経営者ならば能力給と定期昇給ではどちらがいいか悩んだこともあるのではないでしょうか。現在は能力給が主流ですが、果たして理にかなっているのはどちらでしょうか。

そこでこの記事では、岩松正記さんが著書経営のやってはいけない! 増補最新版で解説している「能力給より定期昇給がよい理由」をご紹介します。

岩松正記

税理士。東北税理士会仙台北支部所属。山一證券の営業、アイリスオーヤマの財務・マーケティング、ベンチャー企業の上場担当役員、税理士事務所勤務を得て、10年間に転職4回と無一文を経験後に独立。開業5年で102件関与と業界平均の3倍を達成し、現在は紹介のみを受け付けるスタイルで活動している。

能力給より定期昇給がよい理由

能力給は会社に有利だが不満もでやすい

個人の業績が良かった時にはたくさん賞与を出すが、業績が悪い時には賞与を減らすという会社と、賞与は夏冬1ヶ月分だけだが毎年必ず定期昇給5%を行うという会社。会社として目指すべきはどちらでしょうか。

単純に資金繰りだけを考えれば、実は前者のほうが会社経営にとっては有利です。なぜならば、業績や能力による評価というのは、評価する側が十分に操作することができるから。

多くの会社で採用されているのも前者です。この他に、支給する賞与の総額はあらかじめ決めておき、その中で従業員ごとの分配を決めるという方法もあります。この場合、会社の業績に関係なく賞与が支給されることになります。

能力給のデメリット

正直、賞与額の目安を確約しない方式を採用すると、従業員のモチベーションは上がりません。なので、従業員間で格差を付けることで、多少のガス抜きをすることになる。業績給や能力給というのは、言わば強者の理論で、会社内で敗者になってしまった者に残された道は退職しかありません。

いったん賞与を支給してしまうと、会社は業績が悪いからといってなかなか下げられなくなります。それをクリアするのが予算内での分配方式というわけです。

ただ、この方式だと金額の多寡で従業員の間に不満が募りがち。そこで、定期昇給重視の考え方もあります。

定額昇給のメリット

たとえば毎年5%の定期昇給をする場合、月25万円の給料で夏冬1ヶ月分の賞与を支給すると、従業員1人当りの給料総額は、1年目350万円、5年で447万円(当初の1・27倍)、10年目で570万円(1・62倍)となります。

この方が、本来は従業員にとっても生活設計しやすいはず。しかも会社が5%以上の成長をした場合、理論上は成長よりも人件費を抑えた形になるので、会社にはより多くの利益が残ります。さらにこれだと従業員にとって取り分が下がるということは無いので、分配方式よりは不満を抑えることができます。

そう考えると定期昇給の方がいいように思えますが、今度は逆に、業績が上がっているのにその伸びよりも昇給率が低い、といった不満が出る場合があります。

いずれにしても、より不満が少なく、より会社としてのコストがかからない方を採用するとすれば、多くの場合は定期昇給になるでしょう。

さらには、後者の方が計算も簡単ということがあります。複雑な支給計算などせずシンプルにいく方が、会社にとっても従業員にとっても利益になるはずです。

まとめ.自社の状況に合わせて考える

この記事では、岩松正記さんの著書より「能力給より定期昇給がよい理由」をご紹介しました。

定額昇給のメリットを大きくご紹介しましたが、もちろんデメリットもあります。最終的には自社の状況に合わせて会社に都合がよく、従業員にとっても不満の少ない方を考えてみてください。

また、給与体系に限らず、企業経営においてたくさんの疑問は出てくるでしょう。『経営のやってはいけない! 増補最新版』(岩松正記 著)では、今回ご紹介した内容の他にも、経営にとって必要な知識、実践的なノウハウを多く掲載しています。

起業において不明な点がある方、経営における知識をもっとみにつけたい方、本書は一読の価値アリです!

 

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