この記事では、ビジネスで結果を出すために欠かせない「発想力の身につけ方」を経営コンサルタント 吉井亮介の著書どこの会社でも通用する、ポータブル・スキルを身につけろ!』よりご紹介します。

【書籍】『どこの会社でも通用する、ポータブル・スキルを身につけろ!
【著者】吉井亮介 
経営コンサルタント

発想・アイデアで差別化する

ビジネスで、発想って使っていますか?会社組織といえば効率重視が普通ですから、論理を超えた「発想」を社員に求めることは少ないものです。

ある会社で、「何が生まれるかわからないものなんて、仕事ではダメだ。使えない」と「発想」を正面から否定されたことのある人がいました。でも、今は商品も流通も揃っていますから、ちょっとした遊び心、アイデアひとつ、言葉ひとつで、突然売上げが上がる可能性のある世の中です。

ちょっとした発想がきっかけで、成果を高めることができる

例えば、レストランに牛肉を販売しているとします。(え? 自分のビジネスと関係ない? まあ、頭の体操ですから聞いてください)

市場価格グラム1000円の高級肉を販売してます。少人数で会社を経営しているので固定費が低く、あなたの会社では600円で販売できるとします。今は、高給料亭やレストランに卸していて、もっと売上を増やしたい。

もっと一般のレストランが買ってくれたら売上げを何倍にもアップできるはずなのにと思いました。でも、原価100円の肉を使っているレストランに「600円で買ってくれ」ではコストが6倍になりますから難しい。この市場、コストを理由にどの高級牛肉会社も参入できていないのが現状です。

そこであなたは考えた。確かにグラム600円では高すぎる。でも、1年のうち4月と10月に「いいブランド肉を食べる特別キャンペーン」を行う提案をしたら、どうでしょう。4月と10月の「一時的な特別メニュー」を提案すれば、客単価を上げる提案につながります。客は商品を選べるし、うまい肉を食べるわけだから、顧客満足も高まる。

「年に2ヶ月しか売れない」のでは、十分な売上げを確保できないから、大手は参入してこないかもしれません。いい市場です。そしてマーケティング・コンセプトを「肉」から「顧客単価アップキャンペーン」に変えた瞬間に、突然売り方が変ってきます。すると、新たな売上げが生まれてきます。コンセプトが決まれば、ウェブとFAXを使ってマーケティングを仕掛ければいい。

今ほど、個人にとって発想・アイデアが意味を持つ時代はなかったのではないでしょうか。ある品質以上の商品があり、流通システムは整っている。人とのコミュニケーションコストは非常に安価。個人にとってできることが増えてきているからです。

アイデアひとつで会社に新しいプロジェクトを起こすこともできます。

会社内だけではありません。会社でバリバリ働きながら、副業でも万年筆を年に何百本も売るウェブサイトを運営する人もいます。「無限」とは言わない。けれど、できることの幅は広い。そのために、アイデアを生み出す方法をこれから見ていきたいと思います。

アイデアを生み出す2つの方法

アイデアを出やすくするための方法論は昔から研究されています。

いろんな研究結果をシンプルにすると、要はこんなプロセスを意識して行うことなんです。

  1. 情報を収集する
  2. 考える。必死で考える
  3. リラックスする

これだけ、と言えばこれだけ。ポイントを先に話してしまうと、「情報収集」と「緊張・弛緩」をうまくコントロールすることがキーポイントです。

アイデアが生まれやすい情報収集

まず、アイデアが生まれやすい情報収集について話します。

アイデアを生み出しやすくするには、いくつかのメディアを合わせて学習することだと言われています。本だけでなく、CDなどオーディオ教材や講演など。そして、積極的に話してみること。

知識は、読むだけでは1週間も経てば、8%しか覚えていないと言われます。他のメディアを使うことや、人とディスカッションすることで、覚えている量は80%近くまで高まります。

アイデアを生み出すには、知識をヒントにすると発想しやすいものですから、さまざまなメディアから学ぶと忘れにくくなる特徴を活かし、いろんなメディアで情報収集してください。

