”商品開発の担当者必見!上司の説得に使える5つの方法”を全5回にわたってお届けしています。この記事は連載の第2回目です。
前回の記事
『上司を説得するときには“ロジックを忘れず、シンプルに説明する”』
この記事でご紹介する”上司の説得に使える5つの方法”は、商品開発コンサルタントである太田昌宏さんが、書籍『面白い企画がなぜ、残念な商品・サービスに変わってしまうのか?』でとりあげている”「上司を説得する壁」の乗り越え方”という内容を参考にしています。
太田昌宏
江崎グリコ株式会社の菓子開発企画部にて10年間ポッキーのブランドマネージャーとして活躍。その間、メンズポッキー、ムースポッキー等多くの新製品を開発するとともに、ポッキー&プリッツの日の制定に関わる。現在は、公益財団法人日本生産性本部のコンサルタントとして、人づくり、モノづくりをモットーにコンサルティング、企業や公開セミナーでの講師として活動中。
上司の説得に使える5つの方法
うまく上司を説得するためには、実際に対面しているときはもちろんのこと、事前の準備や一度ボツにされたあとの行動も重要です。それら、前後の行動も含めた”上司の説得に使える方法”は次の5つです。
・ロジックを忘れず、シンプルに説明する
・現場の情報量で上司を圧倒する
・上司の思考回路を理解する
・社内外にサポーターを作る
・上司が根負けするくらいの情熱で説得する
今回は5つの方法のうち、事前の準備から実際に説得するときにも重要な”現場の情報量で上司を圧倒する”方法をご紹介します。
現場の情報量で上司を圧倒する
”現場の情報量で上司を圧倒する”ときに意識しておきたいのは、次の3つのポイントです。
・上司の部下はあなただけではない
・上司も自分の上司に説明しなければならない
・相手が知らないことで耳を傾けさせる
順に詳しく見ていきましょう。
上司の部下はあなただけではない
上司は複数の担当者をマネジメントしているので、一人ひとりの企画に関わる時間は短くなります。当然、その企画に関する生の情報は、担当者の方が圧倒的に多いです。会議に追われて、現場の生の情報が不足していると感じている管理職は意外に多いです。
そのような危機感のある上司に対して、市場に最も近い担当者の利点を最大限に生かして、生活者やライバル、その他市場のさまざまな生情報を根拠に上司を圧倒しましょう!
もし、「上司の方がよく知っている」と感じている人がいたら、説得はとてもできないと反省しましょう。
上司も自分の上司に説明しなければならない
新しい商品企画を進めるためには、あなたが自分の上司を説得するのと同じように、あなたの上司も、さらに上の方を説得しなければいけません。
部下の提案を上司に説明するときに、ロジックがしっかりしていて、その裏付け情報がたっぷりある案でなければ、上司も自信をもって説明するのは難しくなってしまいます。
皆さんの上司が、皆さんの企画にあれやこれやと指摘するのは、その上司の方が、さらに上の方を説得するためのロジックと裏付けを確認していると考えましょう!
相手が知らないことで耳を傾けさせる
相手が知らない情報ほど価値は高いです。人に注意を喚起するには、その人が興味のあるテーマについて、知らない情報を提供することが大切です。
例えば、自分の企画に関係あるテーマで、新聞や雑誌、ネットで話題になっていることがある場合、当然上司はその内容を知っています。ただ、あくまでも上司は加工されて発信された二次データしか知りません。
そこで、担当者ならではの情報量、フットワークの軽さを生かして、「今話題になっているあの話ですが、関係者(使用者)に直撃インタビューしましたら、こんな話を聞けました。これなら、私の企画案の仮説に合いますよね!」と説明できると、上司の納得度も上がること間違いなしです!
そのためには、どんどん動いて情報を集めましょう!
まとめ
上司に対して”現場の情報量で上司を圧倒する”ときに意識しておきたいのは次の3つでした。
・上司の部下はあなただけではない
・上司も自分の上司に説明しなければならない
・相手が知らないことで耳を傾けさせる
担当者だからこそ知っている情報で上司を圧倒し、上司がさらに上の方を説得するときにも自信を持って話せるような説明を心がけましょう。
次回は、”上司の思考回路を理解する”方法についてご紹介します!
次の記事
『 上司を説得するためには”上司の思考回路を理解する” 』
『面白い企画がなぜ、残念な商品・サービスに変わってしまうのか?』
『面白い企画がなぜ、残念な商品・サービスに変わってしまうのか?』では、上司だけでなく、関連部門や外部の協力者を巻き込む方法や、そもそものアイデアやコンセプトを練り上げる方法まで紹介されています。興味のある方は、是非こちらも参考にしてみてください!