多くの経営者が、売上につながる見込客の集客や、いい人材の採用など、いかに「人を集める」のかということについて、日々頭を悩ませていることと思います。しかし、中には「自然と人が集まるブランディング」ができている企業も多くあります。
この記事では、「自然と人が集まるブランディング」を実現した2つの企業の事例をもとに、具体的な手法や、取り組む時のポイントを解説していきます。
人材紹介会社のブランディング事例
株式会社UZUZは、2012年に設立された若手人材に特化した人材紹介事業や、企業向けの採用コンサルティング事業を行っている企業です。
信頼感を高めたいと感じていた
会社設立当初は、就職希望者や企業の方から若い会社として見られることが多く、会社としての信頼感を高めたいと感じていました。また、遠方に住んでいる方はお会いするのが難しいため、サービスを提供することができない状況でした。
そんな中で株式会社UZUZは、会社としての信頼感を高め、遠方の方にも自社のノウハウを正しく伝える手法として、「採用に関する書籍の出版」に取り組みました。
自社の強みを活かした「既卒、フリーター、第 2 新卒」というニッチなテーマで書籍を制作することで、Amazon内の「学生の就職ガイド」のジャンルで1位を獲得することができました。
書籍『既卒、フリーター、第二新卒の就活はじめの一歩』を出版。
AMAZONで見る
月に10件以上の会員登録を獲得
その結果、「皆が買っている本を出版している会社」として、セミナーや講演でもプロとして認知されるようになり、信頼感の向上につながりました。
また、書籍からの新規会員登録が月に10件以上発生し、遠方に住んでいる就職希望者の方からもお問合せが来るようになりました。
マーケティングコンサルタントのブランディング事例
同様に、書籍の出版によって自身のブランディングを成功させたマーケティングコンサルタント 小川共和さんの事例をご紹介します。
小川事務所代表 小川共和さんは、株式会社マルケトの顧問や、青山学院大学ビジネススクール(ABS)の非常勤講師も務めているマーケティングコンサルタントです。
ITマーケティングを浸透させたかった
小川さんは自身が得意としている IT を活用したマーケティング手法の効果や重要性を広く認知してもらいたいと考えていました。
また、自身のコンサルタントとしてのノウハウや実績を証明できるものがほしいと感じていました。
そこで、小川さんはまだ日本ではあまり認知されてなかった「マーケティングオートメーション」というテーマで書籍を執筆されました。それまで類書がなかったテーマだったため、IT マーケティングの第一人者として認知されることにつながりました。
さらに、「マーケティングオートメーション」と「カスタマージャーニー」というテーマで2冊目を出版し、こちらは Amzon でジャンル1位を獲得しました。
書籍『マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方』を出版。
AMAZONで見る
出版直後に新規案件を受注
その結果、ITマーケティングのプロフェッショナルとして認知されただけでなく、出版直後に新規案件を受注することもできました。
書籍を使ったブランディング手法「企業出版」
ご紹介した事例のような「書籍を活用したブランディング」手法は「企業出版」と呼ばれています。
企業出版は、経営者や、企業の部門責任者が書籍を出版することで、企業の「集客力」「採用力」の向上を目指す手法です。それまでアプローチできていなかった顧客層にアプローチしたり、企業としての信頼感を高めることができます。
そこでこの記事では、実際に企業出版のサポートを行っている株式会社クロスメディア・マーケティングに企業出版の具体的な効果や、結果を出すためのポイントについて伺いました。
企業出版で解決できる課題
企業出版を行うことで、以下のような課題を解決することができます。
- 企業やサービスの認知度を高めたい
- 顧客からの信頼感を高めたい
- 社内に経営理念を浸透させて一体感を高めたい
順番に確認していきましょう。
企業やサービスの認知度を高めたい
書籍が書店の店頭に並んだり、書籍のプレスリリースを発信したりすることで、これまで接点のなかった顧客層にもアプローチすることができます。
その結果、先にご紹介した事例のように、企業名の認知度向上に大きく貢献し、採用活動などにも役立てることができます。
顧客からの信頼感を高めたい
書籍を出版している、という事実そのものが企業の信頼度を高めます。
書籍の出版によって「著者」という立場になることで、その分野の「プロフェッショナル」「第一人者」として認知され、安心感を与えることができます。
社内に経営理念を浸透させて一体感を高めたい
制作プロセスが、客観的に経営理念やビジョンを整理する棚卸の役割を果たします。
