ブランディングの必要性は感じるが、どのように進めたらよいか分からない、と感じている方は多いのではないでしょうか?
ブランディングは、正しい手順を踏んで進めることで、より大きな効果を得ることができます。
そこで、この記事ではブランディングの正しい手順と、1つ1つの取り組み方を詳しくご紹介します。
目次
・ブランディングとは
・ブランディングの手順
・経営理念を明確にする
・目的・ターゲットを明確にする
・ブランディングの手法を決める
ブランディングとは
ブランディングとは、「企業・商品の認知度を高め、好感を持ってもらうための取り組み」のことです。
例えば、企業の歴史や商品の品質についてTVCMやWEBサイトを通じて社会に発信していくことは、ブランディング活動の一環になります。
参考:ブランディングとは?意外と知らない正しい意味と3つの効果
ブランディングの手順
効果につながるブランディングは、以下の3つの手順で進めます。
・経営理念を明確にする
・目的・ターゲットを明確にする
・ブランディングの手法を決める
この3つをしっかりと実践すれば、本当に効果のあるブランディングを行うことができます。
1つ1つを詳しくご説明します。
経営理念を明確にする
経営理念とは「企業活動の方向性を示す、基本的な考え方」のことです。
ブランディングに取り組む時には、様々な情報を様々な形で社内外に発信することになります。その時に発信する情報やメッセージの基本となるのが、この経営理念です。
つまり、「どのようなメディアを使うか」や「どのような情報を発信するか」を考える前に、しっかりとした経営理念を持っておくことが重要なのです。すでに社内に経営理念を持っているという方も、ブランディングに取り組む際には、一度見直してみることをおすすめします。
経営理念を見直す時に、気を付けるポイントは次の3つです。
・ありきたりな言葉になっていないか?
・本当に実現したい想いが反映されているか?
・会社が果たす社会的意義が盛り込まれているか?
経営理念は、ありきたりではなく、経営者や従業員が本当に実現したい想いと、果たすべき社会的意義を反映した言葉で表現することが大切です。そうすることで、多くの人の共感を呼ぶものになり、効果的なブランディングにつながります。
参考:
経営理念が社内に浸透しないときに見直すべき3つの点
経営理念の作り方。たった5つの手順で明確にする「志」
目的・ターゲットを明確にする
ブランディングの目的というと、「認知度を高めること」や「好感を持ってもらうこと」などを思い浮かべる方も多いと思います。
しかし、多くの企業が「認知度を高めこと」や「好感を持ってもらうこと」によって実現したい、「本来の目的」を持っているはずです。
その目的は大きく分けて次の3つに分けられます。
目的:集客力の強化
ターゲット:顧客
主な効果:売上の向上、利益の向上、継続的な売上・利益の創出
目的:採用力の強化
ターゲット:学生・転職者
主な効果:人材とのミスマッチの防止、採用効率の向上、採用への応募数の増加
目的:組織力の強化
ターゲット:社員
主な効果:顧客満足度の向上、離職率の低下、一体感の醸成
ブランディングで思うような効果を得られない原因の多くは、この3つの目的を明確に意識できていないことにあります。
多くの経営層が「ブランド力が身につけば、顧客も人材も集まって強い組織が作れるのではないか」と様々な課題をひとまとめに考えてしまうのです。
しかし、ブランディングは求める効果によって取り組み方が大きく異なります。目的を明確にして取り組み方むことで無駄なコストを削減し、より大きな効果を得られるようになります。
また、ターゲットを明確にすることも重要です。なぜなら、ターゲットが明確であれば、そのターゲットに”だけ”響くように伝えれば良いからです。
逆にターゲットを曖昧にしたまま、不特定多数の人々に伝えようとしてしまえば、誰の心にも響かず、広告費や人件費ばかりがかさんでしまうのは明らかです。
参考:ブランディング:3つの効果と取り組み方をわかりやすく解説
ブランディングの手法を決める
理念と目的・ターゲットまで明確になったら、ブランディングの手法を考えていきましょう。
ブランディングの手法も目的・ターゲットによって異なります。目的が曖昧なままだと、取り組む手法にもバラつきが出てしまいますが、明確な目的とターゲットをもって手法を選ぶことで、より確かな効果を得ることができます。
集客を強化するブランディングの手法
・TV・ラジオCM
・WEBサイト(オウンドメディア・商品サイトなど)
・SNS(Facebook、Twitter、Instagramなど)
・書籍
・グッズ
集客を強化するブランディングは、普段わたしたち自身が顧客側として接しているので、馴染みのあるものが多いかと思います。
この中でもオウンドメディアや書籍の制作は、コンテンツマーケティングとして、近年注目されている手法です。Webや書籍で自社のノウハウを提供することで、顧客の好感や認知を獲得します。普段よく目にしていたWebサイトの運営企業、書店で手にとったことのある書籍の著者、などにまつわる商品であれば、何も知らない競合商品よりも利用してもらいやすくなります。
採用力を強化するブランディングの手法
・WEBサイト(コーポレートサイト・採用サイト・担当者のブログなど)
・SNS(Facebook、Twitter、Instagramなど)
・説明会
・パンフレット制作
採用力を強化するブランディングは、外部への情報発信という点で、顧客をターゲットにしたブランディングと同じため、手法も似ています。しかし、使う手法は同じでも、伝える内容は大きくことなるので注意しましょう。
説明会やオフィスでのイベントなどの手法は、集客力をあげる場合よりもターゲットの母数が小さいため可能な手法です。実際にオフィスや社員の雰囲気を感じてもらうことで、より入社後のミスマッチ防止につながります。
組織力を強化するブランディングの手法
・ブランドブック制作
・ブランドムービー制作
・社内向けサイト
・社内イベント
組織力を強化するブランディングは、他の2つに比べてターゲットが非常に身近で明確です。しかし、身近であるがゆえに取り組んでも見過ごされてしまったり、形骸化してしまうことも多くあります。そのため、ブランドブックやブランドムービーを製作する場合は、分かりやすく興味を引くものにする必要があります。実際に社員ひとりひとりに興味を持ってもらうことができれば、理念や働きがいに対する理解を深め、高いモチベーションで働いてもらうことができます。
また、社内向けサイトやワークショップは、使いやすさや参加しやすさを意識して創り上げていく上げることで、会社の一体感を生み出すことができます。
参考:課題別ですぐにわかる!あなたの会社に必要なブランディング手法9選
まとめ.理念 → 目的 → 手法
ブランディングは、この記事で紹介してきたような手順に沿って取り組むことで大きな効果を生みます。
そもそも、どれほどたくさんの顧客や人材にアプローチをしても、実態が伴わなければミスマッチが生じるだけです。逆にしっかりとした経営理念を持ち、明確なターゲットに向けてメッセージを発信していくことができれば、顧客とも人材とも、長く友好な関係を築くことができます。
これからブランディングを始めるという方は、正しい手順に沿って、成果につながるブランディングを行っていきましょう。