この記事では、「できる部下を定着させるリーダーの役割」について書籍『会社で活躍する人が辞めないしくみ』よりご紹介します。

【書籍】『会社で活躍する人が辞めないしくみ
【著者】
内海正人 日本中央社会保険労務士事務所代表 / 人事コンサルタント・社会保険労務士

できる部下を定着させるリーダーの役割

組織のリーダーの役割について考えてみましょう。

会社組織の中で社長は、会社の方向性を決め、社員全体を統括して業務に邁進する環境を作るというところでしょうか。現在は違っても将来リーダーになられる立場の方々もよく考えて下さい。

管理者やリーダーの役割は何かということを整理します。リーダーの姿というものも、時代とともに役割が変わってきています。組織を動かすポジションの人が、従来のような単純なアメとムチでは、部下はついて来ません。若い社員は、入社3年で辞めていくのが当たり前の時代です。外部環境の変動が、リーダーの役割に変化を要求しています。

それではリーダーには、どのような役割が求められているのでしょうか?

経営トップのビジョンやミッションをそのまま伝えても、最近の部下にはすんなり伝わりません。経営トップの描くビジョンを自分が率いているメンバーの置かれている状況や問題意識に合わせて、わかりやすく噛み砕いて理解させる必要があるのです。

「会社が考えている方向を自分の部署に置き換えて、具体的な行動をとることが必要だ。例えば営業では……」。
「会社の目標に対して、管理部としてはバックアップ機能としてのサポートと分析を素早く行い……」。

将来のリーダーを見極める重要さ

さらには、メンバーに理解させ、行動させる力がリーダーには求められています。

「なぜ、その仕事をするのか?」というメンバーの疑問に丁寧に答え、理解させていくことが求められています。

部下が自分たちの仕事にプライドを感じるように、仕事に将来を感じるようにしていく役割がリーダーには求められています。

リーダーの資質は一朝一夕に身に付きません。リーダーの資質を持っている「できる社員」を探して、早いうちから教育することが必要です。そのためには、できる社員をマネジメントする上司である自分の目を肥やしておくことがポイントとなるでしょう。

できる社員の特徴とは

できる社員には、「思いやりがある」などよい人間性が備わっています。これは人として当たり前のことなので、あえて言及する必要はありません。

また、できる社員ほど「巻き込み力」を備えていて、いざというときに多くの社員が味方になってくれます。特に、社内の組織では同僚や同期などの本人と近い人が、積極的に動いてくれる傾向があります。

これは、以前に彼らが困ったときに本人が手助けをしたことがあるからです。「困ったときはお互い様だ」「俺のときも頼むな」と手助けをしたことがあるからです。おそらく本人は、気軽に手助けを実施しているのではないでしょうか?

もし、「自分のときに助けてくれるギブアンドテイク」と考えていたら、巻き込み力といわれるほど、同僚や同期が助けてくれないでしょう。ここには損得勘定は発生せず、単なる「同期の危機を助けなきゃ」という純粋な気持ちからの行動でしょう。この行動が結果として、自分のピンチを助けてくれることになるのです。

立場が管理者になっても必要な横のつながり

あなたが上司の場合、部下に指示して緊急で対応が必要な案件をこなすことはできるでしょう。

しかし、「課長、このやり方は私たちにはわかりません」、「今まで解決した方法では歯が立ちません」と言われることもあるでしょう。部下のスキルが全員高いわけではありませんし、高度な考えやアイデアが必要なこともあるでしょう。そんなときは、気軽に相談できる横のつながりが大切なのです。

マネジメント経験のある同期や同僚はそれなりに経験があり修羅場も数多くくぐっているはずです。そんな彼ら、彼女らの話を活用できる人間関係こそ、できる社員が持つ基礎力なのです。

できる社員は同僚を巻きこんで、仕事をこなすのです。

さいごに

記事の内容をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください。

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