著者インタビュー「経営者に読んで欲しい一冊」では、経営者の方におすすめしたいビジネス書を、著者の方へのインタビューを通してご紹介します。

今回は、事業企画コンサルタントであり書籍『データ分析できない社員はいらない』の著者でもある 平井明夫さん へのインタビューをお届けします。

この記事では、書籍の内容や平井さんの経験をもとに「業績を上げるためのデータの見方」についてお話をうかがいました。

平井明夫

事業企画コンサルタント

ソフトウエア製品やITサービスのマーケティングや事業企画・運営に20年以上にわたり携わった経験がある。主な著書に『BIシステム構築実践入門』(翔泳社)などがある。

業績を上げるための「データの見方」

― 書籍『データ分析できない社員はいらない』は、どのような人に向けて書かれた本ですか?

この本は、データ分析をきちんと学んだことがない人向けに、「業績を上げるための数字の見方」を身につける本として書きました。

意思決定必要な「指標」をデータ分析で導きだす

具体的にはどのようなことが書かれていますか?

企業の業績向上を目的とした、データ分析手法の使い方を解説しています。

さまざまなデータ分析手法を解説していますが、目的ごとに「売上を増やすためのデータ分析」「コストを減らすためのデータ分析」「在庫を最適化するためのデータ分析」「利益を管理するためのデータ分析」という4つの章に分けて解説しています。それぞれの目的に応じて、分析手法の使い方を個別に解説しているので、今必要としている目的に合わせて、どのような分析手法を使うべきかがわかるはずです。

また、個々のデータ分析手法を解説するだけでなく、「ケーススタディ」として、実践的なデータ分析業務の解説もふんだんに取り入れています。「ケーススタディ」を参考にしていただくことで、データ分析手法の使い方や、複数の分析手法の組み合わせ方などを理解することができます。

ビジネスにおいてデータ分析が重要だと考える理由は何かありますか?

会社の今後を決める大事な意思決定の際には、必ず指標となるものが必要です。その指標となるものを導きだすのがデータ分析だと思っています。経営者として会社の生き残りを考えたとき、あるいは、社員として会社の中での生き残りを考えたとき、データ分析は、欠かせないスキルだと思います。

ところが、データ分析をきちんと学んだ人は多くありません。また、データを毎日のように使い仕事をしている人でも、データの表面的な部分しか見えていないということは少なくありません。データは視点を変えて見ると、導きだされる結果が変わります。ぜひ、『データ分析できない社員はいらない』を読んで、データ分析のポイントを学び取っていただきたいです。

データ分析業務に目的・目標を掲げる

― これから企業を成長させていきたいと考えている経営者や、成長意欲を持ったビジネスパーソンに向けて、メッセージをお願いします。

企業におけるデータ分析のニーズは年々高まっていると思います。特に、経営者は「予算管理」「業績管理」「KPI (Key Performance Indicator)」といった「数値」に関わるキーワードに強い興味を持っています。

しかし、経営者が発する「あらゆる数字を見えるようにしろ」という漠然とした指示が、実際に分析を任される担当者との間に深い溝を生んでいることも少なくありません。そのままでは、業績向上にはつながらないはずです。

経営者自身はデータ分析の過程に対してもっと理解を深め、社員のデータ分析業務にしっかりとした目的・目標を与えることが必要です。その上で、目的・目標に見合ったデータ分析をする社員に、より高い評価を与えるべきなのです。実際にはこのような仕組みができている会社は多くありません。

また、社員の立場にある方は、経営者に対して積極的にデータ分析に関する情報を出していくべきだと思います。現在のような先行き不透明な時代を盲目のまま突き進むのは、コンパスを持たずに大海原に船出するようなものです。しっかりとした指針を持って、会社を成長させていくためには、経営者も社員も、立場に関わらずデータ分析に対する理解を深めることが重要だと思います。

さいごに

今回は、『データ分析できない社員はいらない』の著者 平井明夫さん に「業績を上げるためのデータの見方」についてうかがいました。

この記事のポイント
  • 業績を向上させて生き残るためには、データの分析スキルを身につけることが必要不可欠。
  • 経営者はデータ分析の過程に対してもっと理解を深め、社員のデータ分析業務にしっかりとした目的・目標を与える。

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