「今日も思いっきり仕事に打ち込むぞ」

「全部出し切る勢いで業務に取り組もう」

このように仕事に対して熱意をもって取り組んでいる従業員の方はそれほど多くはないのではないでしょうか。経営者や人事の方からしても、「仕事は大変なものだし、時には辛いことだってある。社員みんなが積極的に仕事に打ち込むなんて理想論でしかないだろう」と半ば諦めてしまっている方も多いかもしれません。しかし、これは企業側が積極的に仕事に取り組みたいと思えるような環境が整えられていないことも要因としてあります。

そこで、今回は従業員が積極的に業務に取り組むために必要だと言われている「エンゲージメント」について『インターリンク株式会社』の代表取締役社長である武本氏への取材を元に説明をしていきます。

なぜ、今エンゲージメントが注目されるのか

エンゲージメントとは、「従業員の会社に対する愛着心や信頼関係」を意味する言葉になります。

会社が好きという気持ちはもちろん、「仕事のやりがい」や「成果に対する報酬」、「成長実感」など、プラスの気持ちを持っている状態が「エンゲージメント」が高いと言われる状態です。

「エンゲージメント」が高くなると、従業員が能動的に仕事に取り組むようになり、「生産性の向上」や「離職率の低下」など企業経営にプラスの影響をもたらすと言われています。

なぜ、今エンゲージメントを高めようとする企業が増えてきているのでしょうか。

従業員と企業の関係性の変化

これまでの終身雇用の時代は終わり、人材の流動化が進んでいる現在、企業は社員に長い期間にわたって生産性を高く保ち働いてもらうために工夫する必要が出てきました。そこでよく話が出てくるようになったのが、企業と従業員との「エンゲージメント」です。

働く人の価値観が多様化し、仕事に対する目標や希望もさまざまになった世の中において、いかに従業員に熱意をもって仕事に取り組んでもらうことができるか、つまりエンゲージメントを高めることが企業にとって大きな課題となっています。

コロナによる社内コミュニケーションの減少

また、新型コロナウイルスの影響でリモートワークが増えたことにより、当たり前のようにあった従業員同士のコミュニケーションが少なくなってきました。これも企業への帰属意識を下げる大きな要因となります。「エンゲージメント」を高めるためには企業と従業員とのつながりだけではなく、従業員同士の横のつながりも非常に大切になります。

「エンゲージメント」を向上させるためには、企業と従業員の縦のつながりと従業員同士の横のつながりを両面から施策を考えていく必要があります。では、どのような施策により解決が可能になるのでしょうか。

人材の流動が激しいIT業界

IT業界ではキャリアを積んだら転職することが一般的であるため、他の業界以上に流動的な人材が多くなります。その中で経営を行ってきた武本氏は、どうすれば従業員に長く働いてもらえるかさまざまな取り組みを実施してきました。その中の一つが、感謝の気持ちをポイントにして、従業員同士がポイントを送り合う制度です。

最初は「社員のモチベーションアップにつながればいいな」という思いから始めた取り組みだったそうですが、ポイントを送り合うことにより、さまざまな社内の課題解決につながったそうです。

例えば、ポイントを送り合う基準を決めたことにより、社内で何が評価されるのかが明白になったり、会社への貢献度がポイントとして見えるので、自分がどれくらい頑張っているのかが客観的に見えたり、もらえたポイント自体が定量的な評価につながる。

このように、従業員同士でポイントを送りあうことが「エンゲージメント」向上のために最適な方法であると武本氏は気付いたそうです。

そこで、感謝の気持ちとしてポイントを送るだけではなく、ポイントをもらったことに対するコメント機能など、「コミュニケーション機能」を充実させ、そしてコミュニケーションを定量化することにより相関図から上司と部下の信頼関係など、「組織の状態を可視化する機能」も追加することで、より一層従業員の「エンゲージメント」の向上につなげようと「Agelu」の開発を決めたとのことでした。

Agelu」に学ぶ「エンゲージメント」向上施策

社員の「エンゲージメント」向上のためにさまざまな企業で活用されている「Agelu」。その機能から企業でも取り入れることができる、企業と従業員の縦のつながりと従業員同士の横のつながりを強化するための施策を紹介します。

評価ポイントを決めることにより経営理念を浸透させる

「Agelu」では、ポイントを送り合うための配布基準を作ることができます。これにより、企業が大事にしていることを従業員に理解してもらうことができ、経営理念が従業員に浸透するそうです。また、評価(=ポイント)をもらえることにより、しっかりと自分の頑張りを見てくれている人がいるのだと理解でき、モチベーションアップにもつながり会社への帰属意識が生まれることにもつながっているそうです。

企業側としても経営理念を基に社員の評価基準をしっかりと作成することで、従業員が行動レベルで経営理念を理解することができ、理念の浸透が進み、それが企業文化として定着するようになります。

評価のタイミングも夏や冬の賞与のタイミングで評価をするのではなく、週に1回や月に1回にすることにより、より一層会社への帰属意識が生まれるようになります。また、社員みんなが見ている場で評価をすることにより、「もっと頑張ろう」と社員のやる気を引き出すきっかけにもなります。

押しつけではないコミュニケーションの場を用意する

「Agelu」にはコミュニティ機能が実装されています。これにより従業員同士でコミュニティ(グループ)を作り、業務以外の内容でも気軽に話すことができます。その他にもつぶやき機能も用意されていて、この機能を使えば、Twitterのように好きなことをつぶやけるので、共通の話題を持っている社内のいろいろな人と気軽にコミュニケーションをとることができます。

企業において、従業員が交流できる場を作ることは心理的安全性の面からも大切なことです。ただ、そのときに注意しなければならないのは、押しつけになってしまわないようにすることです。「ツールを導入したので使ってください」では、ツールを使うことが目的になってしまい、本来の目的を達成するのは難しいでしょう。

大切なことは、感謝の気持ちを伝えるなどポジティブな感情を醸成するような仕組みにすることです。そうすることで、ポジティブな感情が連鎖し、従業員同士の理解が深まり、働きやすさ、働きがいを感じる「エンゲージメント」の高い組織が生まれます。

読者へのメッセージ

利用者やお客様から直接「ありがとう」の声がもらえる業種・職種は限られています。「ありがとう」という声によって、仕事に対する取り組みに熱が入る。もっと真剣に取り組もうとモチベーションにつながる。

今後は、働く人が利用者から「ありがとう」を直接もらえるような仕組みを作り、感謝が多く飛び交う社会を目指して取り組んでいきたいと考えています。

Agelu説明

「Agelu」は成長する組織をつくるために必要な3つの状態を作ることに特化した「組織の成長支援プラットフォーム」になります。活用することにより

  • 目的を共通認識できる経営理念の浸透
  • 自由に発言・行動できる心理的安全性
  • 適切なフォローができるマネージャーの育成

にご活用いただけます。

詳しくはこちらのサイトをご確認ください:https://agelu.tips/

 

武本 淳(Jun Takemoto)
インターリンク株式会社 代表取締役社長
URL: https://www.interlink.ne.jp/
東京都千代田区九段下1-4-1