「経営をサポートしているプロフェッショナル」へのインタビュー第2回は、データ分析をもとにしたマーケティング・コンサルティングを得意とする経営コンサルタント 齋藤健太さんへのインタビューをお届けします。
「データ分析の重要性」や「具体的な取り組み方」について教えていただきました。
※この記事は、2018年10月25日に公開した記事を再編集しています。
データ分析の重要性と取り組み方
データ分析はビジネスのあらゆる問題解決に有用
―ビジネスにおいて「データ分析」が重要だと考える理由は何ですか?
齋藤 データ分析はビジネスのあらゆる問題解決に有用だと思うからです。
数字は嘘をつかない指標ですし、実際、営業や企画のみならず、どのような仕事をしている人でも、数字で根拠を示すことが当たり前となってきています。
業務の効率化や業績向上を目指すビジネスパーソンにとって、データ分析は欠かせない能力だと思います。
―具体的には、どのような悩みを持った人にとって、データ分析は有効だと思いますか?
齋藤 たとえば、「売上や利益を伸ばしたいけど何をすれば良いのかわからない」という人や、「部下が努力や根性だけで何とかしようとしている」と感じる人など、様々な場面でデータ分析の能力は役に立つと思います。
―データ分析ができるようになると、どのように悩みが解決されるのでしょうか?
齋藤 「売上や利益を伸ばしたいけど何をすれば良いのかわからない」という人であれば、データ分析を行うことで、定量的に課題を明確にし、売上や利益を伸ばすための具体的な方法を見つけることができるはずです。
「部下が努力や根性だけで何とかしようとしている」と感じている人であれば、部下とともにデータ分析の力を身につけることで、数字に基づいた議論・コミュニケーションをとることができるようになるのではないでしょうか。
- 売上や利益を伸ばしたいけど何をすれば良いのかわからない
→ 売上や利益を伸ばすための具体的な方法が見つかる - 売上を上げるためにいろいろな施策を打っているけど、なかなか結果に繋がらない
- コスト削減したいけどどこから手を付けたら良いのかわからない
→ 定量的なロジックに基づいた施策を講じることができる - 上司が昔の経験や勘に縛られてしまっている
- 部下が努力や根性だけで何とかしようとしている
→ 上司や部下に対して数字に基づいた議論・コミュニケーションが可能となる
ビジネスパーソンに必要な「定量的な視点」
―データ分析を活用するために、ビジネスパーソンが意識するべきことはありますか?
齋藤 ビジネスパーソンの方には、常に定量的な視点で分析してみることを心がけていただければと思います。
数字は嘘をつきません。紛う事なき事実を示しています。その事実である数字をしっかりと理解し、背景を分析することができるようになると、あなたの仕事の効率や成果は格段に上がることと思います。
ビジネスパーソンの方には、ぜひ数字を読むことができるようになっていただきたいと思います。
企業の課題を発見し、問題を解決する
―定量的な視点が身につくデータ分析は、企業全体にも活用できますか?
齋藤 企業全体の課題解決においても、十分効果を発揮すると思います。そもそもデータ分析とは、企業の課題を発見し、問題を解決するために活用できます。
たとえば、
- 収益管理
- 売上増加
- コスト削減
- 在庫の最適化
- 新規事業開発
など、様々な面で活用できます。
具体的には
- 目的の整理
- データ収集
- 分析
という手順で取り組むのが効果的だと思います。
―では、データ分析を活用して企業を成長させていくうえで、経営者が意識するべきことは何だと思いますか?
齋藤 経営者の方には、企業を成長させていくということは、売上・利益を伸ばしていく、すなわち「数字を上げていく」ということだという意識を強く持っていただきたいです。
数字が全てではない、と言われる方もいるかもしれませんが、数字が上がらないと何もできない、ということも事実です。
数字は誰が見ても変わらない結果であり、それはお客様の評価に値します。
高い売上・利益を生み出している企業は、それだけお客様からの支持を得ていることになります。
どの程度の成長を目指していくかは経営者それぞれの考え方になりますが、成長させていくということは、現実とあるべき姿とのギャップが存在し、そのギャップを埋めていくための戦略・施策が必要となります。
このギャップが生じている課題を発見し、解決していくことこそが「経営」であり、経営者のすべきことだと思います。
この課題発見をするために重要な役割を担うのがデータ分析になります。
定量的に課題を明確にすることで、その先の問題解決へと導くことができるのです。
経営者の方は、ぜひ経営にデータ分析を活用してみてください。
さいごに
今回は、経営コンサルタントの齋藤健太さんに、データ分析の重要性や取り組み方についてうかがいました。
- データ分析の力を身につけることで、定量的に課題を明確にし、問題を解決していくことができるようになる。
- データ分析は、「目的の整理」→「データ収集」→「分析」の手順で行う。
- 企業を成長させていくうえで、経営者は「数字(売上・利益)を上げていく」という意識を強く持っておく。
書籍のご紹介『問題解決のためのデータ分析』
齋藤健太さんが執筆された書籍『問題解決のためのデータ分析』では、データ分析の重要性を理解するとともに、仕事の中でどうデータを活用していくのか、分析していくのかを学ぶことができます。単に理論をまとめたものではなく、具体的な事例を用いてデータ分析の考え方や方法を詳しく記載しています。実践的なエクセルの機能の活用方法についても解説しているため、読んだ後、自身の仕事にそのまま活用できることが特徴です。
齋藤健太
株式会社クロスメディア・コンサルティング 代表
慶応義塾大学理工学部卒業後、船井総合研究所(現 船井総研ホールディングス)に入社。不動産業界、アパレル業界、ソフトウェア業界における中小企業のコンサルティング支援を通して、経営コンサルティングの基礎を学ぶ。その後、主に中堅規模(数百億)以上の企業をメインクライアントとしたプロジェクトに従事。化粧品メーカや卸・リテール業界など、幅広い業種において、中期経営計画策定やマーケティング戦略の構築、M&Aにおけるビジネスデューデリジェンス等の実績を有する。
独立後も複数のコンサルファームやファンドからアサインされ、企業の課題発見に従事、成果を上げる。2013年9月にクロスメディア・パブリッシングより「問題解決のためのデータ分析」を出版。2018年5月同社グループ全体のコンサルティングに入り、10月クロスメディア・コンサルティングを設立、現在に至る。
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インタビュー
「経営をサポートするプロフェッショナル」
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