『伸びている会社はマニュアルで仕事を回している』でご紹介したように、ノウハウをマニュアル化することは、効率的な仕事に重要な役割を果たします。そこでこの記事では、内海正人さんが著書『仕事と組織はマニュアルで動かそう』で解説している「自分がいなくてもチームが回るようにする」をご紹介します。
内海正人
人事コンサルタント
総合商社の金融子会社にて法人営業、融資業務、債権回収業務を行う。その後、人事コンサルティング会社を経て、株式会社船井財産コンサルタンツにて人事コンサルタント、経営コンサルタントとして、コンサルティング業務を行う。平成15年に日本中央会計事務所に合流、日本中央社会保険労務士事務所代表として現在に至る。
あなたがいつも現場にいられるという保証はない
自分がいなくてもチームや組織が回るようにする」というのは夢のような話でしょうか?
多くのチームリーダーは「自分が現場にいないと、仕事が回らない」とお考えではないでしょうか。
大手企業に注目してみましょう。数千人規模の会社は、社長が一人で会社を動かしているわけではありません。これは、詳細に計画された組織図、業務運営の方法があるのです。これがマニュアルなのです。もちろん「マニュアル」と称されていないかもしれません。しかし、組織を動かす「仕組み」が完成されているのです。この仕組みをさらに具体化したものが「マニュアル」なのです。
もし、あなたが明日、会社に出社できない可能性があるとすれば、一刻も早く対応しないといけないことはいくつありますか?
そもそも「出社できないことなんか無い」と思うかもしれませんが、アクシデントは付き物です。仮にそうなったら、チームはうまく動くのでしょうか?
病気、事故、怪我などリーダーであるあなた自身が原因のこともあるでしょう。さらに、会社としてのアクシデントもあります。例えば、社員が事故、取引先のクレーム処理などです。
この場合は、あなた自身が動かないといけません。そして、現場をスタッフに任せることになるでしょう。短い時間であれば、何とかごまかせるかもしれません。しかし、長期に渡って現場を外すことも考えられます。そうなると、売上や利益、製品やサービスの品質は今までと同じでしょうか? 想像できますか?
マニュアルが仕事の余裕を生む
特定の人に頼らない組織、決まり通りに動けば品質が保てる組織、仕事の役割分担ができている組織、これがきちんと動けばリーダーであるあなたが毎日現場に出なくても、会社組織を動かせるのです。その基がルールであり、それを体系化したマニュアルなのです。
あなたが毎日、現場に行かなくても仕事が回ることを想像してください。
- 会社やチーム全体の戦略作りの時間ができる
- 会社やチームの目標を練り直せる
- 会社や組織の行動基準が見直せる
- 個人の時間が増え、プライベートが充実できる
- リーダーとしての品質を高める勉強の時間が取れる
等の多くのメリットが生まれるでしょう。
また、スタッフも、今までリーダーが手がけていたことを「権限委譲」され、任される喜びを感じます。さらに、経営感覚が身につくこととなります。後継者の教育ということでも、リーダーが現場に張り付くことのデメリットも考えられるのです。
仕組みを作り、マニュアルで運用すれば、あなたがいなくても会社やチームは回ります。そして、あなたは時間的な余裕を持つことも可能です。こうなると、次の一手を考える時間も出てきます。
ぜひマニュアルを導入して、自分が現場に張り付かなくても済む体制を作り上げましょう
まとめ メリットだらけのマニュアル化
この記事では、内海正人さんの著書より「マニュアル化の利点 自分がいなくても現場が回る」をご紹介しました。
マニュアルを作成することで、もしもの時の助け舟となるだけでなく、自分の時間を作ることさえも可能となるのです。『仕事と組織はマニュアルで動かそう』(内海正人 著)を読んで、限りある時間を有意義に使いましょう!