この記事では、デザイナーのウジトモコさんが、著書『あらゆる問題解決の糸口になる視覚マーケティング戦略』で紹介している「ブランディングの7つの基本」をご紹介します。

ウジトモコ

アートディレクター。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、広告代理店および制作会社にて三菱電機、日清食品、服部セイコーなど大手企業のクリエイティブを担当。1994年 ウジパブリシティー設立。ウジパブリシティー

ブランディングの7つの基本

展開を予測し、戦略を立てる

ロゴマークやキャラクターをつくってブランド力を高めようとしたけれども、なかなか機能しない、思ったほど効果が出ないという相談を受けることがあります。これは、つくったロゴやキャラクターそのものが、会社の歴史や特長、あるいは活動との関係性に乏しいときにしばしば現れる現象です。

ブランドを立ち上げるときは、その後の展開をしっかりと予測し、戦略を立てなければなりません。「リアルな店舗とネットショップを立ち上げて、ブログとフェイスブックで情報を発信して、人を集めるためのイベントをやるに違いないから……」といったような具体的な内容も考えなければなりません。その際に、下記の7つの点を整理しておくとブランド力を高めるデザインのアウトプットができると考えています。

ブランディングの7つの基本

①アイデンティティの再定義:ブランドの本質や根源を知る
②企画・コンセプト(ビジュアルアイデアなどを含む):目的を定める
③独自性:強みを知る
④表現方法の選択:クオリティとトレンドを最適化する
⑤ガイドラインの設置:決まりや関係性を可視化する
⑥拡張性:事業拡大のイメージをあらかじめ持っておく
⑦サスティナビリティ:続けられる仕組みをつくる

これら①〜⑦をひっくるめて考えるのが「デザインマーケティング戦略」になります。

ブランドアイデンティティの重要性

実際のところ、ブランドデザインの力はあらかじめ立てた戦略の緻密さに比例します。

いい加減に準備した戦略、なんとなく思いついたような企画というのは、ワンクール、ワンシーズンは続いたとしても、3年、5年、10年といったブランドを育てるにはいたらず、途中で息切れを起こしてしまいます。

その場限りではない、地に足のついたブランドを育てたければ、通るべきであろう道筋を思い描き、いざというときの行動や判断、取捨選択の基準や決定の根拠となる根っこ、つまり、まず①のブランドアイデンティティの定義づけが重要になります。

基準や軸を決めるのは、決して規則や決まりで縛るためではありません。むしろ自由にやっていい部分をできるだけ増やすために、「これだけは守る」という決まりごとをつくるということです。これはブランドを長く続けるためには必ず必要になることですから、頭に入れておいてください。

ブランド戦略の骨子となるブランドアイデンティティ

よく立派なデザイナーやクリエイターが参画しているのに、なかなかブランド価値が上がらないという話をよく聞きます。

そういうデザインプロジェクトの多くは、①のブランドアイデンティティが定義されていない、もしくは弱いケースを多く目にします。①が不完全なのに②〜⑦ばかりに力が入ってしまい、ブランド戦略の骨子となるブランドアイデンティティがないがしろになってしまっているのです。

ですから、関連性のない単発キャンペーンばかり続けたり、取り扱い制作会社などをその都度変えたりしているメーカーなどは注意が必要です。

トレンドを取り入れながら、デザインの資産を活用する

また、ブランドのコンセプトに忠実に、そして真面目にがんばっているのになかなか飛躍しないメーカーもあります。

こういった場合のダメなところは、たいてい④表現方法の選択、⑤ガイドラインの設置、⑥拡張性、⑦サスティナビリティといったあたりが弱いという特徴があります。

ですから、私がこういったところにコンサルティングに入る際は、古めかしいイメージにならないようにトレンドを取り入れながら、デザインの資産を活用することを考えます。たとえば、ロゴをモノグラム化して、グッズやインテリアに拡張させたりすることでデザインによる期待感が最大限活かせるような提案をおこなっています。

 

ウジトモコ 著『あらゆる問題解決の糸口になる視覚マーケティング戦略』
伸びている企業は、左脳から右脳へと思考をシフトしています。デザインを戦略に取り込み、問題解決を図っています。なぜ、多くの経営者から次から次へと佐藤可士和のもとに仕事の依頼が舞い込むのか? ビジネスを飛躍させる可能性をデザインに見出しているからです。どこの企業でも抱えているような「売上が上がらない」「良い人材が確保できない」「商品力がない」「差別化できない」などの悩みを解決するのが視覚マーケティング戦略です。Amazonで書籍の詳細を見る。

 

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