誰からも「取引したい」と言われる企業になるためには、まず取引先から関心を持ってもらう方法を身につけることが大切です。

そこでこの記事では岩松正記さんの著書『誰からも「取引」したいと言われる会社の条件』の中で解説している「取引先に関心をもってもらう方法」についてご紹介します。

岩松正記

税理士。東北税理士会仙台北支部所属。山一證券の営業、アイリスオーヤマの財務・マーケティング、ベンチャー企業の上場担当役員、税理士事務所勤務を得て、10年間に転職4回と無一文を経験後に独立。開業5年で102件関与と業界平均の3倍を達成し、現在は紹介のみを受け付けるスタイルで活動している。

取引先に関心をもってもらう方法

人が感じる親密度は接触回数の多さと比例する

「返報性の法則」という心理学の法則があります。簡単に言うと、人間は与えられるとお返しをしたくなってしまう、というものです。

この仕組みを学術的に解説したのが、ロバート・B・チャルディーニの『影響力の武器』(誠信書房)。

これは知られざる名著中の名著で、実際、この本をすみずみまで読めば世の中で広まっている営業戦略のほとんどがこの本の内容の応用だということがわかるほど。そのくらい、役に立つ一冊です。

「返報性の法則」は上記書籍の中で紹介されている法則のひとつで、「人が感じる親密度は接触回数の多さと比例する」というものです。

これを利用した営業方法が定期訪問で、ルートセールスはもちろんのこと、飛び込み営業であっても、何度も何度も訪問して顔見知りになってくると、段々と親しみが湧いてきて情にほだされてしまう人も中にはいます。一般的なセールスは、この効果を利用しているわけですね。

従って、売上を上げるためには、何としてでも相手に覚えてもらう。そのためには何度も繰り返し接触するのがいい、ということです。その接触手段として、足を使うだけでなく、手紙やハガキなどのダイレクトメール、電子メールやメルマガなどを使うのも同様の効果があるとされています。

相手に関心を持ってもらうためのポイント

実はこの接触回数の増やし方にはいろいろな方法があります。ただ単に毎日毎日接触を続けるのではなく、相手に印象づけて購買に結びつけるために具体的な回数を挙げている方がいます。

高田靖久氏によれば、接触頻度には3の法則というのがあり、最初の接触から3日後、3週間後、3か月後に接触を図ることで、効果的に相手の脳裏にこちらのことが記憶として印象づけられ、その結果、再注文につながる確率が飛躍的に高まるそうです(『「1回きりのお客様」を「100 回客」に育てなさい!』(同文館出版)参考)。

このように、接触頻度を高めると相手に記憶してもらえて親近感も高まり、最終的に成約率も高まることは実証されているわけです。

しかしただ回数を重ねるだけではダメで、相手に関心を持ってもらわないことには、相手の印象には残りません。

返報性の法則でいうところの「お返し」というのは、接触することで相手に心理的な負い目を感じさせるものなんですね。だからこれは何でもよくて、お礼のハガキでもメルマガでもいい。さらに何か具体的なモノであれば、その効果はアップします。

もらった方に「申し訳ない」という気持ちを起こさせることができれば成功と言えるわけです。

いい人間関係を築くのに効果的な「手土産」

そこで利用するのが「手土産」です。営業マンであれば、何度も訪問して単に資料を渡すよりも、一発目からお菓子でも持っていった方が、相手に覚えてもらえます。

一番いいのはお菓子のたぐいですが、中には甘いものが苦手な方もいますから、そこは少しだけ考慮した方がいい。出張先や旅行先で買ったお土産なんかは、わざわざ遠くから買ってきてくれた感をかもし出すことができるので非常に効果的ですね。

もちろん、そんな打算的な考えだけでお土産を持っていくのもどうかと思いますが、それでも、要は「こちらはあなたのことをいつも気にかけているんですよ」というアピールにはなります。相手のことを思わなければ決してわざわざ買ってきたりはしないわけですからね。打算的ではあっても、決して嫌がられるものではないでしょう。

それが取引に結びつけば一番いいのでしょうけど、ただそれだけでなく、いい人間関係を築くためにも、手土産は効果的です。他人からよく思われてマイナスになることはないですから、ちょっとした気遣いということで、常に手土産を用意するクセをつけるのはすごくいいことです。

それが間違いなく相手から選ばれる気質を作り上げることになるはずです。

まとめ.気遣いの大切さ

この記事では、岩松正記さんの著書から「相手に関心を持ってもらう方法」についてご紹介しました。

取引先に興味を持ってもらうためには、「何度も接触すること」「ちょっとした気遣い」を心がけることが効果的です。訪問時に手土産を持って行くなど、ちょっとした気遣いが、いい人間関係を築き、取引相手として選ばれるきっかけづくりになるはずです。

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