この記事では「問題社員を解雇する方法」をご紹介します。人事コンサルタントの内海正人さんが著書今すぐ売上・利益を上げる、上手な人の採り方・辞めさせ方で解説している内容をもとに編集しています。

内海正人さんのクライアントの事例をもとに、問題社員を解雇する方法を確認しましょう。

目次

  • 「勤務不良」による解雇は難しい
  • 解雇するための材料を集める
  • 最低限の法律を知り、冷静に対処する

内海正人

人事コンサルタント。日本中央社会保険労務士事務所 代表。

「勤務不良」による解雇は難しい

先日、ある社長が困り果てて私に連絡してきました。

「弊社には、勤務態度が悪い社員がいます。人事考課の点数も悪く、仕事のスキルも低いのです。本音を言えば「解雇」したいのですが、どうすればいいのでしょうか・・・」。

まず、解雇は労働基準法で次のように決められています。

  • 客観的で合理的な理由が必要
  • 就業規則に「解雇事由」を記載すること

これらを守らなければ、解雇できません。

相談のケースは、次のような状況です。

  • 遅刻が多く、何度注意しても直らない
  • 仕事のミスが多い
  • 業務命令に対し、違反と思える行為をする

会社は、「仕事を任せてトラブルになるより、何もしてもらわないほうがいい」というのがとりあえずの本音でした。そして、単純な作業しかさせない状況にしていました。しかし、この現状は与えられた仕事をこなしているような状態です。

これでは「解雇に相当する理由」の証明ができなくなるのです。この理由を専門用語で「勤務不良」と言います。

また、「嫌がらせで仕事を干された」と言われる可能性もあります。結果、それなりの仕事を担当させることが必要になってしまうのです。

しかし、会社の本音は「解雇したい」でした。そこで、私に相談が来たのです。

いろいろ判例を見てみると、裁判などでは「勤務不良」を理由とする解雇はなかなか有効になりません。ただ、反抗的な態度、上司への暴言、業務違反などが合わされば、有効になる可能性もあります。しかし、そういった言動などがない場合は解雇は難しいでしょう。だから、解雇するには色々な材料を集めないといけません。

解雇するための材料を集める

解雇までの現場での対応は、「就業規則に解雇となる理由を詳細に記載する」「解雇に至るまでの社員と会社の対応を記録する」ということです。そして、就業規則に解雇の理由の記載し、事前に解雇の理由を社員に通知することとなるのです。

具体的事実を証拠として残す

それから、次のような「具体的事実」を「証拠」として残しておくのです。

  • 遅刻、早退の回数と注意、指導の状況
  • 仕事のミスの内容、事後対応、改善されない事情
  • 反省文や始末書等の文書の保管

一つ一つは些細でも、積もり積もれば話は変わります。実際、平成11年の東京地裁の判決に次のようなものがあります。

  • 一つ一つは解雇に値する重大な事実であるといえない

しかし、次のような改善の見込みが乏しい場合、解雇は有効としています。

  • 問題の発言が多い
  • 短期間に多くの問題を起こしている
  • 度重なる指摘、注意、警告に関わらず改善できない

そこで、私は次のようにアドバイスをしました。

  • 問題行動が就業規則の解雇理由に該当することを伝える
  • 問題行動があったら、日時、内容を記録する
  • 注意に対する対応を記録する
  • 処分を行う場合は文書で行なう
  • ある程度の期間は辛抱し、証拠を積み上げる
  • 最終判断を下す時は、厳しい態度で望む

これらは非常に大切な要素です。しかし、早急な対応を求めすぎる社長が多いため、争いになっても会社が負けてしまうのです。私に言わせれば、無策で負けるべくして負けているケースばかりです。

実際、私に相談に来られた方は、「そんなことがあるのですね」「ここでの対応がまずかったですね」「就業規則の書き方が甘かったです」と言います。

最低限の法律を知り、冷静に対処する

社員が問題を起こしたことで、強引に辞めさせようとするケースもあります。しかし、これは得策ではありません。力づくで辞めさせようとして、失敗したケースも多く見てきました。ここまでくると、問題社員も「法律武装」する可能性が高くなります。「不当解雇」で訴えられる可能性もあります。

まずは、冷静に対処する気持ちを持ちましょう。感情的になったらアウトです。そのために最低限の法律を知り、対応することが重要です。

さいごに

 この記事では、内海正人さんの著書より「問題社員を解雇する方法」についてご紹介しました。

この記事のポイント

  • 問題社員を解雇するためには、「解雇するための材料を集める」ことが重要。
  • 解雇するための材料となるもの
    • 遅刻、早退の回数と注意、指導の状況
    • 仕事のミスの内容、事後対応、改善されない事情
    • 反省文や始末書等の文書の保管

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