください。

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三浦将

株式会社チームダイナミクス 代表取締役http://www.teamdynamics.co.jp
著書『自分を変える習慣力』『相手を変える習慣力』(クロスメディア・パブリッシング)の習慣力シリーズは、累計20万部を突破。他に『人生を変える最強の英語習慣』(祥伝社)『一流の人が大切にしている 人生がすべてうまくいく習慣38』『「できる自分」を呼び覚ます一番シンプルな方法』(PHP研究所)がある。

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【出典】三浦将.
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