この記事では、「チームの創造性を引き出す方法」を解説します。

人材育成・組織開発コンサルタントの三浦将さんの著者『才能スイッチ』で解説している内容をもとに編集しています。
【著者】三浦将 株式会社チームダイナミクス代表

世界から見た「最もクリエイティブな国」とは

米国、英国、ドイツ、フランス、日本の18歳以上の成人5000人を対象に、米国 AdobeSystems が行った「クリエイティビティ」に関する調査(2012年)によれば、米国、英国、ドイツ、フランス、日本のうち、36%の人が、「最もクリエイティブな国」として日本を挙げ(2位は米国の26%)、「最もクリエイティブな都市」として、30%の人が東京を挙げています(2位はニューヨークの20%、3位はパリの16%)。

興味深い点は、これらに対して、自らを「クリエイティブだ」と考えている日本人は、わずか19%にとどまり、各国中ダントツの最下位。そんななか、自らを「クリエイティブだ」と考えている米国人は52%もいたということです。(*ちなみに、ここでいう「クリエイティブ」とは、「デザインセンスがある」というような意味ではなく、「創造性が高い」「独自性が高い」に近いものです。)

リーダーが作る企業風土が創造性を生む

この調査からいえることは、クリエイティビティ、つまり創造性という点に関して、日本は自分たちが思っているよりも、ずっと高い評価を受けているということです。外側から見れば、「何でそんなに自己評価が低いの?」という感じではないでしょうか。

これは日本人の自己肯定感と似たところがあります。他人から見ると、「できているんだから、もっと自分を認めればいいのに」と思えるくらいなのに、本人は自分に課しているバーが高かったり、できていないところばかりに注目していたりするので、結果、自己肯定感が低くなる。これは、多くの日本人にありがちなパターンです。創造性という点に関しても、似たようなことが起こっているということです。

日本は元より創造性に溢れ、独自の文化や芸術を生んできた土地。しかしながら、国内企業と外資系企業でそれぞれ10年以上働いてきた経験のある身として、会社組織という点では、出る杭は打たれ、現場の優れたアイデアが実現しにくい環境を持つ傾向があると感じます。

京都大学教授であり、登山家で、植村直己の南極横断の支援者でもあった西堀栄三郎は、「日本人に創造性を発揮させたければ、個人を鍛えるよりも組織のあり様を変えなければダメだ」と指摘しています。

つまり、個人の創造性を鍛えることも重要な一方、改革すべきは企業風土の問題であり、組織のあり様であるということです。

イノベーションリーダーの役割とは

ハーバードビジネススクールのリンダ・ヒル教授は言います。

「問題は『いかにイノベーションを引き起こすか』ではなく、むしろ『イノベーションが起こる舞台をいかに設定するか』なのだ」

そして、こう付け加えます。

「偉大なイノベーションリーダーは、方向性を定める責任者たることが自分の役割だとは考えていない。社員がイノベーションを起こす環境をつくることが自分の役割だと認識しているのである」

イノベーションを目指すリーダーの仕事は、イノベーションを起こす環境をつくる「舞台演出家」なのです。

研修の場や、講演の場でこれをお伝えすると、「そうはいっても、うちの会社の組織はそう簡単に変わるとは思えないんですよね」とおっしゃる方がいます。その気持ちはわかります。

一方、あらためてリーダーとはどんな存在でしょうか?

リーダーとは、どんな環境にあっても、リーダーシップを持って活路を切り開く存在です。

CEOにでもならない限り、会社全体を短期間で変えることは難しいでしょうが、リーダーとして自分のチームから変えていくことはできるはずです。これをせずに、会社組織のせいにだけして済ますのは、環境への依存に他なりません。

小さなユニットのリーダーたちが、それぞれのチームを変えていったら、会社全体へのインパクトはどうなるでしょうか?

会社の未来は、こんなリーダーたちにかかっているのです。どんな環境においても活路を切り開く姿勢が、リーダーシップなのだと確信します。

さいごに

この記事では、三浦将さんの著書より「チームの創造性を引き出す方法」について解説しました。

才能スイッチ


才能スイッチ

『才能スイッチ』では、今回ご紹介した内容の他にも、自信を身につけ「潜在能力」を発揮するための具体的な方法が解説されています。著者が実際に行った研修の事例なども交えた分かりやすい内容です。

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