アイデアを生み出す方法1「緊張とリラックスをうまく使いこなす」

次に、緊張とリラックスを意識的に行うことについて話しましょう。頭をフル回転させた状態から、リラックス状態へ一気に移行する方法です。

最もメジャーな方法が、必死に考えた後に、一眠りしてしまうことでしょう。アイデアが出ないなと悩みに悩んだ末に、ちょっと休憩とベッドの中でまどろんでいるときに、ふと良いアイデアがわいてきた経験はありませんか。

頭を悩ませる作業は「緊張」を生みます。その後、睡眠をとることが「弛緩」です。

睡眠でいいのは「弛緩」の効果があるだけではありません。起きている間は、無数の情報に晒されているのが普通です。インプットされる情報が多すぎて意識を集中できず、良いアイデアが浮かびにくいと言われます。

でも、まどろんでいるときは、外界の情報をシャットダウンして、問いに集中することができます。脳の奥深くに眠っている情報にアクセスしやすくなるんです。

「弛緩」の方法は他にも、公園を散歩することやお風呂に入るなどもあります。どんなに忙しくても夕食の買い物に行くようにしている人を知っていますが、彼は、1日悩んでも出なかったアイデアが、ちょっとした外出のときに出るといっています。

会社員として働いていると「睡眠」を技術として使いこなすことは難しいかもしれませんが、いくつかのパターンを知り、自分なりの「緊張と弛緩」のパターンをつくっておくと、困ったときに利用することができるはずです。

あ、それから、リラックス中に出たアイデアは、忘れがちなので注意してください。「覚えているだろう」とたかをくくっていると、あっという間に忘却し何だかわからなくなってしまいます。

私の経験では、確かに良いアイデアを思いついたはずなのに、5秒後には完全に忘れてしまうということが多々あります。特に気をつけたいのは、睡眠を「リラックス」のテクニックとして使う場合。「忘れないだろう」と思って眠り込んでしまうと、起きたときには完全に忘れてることが多いので、枕元にメモ帳かICレコーダーの用意を強くお勧めします。

アイデアを生み出す方法2「自分に対する問い方を変える」

アイデアを生み出す2つめの方法は、意図的に「問い」を変えることです。

問いというのは頭の中の動きの話です。私たちの頭の中には情報が詰まっています。それを取り出すのに、自分で自分に(無意識に)質問を投げかけているようです。

例えば、自己紹介のとき。「私はシステム会社で保守管理の仕事をしています」と言ったとします。この表現を引き出すために、問いかけた「問い」があるんです。それは「自分はどんな仕事をしているか」という問いかもしれません。

「彼女募集中です」と言ったときには、「自分は彼女がいるかどうか」という問いを自分にむけています。

どんな表現やアイデアにも、その裏側に意識的・無意識的な質問が飛び交っている。それに合わせてアイデアが出てきます。この「質問」の内容を意識的に変化させることで、得られるアイデアを変化させることができるんです。

先ほどの続きで自己紹介を例に取りましょう。「仕事のことは・・・」と、自己紹介の最初に仕事に関することで話し始めたとします。でも、仕事の話だけではつまらないと思えば、途中から「プライベートの自分について伝えたらおもしろいことは何か?」と問いを変えることでしょう。すると出身地や趣味の音楽の話などのアイデアがわいてきます。

他にも、「小学生の頃の失敗談は?」とか、「初恋の人とのエピソードは?」と、より具体的な質問をすると、それに合わせた情報が頭の中からぽこっと出てくる。きっと、あなたも自己紹介をしながら、半分無意識に問いを変えた経験をお持ちだと思います。

問いを変えることは、誰もが無意識に行っていることです。そして新しいアイデアを得るとき、とても有効な手段なのです。

特に、仕事でアイデアを出さなければいけない期限が近づいてきたときは、意識してやってみてください。ストレスがかかると、視野が狭くなってくるのが人間です。すると「どうしよう、どうしよう、どうしよう、えーと、どうしよう」と、なぜか「同じコトバ」を繰り返し頭の中で反芻するだけになる。同じ問いの繰り返しですから、同じ答えばかりが出てきて前進しない。余計に煮詰まってしまいます。

