この記事では、「新体制時に辞める社員の数を抑えるには」を書籍『会社で活躍する人が辞めないしくみ』よりご紹介します。

【書籍】『会社で活躍する人が辞めないしくみ
【著者】
内海正人 日本中央社会保険労務士事務所代表 / 人事コンサルタント・社会保険労務士

後継者選びと教育

経営者が変わることは会社にとって、とても大きな事件です。

大手企業であれば、階層が明確であり、人事のしくみの中でキャリアパスがあるので、それを順当に上ってきた人物から選ぶところがほとんどでしょう。

しかし、中小企業の場合は様々です。会社のオーナーが社長であり、全権を担っているケースがほとんどではないでしょうか? そんな中で世襲はある面で立派な制度であるといえます。子どもに後を継がせようと教育を施し、修行と称して若いうちは別の会社で経験を積ませて、ある程度のレベルに達したら自分の会社に戻すという流れが一般的です。

大企業の社員は優秀なのか?

しかし、譲る子どもも後継者と考える社員もいない場合もあります。後継者を確保したり育てておくのは、理想通りにいかないものです。この場合、大企業から優秀な社員を引っ張ってこようとして失敗する例があります。中小企業の社長は大企業に対するコンプレックスがあります。大企業のやり方こそが正しいやり方で、お手本だという意識もあるでしょう。大企業から移ってくれる社員は優秀だと思い込んでいるのです。

この考えが大間違いです。なぜかというと、中小企業の場合は、会社の規模が大きくないので何でもこなさないといけません。また、マニュアルやルールもアバウトで明文化されていません。大企業では教育体制がかっちりしていて、誰もが同じクオリティーのパフォーマンスが出せるようなしくみとなっていますが、中小企業は仕事も標準化されていません。そんな中、スーパー社員と思って大手企業からスカウトして、何でもできると思ったら大間違いです。

そんな異なる環境、文化なので後継者として迎え入れるどころか、普通の社員としても機能しない場合が多いのです。後継者問題はケースバイケースということで、教科書も正解もないものだという認識をした方がよいと考えられます。ただし、会社としての方向性をある程度の段階でつけることは必要でしょう。

経営者や上司が変わるタイミングで会社を去っていく社員も多くいます。問題が起きない、できる社員が安心して仕事に取り組めるよう引き継ぎはしっかり行いましょう。

さいごに

記事の内容をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください。

会社で活躍する人が辞めないしくみ


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