そうして明確にした経営理念を社内に浸透させる「インナーツール」として書籍制作を行う場合もあります。
企業出版で結果を出すためのポイント
上にあげたような課題解決に結びつけるためには、ただ書籍を出版するだけではなく、いくつかのポイントを抑える必要があります。
主なポイントは次の2つです。
- 出版の目的を明確にする
- 出版後の活用方法を明確にしておく
出版の目的を明確にする
書籍の制作に入る前に、出版の目的を明確にします。出版の目的がぶれてしまうと、書籍の内容からPR方法まで大きく変わってしまいます。
以下に、社外向けと社内向けに分けて、代表的な目的を列挙しています。どれに当てはまるかを考えてみてください。
対外的な課題を解決
- 集客・売上の向上
- 採用支援
- 企業・代表ブランディング
社員に企業価値や理念を啓蒙
- 企業理念・経営方針の浸透
- 人材育成
- 離職率の向上
出版後の活用方法を明確にしておく
書籍をどのように活用するかイメージを持っておくと、よりスムーズに書籍を制作・活用することができます。
- 書店経由でのリードを獲得する
- 現在、行っているセミナーで配布する
- WEB 広告などと組み合わせ、集客目的で書籍を活用する
- 全社会議の際に、全社員に配布する
など、大まかにでもいくつかイメージを持っておきましょう。
書籍の企画を立案するときの4つのポイント
書籍の企画を立案するときに抑えておくべきポイントについても伺いました。主なポイントは次の4つです。
- 自社の強みを活かせているか?
- 読み手のニーズと合っているか?
- 書店でのニーズがあるか?
- 書籍のコンテンツとして適切か?
自社の強みを活かせているか?
まず、自社の強みを活かしたテーマで書くことをおすすめします。
書籍というと6 万~ 8 万字の文字量が必要です。これを語れるだけのネタが自社にあるか。今までの実績や伝えたいことを整理して、企画に落とし込みましょう。
読み手のニーズと合っているか?
読み手の欲しい情報になっているかも考慮しましょう。同じ内容でも、初心者向けと中・上級者向けでは、企画が大きく変わります。
また、第三者の意見も取り入れていきましょう。本人や自社の視点ではニーズがないと思っていたところに、思わぬ需要があるケースも往々にしてあります。
書店でのニーズがあるか?
書店の状況も把握しておきましょう。書籍を実際に並べてくださるのは、書店員の皆様です。そのため、書店員さんに「並べたい」と思っていただける書籍かどうかも重要です。
また、書店でのトレンドや既に同テーマの書籍が多数出版されているか、という点も確認されることをおすすめします。
書籍のコンテンツとして適切か?
書籍は、息が長いメディアです。そのため、3 年後も読めることを想定して企画する必要があります。
特に企業出版においては、発売時にしか反応がない企画や、時流を意識しすぎた企画よりも、ロングセラーを狙って企画した方が、成功の確率が高まることがわかっています。
クロスメディア・マーケティングが提供する企業出版
書籍を使ったブランディングをサポートする株式会社クロスメディア・マーケティング
クロスメディア・マーケティングとは
株式会社クロスメディア・マーケティングは、お客様のブランド力の向上、商品・サービスのマーケティング力の向上を、書籍の出版やデザインなどの面からサポートしている企業です。
クロスメディア・マーケティングの特徴
- 10万部以上のヒットをコンスタントに出版
- ビジネス書に特化している
- 7000店を超える書店への流通網
10万部以上のヒットをコンスタントに出版
『鬼速PDCA』や『自分を変える習慣力』、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』など、10万部を越えるヒット作を多数出版しています。
ビジネス書に特化している
10年以上、ビジネス書に特化した出版事業に取り組んで来ましたため、ビジネスパーソンのニーズをとらえた書籍の制作を得意としています。経営者・人事担当者・新社会人など、様々なターゲットに絞った書籍の制作も行っています。
7000店を超える書店への流通網
全国7000店以上の書店に書籍を流通させるつながりを持っています。書籍をターゲットに確実に届けるために、特定の地域への重点的な流通や、全国各地の大型書店での展開など、臨機応変なプロモーションが可能です。
ビジネスパーソンをターゲットとしたサービスや、B to B のサービスを扱っている企業のPRに適した企業出版を提案しています。
さいごに
この記事では、企業の認知度を高める手法「企業出版」の効果や、取り組むときのポイントを解説しました。
自社サービスの認知度や、顧客からの信頼感に課題を感じている方は、以下より詳しい内容をチェックしてみてください。