「お金をかけずにお客様の心を動かし、売上アップを実現する方法」それが「衝動買いを促すマーケティング=衝動買いマーケティング」です。

今、様々なお店・企業で熱心に行われています。特徴的な商品を揃え、心に響く接客、キャッチーなコピーのPOPづくり、お客様が興味を持つイベント等です。

また、お客様の側から考えても、豊かな時代をむかえ、「絶対にこの商品が欲しい」というモノ発想のショッピングから、「ショッピング自体を楽しむ」コト発想のショッピングが増える中、「衝動買い」は、よりいっそう増えていくでしょう。

そこでこの記事では、株式会社SIS 代表取締役・カスタマーリレーショナルマーケター 齋藤孝太さんが著者『衝動買いしてもらう21の法則』で解説している、「衝動買いとお店マーケティングの王道」をご紹介します。

衝動買いとお店マーケティングの王道

お店ビジネスの現状

日本の小売業の売上は、平成9年の147兆8000億円を境に縮小を続け、平成19年は133兆3000億円になっています。たった10年で10%縮小したことになります。高度経済成長最終期の昭和51年~57年の6年間で68%アップ、バブル時代は、昭和60年~平成3年の6年間で37%アップしていた訳ですから大違いです。

高度経済成長時代とバブル時代は、競合店に比べてエリア内シェアを落としたとしても、お店の売上が毎年成長を続けることができた、とても恵まれた時代でした。

今は、市場シェアが上がったとしても、売上がダウンする場合があります。

このような時代で本当に求められるマーケティングとは、どんなマーケティングなのでしょうか?

ここでは、お店全体としてどのようにマーケティングを実践する必要があるのかを考え、衝動買いの重要性について考えていきます。

お店マーケティングの王道「顧客育成」

お店マーケティングの王道は「継続的に来店してくれる固定客を徐々に増やしていく」ことにあるのは、皆さんも日々お感じだと思います。それには、お客様を段階を上るように育成する必要があります。

▼顧客育成の流れ
 ❶お店周辺に住んでいる人と、勤務している人にまず来店してもらう
 ❷来店したお客様にはじめて商品を購入してもらう
 ❸一度来店したお客様に、もう一度来店してもらう
 ❹二、三度来店しているお客様に、継続的に来店してもらう
 ❺継続的に来店してくれる人が、知人や友人に口コミをする

このように、顧客を徐々に育成することが理想的なマーケティングです。

衝動買いを通じた新規顧客の獲得で、顧客育成を実現

その実現には、「新規顧客」の獲得と「既存顧客」の育成が必要になります。

現在、お店はこの両方の課題を抱えています。

既存顧客の育成については、お客様との関係をベースにしたマーケティング、専門用語でいうところのCRM(カスタマー・リレーションシップ・マーケティング)によって行います。(参考:齋藤孝太著『なぜ、CRMは店舗の売上アップに繋がらないのか?』:日刊工業新聞社)

新規顧客の獲得については、テレビCM、新聞折込チラシ、ポスティングといった従来の方法の効果が下がっています。効果が上がったとしても、とにかくお金がかかってしまいます。また、インターネットもエリアが限定されるお店のマーケティングでは、なかなか効果が出ないのが現状です。

これは、一人の消費者の立場になって考えるとよりわかります。

・インターネットをする時間が増え、テレビを見る時間が少なくなっていませんか? 録画をして見ることも多く、その場合CMを飛ばして見ていませんか?

・新聞をとっていますか? 読んでいるとしても会社で読んでいませんか?

・郵便ポストに入ってくるチラシ、読んでいますか? マンション・アパートの場合、部屋まで持っていかず、ポストの下にあるゴミ箱にそのまま捨てていませんか?

・どんな商品なのか、大まかな値ごろ感を知るためにインターネットで検索しても、実際は店舗に行って心が動かされた商品を購入していませんか?

お金がかかって、しかも効果が下落している従来型のテレビCM、新聞折込チラシ、ポスティングではなく、新しいお客様を獲得することはできないか?

その答えが「衝動買いマーケティング」です。

衝動買いマーケティングによる新規顧客の獲得、CRMによる既存顧客の来店頻度向上が合わさることで、お店マーケティングの王道である、「新規を獲得し、徐々に関係を深めて固定客に育成し、固定客で居続けてもらう」顧客育成が実現します。

衝動買いをいつも促すには、商品・売場だけでは不十分

このように、お店マーケティングの王道である「顧客育成」に不可欠な衝動買いですが、それをいつも促すにはそうすればよいでしょうか?

よく紹介されているのは、衝動買いさせる商品(例:小林製薬『消臭元』)、衝動買いさせる売場づくり(例:ドンキホーテ、ヴィレッジバンガード)に関する内容です。

しかし、販売の現場を見るとそれだけではありません。お客様の衝動買いをいつも促すには、お店が行う様々なアクションが大切になります。様々なアクションとは、商品、品揃え、売場づくりに加えて、来店誘引や接客、価格、イベント等です。

それらのアクションが衝動買いを促すという1本の線で結ばれたとき、衝動買いが継続的に、かつ頻繁に発生することになります。

お客様は、来店し、商品を選び、購入を検討し、イベントを見て、価格を確認し、会計を行います。その全ての接触場面が衝動買いを促す手段を講じる場面なのです。

さいごに

 記事の内容について詳しく知りたい方は、こちらの本をお読みください。

衝動買いしてもらう21の法則


衝動買いしてもらう21の法則

予算も体力も時間もない、ナイナイづくしの小売業に対し、伸びない市場で売上・利益を上げ、現場と会社を劇的に変える知恵と手法を提案する本。 消費者の心理・行動という視点からはもちろん、現場視点からもお店でどのようなアクションをすればいいのかを説明しています。

AMAZONで見る

 

齋藤孝太

株式会社 SIS(ストラテジックインテリジェントシステム)https://sisys.jp/
カスタマーリレーショナルマーケター。店舗ビジネス(小売業・サービス業・SC等)において顧客との関係を深め、継続的な売上拡大を目指す企業を対象に、顧客育成/CRMの「販売現場の教育・研修・セミナー」を通じた人材育成を行っている。


【参考】齋藤孝太.
衝動買いしてもらう21の法則