リーマンショックのような金融危機や大規模な自然災害、テロなど、自社の戦略ではコントロールできないような大きな出来事は日常的に起こり、自社のビジネスに影響を与えてきます。

このような先の見えない時代に、企業はどのようにして経営戦略を立案していけばよいのでしょうか?

そこでこの記事では、株式会社ミライフ 代表取締役 佐藤雄佑さんが、著書『いい人材が集まる、性格のいい会社』で解説している「不確実な時代の経営戦略」についてご紹介します。

佐藤雄佑

株式会社ミライフ 代表取締役。
リクルートエイブリック(現在のリクルートキャリア)で、法人営業、支社長、人事GM、エグゼクティブコンサルタントなどを歴任。MVP、MVG(グループ表彰)などの表彰多数受賞。2016年、株式会社ミライフ設立。働き方変革事業、戦略人事コンサルティング事業などを展開している。株式会社ミライフ

不確実な時代の経営戦略

戦略なんて全然予定通りにいかない

私はリクルートキャリアという会社で、人事マネージャーとして、経営戦略と人事・組織をつなげるという仕事をしていました。もう少し具体的に言うと、例えば、役員会で決まった中期経営計画や、翌年度の事業計画を受け、各事業部、部にどんな人が、何人必要かといった要員計画に落とし込み、そこから人事異動や採用を行っていき、組織をつくっていくという仕事です。いわゆる「組織は戦略に従う」というハーバードビジネススクール名誉教授のチャンドラー氏の言葉をまさに形にするミッションでした。

そこで、いつも感じていたのは「そもそもこの戦略って正しいのか?」ということでした。リクルートの経営陣、経営企画は常に大胆、挑戦的な戦略立案するのは素晴らしいのですが、それに伴いガラッと組織が変わるような戦略になることも多く、いつもこの質問を自分に問いながら仕事をしていました。そして、この仕事を何年もやらせて頂き、気づいたことは「戦略なんて、全然予定通りいかない」ということでした。なぜでしょうか。昨今、自社ではコントロールできないようなことが起こり過ぎるからです。

外部環境の変化に合わせて戦略を変更していく

例えば、リーマンショックのような金融危機では、景気が一気に急降下し、私のやっていたような人材ビジネスは直接的に大打撃を受けました。またその後も、2011年3月11日の東日本大震災、そして原発の事故、同年のタイの大洪水、台風・大雨などに起因した自然災害、アルジェリアやボストン、パリなどで起こったテロ、直近ではイギリスのEU離脱など、自社の戦略ではコントロールできない大きな出来事が日常的に起こり、自社のビジネスに影響を与えてきます

もちろん、だから「戦略を立てるのは意味ない」と言っているわけではありません。ただ、一度立てた戦略に固執するのではなく、戦略の前提や外部環境の変化に合わせて、都度戦略を変更していくことが求められています。つまり、組織も人も変化が求められる時代であるということになります。

これからはVUCAの時代

VUCA(ブーカ)という言葉をご存知でしょうか? これからはこのVUCAの時代だと言われています。VUCAとはVolatility( 不安定)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を合わせた軍事用語で、ここ数年でビジネスの世界でもよく耳にするようになりました。つまり、先の見えない変化の時代ということです。このような変化の時代においては、今まで培った経験・知識が意味を持たなくなるかもしれません。

では、VUCA時代に企業はどのように生きていけばいいかというと、ズバリ変化対応能力の高い人・組織を築いていくということです。逆に言うと、変化を嫌う安定大好きな人・組織では間違いなく通用しなくなっていくでしょう。

「戦略は人・組織に従う」

これまでは誰かがつくったレールの上をきっちり、真面目に通っていけばよかったのかもしれませんが、これからはレールが分かれていたり、途中で切れてなくなっていたりするわけです。それでも、意思決定して、進んでいかなくてはいけません。

「何をするか」というのは変化の激しい時代の中で変わっていきます。まさに「組織は戦略に従う」という時代から「戦略は人・組織に従う」という時代にシフトしていきます。現在の自社のメイン事業が5年後、10年後も同じとは限りませんし、むしろ変わっている方が多いかもしれません。

つまり大事なのは「誰とするか、誰がするか」といった人・組織であり、いかに変化していけるかということです

(『いい人材が集まる、性格のいい会社』をもとに編集)

 

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