伸びている会社は、どこも「仕組み」を用いて効率的に仕事を回しています。そして、「仕組み」のベースとなっているものが「マニュアル」です。
そこでこの記事では、内海正人さんが著書『仕事と組織はマニュアルで動かそう』で解説している「ノウハウの共有方法」をご紹介します。
内海正人
人事コンサルタント
総合商社の金融子会社にて法人営業、融資業務、債権回収業務を行う。その後、人事コンサルティング会社を経て、株式会社船井財産コンサルタンツにて人事コンサルタント、経営コンサルタントとして、コンサルティング業務を行う。平成15年に日本中央会計事務所に合流、日本中央社会保険労務士事務所代表として現在に至る。
ノウハウは紙に落として共有を
あなたの会社はノウハウの共有を意識していますか? 社員、個人のパフォーマンスに頼って、仕事を回しているだけではありませんか? そして、そのノウハウが社員、個人の中に眠っている状態ではありませんか?
ノウハウを個人の中だけに眠らせておくのはもったいないことです。ノウハウは共有化することで、その価値が何倍にもなります。しかし、組織的に共有しようとすれば工夫が必要です。
仕事のノウハウは、まずはリーダーやスタッフの個人単位での工夫から生まれてきます。そして、工夫がうまく行き、ノウハウとなっていきます。
しかし、この段階でのノウハウは個人のものです。ノウハウを「頭の中」から引っ張り出さなければならないのです。これは、頭の中から「紙」等に落とします。そして、マニュアル化するのが流れになるのです。
ノウハウは部下に作らせる
では、頭の中から「紙」に落とすとは、どうやってやるのでしょうか?
頭の中にあるノウハウを引き出すには、実際にそのノウハウを誰かに伝授することです。例えば、上司が部下に対して、ノウハウを使って仕事を教えます。そして、部下はそのノウハウを身に付けようとします。ここで、「身に付けておしまい」ではノウハウの伝授で終わってしまいます。
ここで、ひと工夫です。身に付けようとしている部下は、教わっているときに「メモ」等を取っている場合が多いです。そのメモを基にマニュアルを作るのです。そして、そのマニュアルを作成するのは、教わった部下が作るのが良いでしょう。ノウハウを身に付ける復習にもなるし、本人の仕事の整理にもなります。さらに、教わったプロセスが客観的に再現できるようになります。
教える上司等がマニュアル化するのであれば、自分ではわかりきっていることなので、ついつい、そのプロセスを省く可能性があります。しかし、教わった部下なら一つ一つの手順を理解していないとノウハウを習得することは不可能です。だから、プロセスが客観的に再現できるのです。
こうして、一つ一つの手順を文書化したマニュアルとして作成します。そして、このマニュアルを使ってノウハウを広めるのです。
大手の徹底したマニュアル化
フランチャイズ展開をしているコンビニエンスストアやマクドナルド社などのファーストフード店は、経営のノウハウまでもがマニュアル化されています。このマニュアル化により、全国どこでも同じ品質の商品、サービスが提供できるのです。
あなたの会社でも、ノウハウをマニュアル化し、運用すればビジネスが加速度的に進行します。
それは、ノウハウを共有することがマニュアル化によって簡単にできるからです。
しかし、多くの会社は「そのひと手間」をかけずに属人的に仕事を進めています。これでは、ノウハウの共有どころか、人に頼った仕事の進行しか出来ません。仮にその人が辞めてしまったら、せっかくのノウハウも活かせなくなるのです。
だから、ノウハウを個人の頭から引っ張り出して、誰もがわかるマニュアル化して、いつでも使えるようにしておくのです
まとめ ノウハウを共有して、効率的に仕事を回そう
この記事では、内海正人さんの著書より「マニュアルの共有方法」をご紹介しました。
もし、マニュアルを作成せず、属人的に仕事を回してしまうと、社員が退職した際に、その社員が行っていた効率的な仕事のフローが引き継がれずに、無駄になってしまいます。
『仕事と組織はマニュアルで動かそう』(内海正人 著)では、今回ご紹介した内容の他にも、「新人をプロフェッショナル化する」、「マニュアルで教え上手になる」など、マニュアルを作成することによるメリットを多数紹介しています。
「仕事がうまく回らない」、「部下が育たない」という悩みを持つ方に、ぜひ読んでもらいたい一冊です!