この記事では、「人材採用がより難しくなっていく理由」について、リクルートエイブリック(現在のリクルートキャリア)で支社長、人事ゼネラルマネージャーなどを歴任し、現在は株式会社ミライフの代表を務める佐藤雄佑氏の著書『いい人材が集まる、性格のいい会社』よりご紹介します。

人材採用が難しくなっていく3つの理由

これからの時代、いい人材の採用は益々難しくなっていくでしょう。一方で、経営者の方々と日々お話をしていても、まだここまでの感覚を持っている人は多くいません。新卒採用は毎年やっているので、穴を空けないように継続的に慣性でやっていたり、中途採用は戦略というより欠員補充としての短期的穴埋めとしてやっていたりするといったことも多いです。

人口減少・少子高齢化

人材採用が益々難しくなる主たる理由は、人口減少、少子高齢化です。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2010年に約1億2800万人だった日本の人口は2030年には1億1600万人あまりに減少するとの試算が出ており、20年で1200万人減ることになります。そうすると、当然のことながら、生産人口も減少しますが、人口減少と同時に高齢化も進むので、人口減少以上のペースで生産人口が減ります。2010年には8000万人以上いた生産年齢人口は、2030年に6700万人ほどになり、約1300万人減ることになります。東京都の人口が約1360万人なので、おおよそ東京都民がまるごと労働市場からいなくなるといったことになります。

つまり、働く人が大幅に減少する時代なので、当然、採用は競争になり、難しくなるということになります。ロボットやAIといったテクノロジーの進化により、今の仕事を代替できるので、労働力が少なくなってもなんとかなるという考え方もあるようですが、シンギュラリティの世界まではまだ時間が掛かりますし、そのような世界になっていたとしても、いい人材は取り合いが続いていると思います。

人材獲得競争が進んでいく

変化があまり激しくなかったり、計画通りに物事を進めることができた時代は、新卒を採用して、自社の思い通りにゆっくり育てればよかったのかもしれません。

ただ、これからの時代は今まで必要だと思っていたスキルや経験がいらなくなったり、一方で全く必要としていなかったものが必要になります。

グローバルでのM&Aも日常のように行われていて、自分たちの当たり前が通用しない、大きく変わる時代がもう目の前に来ています。変化に対応しようと、戦略を考えたとしても、やれる人がいなければ絵に描いた餅になります。

今までは既存の事業を運営していくにあたって、空いているポジションの人だけ採用すればよかったのですが、今後は事業の急激な変化に伴い、社内にはいないスキル、タイプの人材を外部から採用する必要性が高まってきます。そのために、特別な給与体系、雇用形態をつくったりすることも必要です。

また、昔は中途採用をしていなかったような大手企業も、今では幹部クラスにおいても外部から採用するというケースは増えています。つまり、人材流動化、人材獲得競争は確実に進んでいきますので、いい人材を獲得する難易度はより上がっていくことになります。

採用の難易度は景気ときれいに連動する

2016年7月、求人倍率は1.37倍、そして全都道府県で求人倍率が1倍を超えるというニュースが報道されました。これは1963年にこの統計を取り出してから初めてとのことでした。まさにこのように採用状況が活況だと、当然人を採用するのが難しくなります。

私も10年以上採用の仕事に携わり、いろいろな企業の支援をしてきましたが、採用の難易度は景気ときれいに連動します。ですので、景気が良くなり、自社も忙しくなってきて、「さて、採用したい」と思っても、他社も人を採用したい状況ですので、まさに取り合いになるわけです。

昔は大手企業は新卒一括採用でガサッと人を採用したら、中途採用など全くしない、または一部の専門職だけ採用するといった会社が多かったかもしれませんが、今では大手の銀行だろうと、大手自動車メーカーだろうと、積極的に中途採用を行っています。

この大手企業が、中途に本格的に乗り出すと、ケタの違う採用数で、採用マーケットに乗り込んでくるので、中小・ベンチャー企業などに全然応募が来ない、仮に面接に来てくれて、こちらは採用したいと思っても、そういう方はどこでも受かるので候補者の方から辞退してくるというケースが多々出てきます。もちろん、直接的に大手企業と取り合うということがなかったとしても、構造として、なかなか中小企業に応募が来ないという状況になります。

さいごに

この記事では、「人材採用がより難しくなっていく理由」について解説しました。より詳しい内容を知りたい方は『いい人材が集まる、性格のいい会社』(佐藤雄佑 著)をお読みください。

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佐藤雄佑

株式会社ミライフ 代表https://www.miraif.co.jp/
2016年、株式会社ミライフ設立。働き方変革事業、戦略人事コンサルティング事業などを展開している。事業構想大学院大学 プロジェクトディレクター、米国CCE,Inc 認定GCDF-JAPAN キャリアカウンセラー、NPO法人ファザーリングジャパン会員。

Facebook:yusuke.sato.716

 

【参考】佐藤雄佑.いい人材が集まる、性格のいい会社