こういった同じ問いの無限のループから出る方法が、「問いを意識的に変える」こと。具体的に考えたり、角度を変えた質問が役に立ちます。

どんなやり方があるのか。アイデアを出す前に、「問い」をブレーンストーミングするといいですよ。ブレーンストーミングとは、とりあえず意見やアイデアを評価せず次々出していくことです。アイデアを考える前に、質問をいくつも出しておくと、煮詰まったときにさっと切り替えて別の質問に移って新しいアイデアを出すことができます。視野が狭くなる前にやっておくのが肝心です。

例えば、商品のコンセプトを考えるときには、こんな「問い」をブレーンストーミングで次々出しておきます。

  • お客さんは、どんな問題を抱えているんだろう
  • 他社の商品を使うときに、不便に感じていること、改善を求めていることは
  • 他の会社の商品が持っていない機能は何だろう
  • この商品は環境にいいんだけど、実際、環境にいいことがお客さんにとってどんな風に役立つんだろう

・・・などです。今、例に挙げた問いを見てもらうと、どれも違った角度の答えが出てくるはずです。質問の数が多いほど、アイデアもたくさん出てくるでしょう。

質問はアイデアを生み出す源泉になりますから「良い質問」を思いついたり、出会ったりしたら、欠かさずノートに書いておくと役立ちます。

「良い質問はどこだろう」という問いを持っていると、雑誌のインタビュアーがしている質問や、本のタイトルなどからでも、良い質問を収集することができると思います。

発想し、活用するためのスタンス

これからは、発想して新しいものを生み出せる人が職種を問わずに活躍できる時代です。知識を持っているのは普通、それをどう使うかの時代ですからね。

これからお話することは、「当たり前だよ」と感じるかもしれません。でも、もう一度意識的に取り入れてみていただきたいんです。

お伝えしたいスタンスは2つあります。

考えることを大事にする

1つ目は、「考えることを大事にする。十分な時間をとる」スタンス。

私は、誰もが今よりもう一歩考えられるのに、何らかの理由で考えることをサボっているのではと思っています。「自分は、まだもう一歩深く考えることができる」と思って、プラス5分でも10分でも時間をとっていただきたい。

「まだもう一歩考えられる」「まだ力を出し切っていない」という謙虚な姿勢が、良いアイデアを生み出す体質へとあなたを変えるでしょう。

度胸を持つ

2つ目は、「度胸」の話です。

発想は、変化を起こすときに必要なものです。現状を変えずいつもどおりの仕事を進めるだけなら、発想はいらないですからね。

だから問題がある。変化を起こす意見を言うことは、職場によっては高い緊張感を伴う可能性があるからです。新しいアイデアは表面的には求められていますが、実際には新しいことを考えると変化を嫌がる人は多いものですから。

発想は口にして、形にして、新しい経験を通じて新たな知恵を養い、さらに発展するものです。表現できないことは、大きな痛手です。理想論でいえば、マネージャーが「意見を言いやすい環境」をつくることが望まれます。でも、人に任せて待っていたら、一生は終わってしまいます。

そこで、自分が変化しながら新しいことを求めていることが周囲にとって当たり前になるまでは、「勇気」や「度胸」というスタンスを意識してとる。考えを話してみていただけたらと思います。

さて、今お話した2つのポイントを「スタンス」として紹介したのには、理由があります。仕事をしている間に思い出して、自分を疑っていただきたいんです。「自分は、もう一歩深く考えることができるのではないだろうか」「大事なことなのに、他者に気を遣って言わないだけなのではないか」と。

どちらも「自分の頭の中だけで起こること」で、他の人が判断し言葉をかけることが難しいからです。自分が「未熟である」と少し謙虚に思っているほうがちょうどいいんですよね。

発想力の役割

さいごに

記事の内容をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください。

どこの会社でも通用する、
ポータブル・スキルを身につけろ!


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