齋藤健太さんは、データ分析からの実践的なマーケティング・コンサルティングを得意とする株式会社プラスリードの代表取締役を務めています。
2013年9月に『問題解決のためのデータ分析』という、齋藤さん自身が得意とする調査・分析・マーケティングのノウハウを提供する書籍を出版されました。具体的な事例と数値が紹介されていて、データ分析という一見難しそうなテーマが分かりやすく解説されています。発売時の売行きも好調で重版もかかった書籍です。
今回は、どのような経緯で出版に至ったのか、出版によってどのような反響があったのかなどを、齋藤さんにインタビューしました。
著者インタビュー:齋藤健太さん
書籍の執筆に取り組む前の状況
―書籍を執筆しようと考えたきっかけはなんですか?
齋藤 独立して1年程度経ったときくらいだったと思います。30歳にな
―どのような経緯でクロスメディアから出版することになったのですか?
齋藤 本を出したいと考え始めるようになりしばらくすると、
小早川さんに初めて会うときには企画書を持って行って、僕から「
それを小早川さんのほうでも揉んでもらって、ちょうど「統計学が最強の学問である」が売れてたり、データ分析の需要もありそうだということで、実際に書くことになりました。
書籍を執筆してみて苦労したこと・よかったこと
―書籍を執筆してみて大変だったことはありますか?
齋藤 普段プレゼンでやっているような説明を書籍にすることには難しさを感じました。
本文中でも、実際のデータに近い数字を扱っているのですが、パワーポイントで大画面に映すのとは違って、書籍の紙面上だと見づらくなってしまうんですよね。
言葉だけではなく数字を見せて行っている説明を、書籍という形に落とし込むのは少し大変でした。
そういう部分は担当の編集者の方にアドバイスをもらいながら、見せ方を考えていきました。
―では逆に、書籍を執筆してみて良かったと感じることはありますか?
齋藤 編集者の方から第三者目線で指摘していただけたのが参考になりました。
初めての人に対しての説明というのは意識していたのですが、無意識に説明を省いてしまっていたりするんですよね。そういうところにコメントをいただいたり、「その流れじゃなくてこの流れのほうが読者は理解しやすいですよ。」というようなアドバイスをもらえるのは、とても助かりましたね。
書籍が出版されて変わったこと
―実際に書籍が出版されて、直接的な反響はありましたか?
齋藤 直接的なのでいうと、ある経営者会議の事務局長の人から電話が来て、「講演をお願いしたい。」という旨の依頼がありましたね。丸一日数十人の経営者・経営幹部層の方々に対して講演を行いました。
それと、私立大学が主催している社会人向けのビジネススクールから、講座の依頼もありました。そちらでは1カリキュラムとして全10回の講座を3ヶ月かけて行いました。
いずれも依頼主の方が本を読んでくださって、直接連絡をいただいた例ですね。
ただ、書籍をもうちょっと具体的なテーマにすると、本業のお問合せにもつながったのかなとは思っています。
データ分析ってテーマが大きいので、まずはこれを見て勉強するってところにとどまったのかなと感じます。例えば「M&Aをするときのデータ分析」のように、よりフォーカスした内容にすれば、それを生業にしてる人たちからの直接的な依頼ももらいやすいのかな、と思いました。ただ、そういう本が売れるかというとそうではないと思いますが。
―その他に出版の前後で変わったことはありましたか?
齋藤 特に独立してすぐの時には、書籍が名刺代わりになりましたね。初めてお会いする人に「誰だこいつ?」と思われる状態から、特に色々しゃべらなくても「ある程度大丈夫なのかもしれない」と思ってもらえるようになりました。特に大手企業の方から、信頼されるようになったと感じています。
今後の取り組み
―最後に齋藤さんの今後の展望や、想いを教えていただけますか?
齋藤 今、自分の会社で「顧問型COO・CMO」という事業を行っているのですが、その事業を通して経営者の夢、思い、アイデアを最短距離で実現していきたいと思っています。
これは、会社のホームページにも書いていることなのですが、自分の生まれ育った「日本を元気にする」というのが目標なんです。そのためには、やはり経済の活性化が一番だと思っているので、弊社で行っている事業を通して、より一層日本経済の活性化に貢献していきたいと思っています。
おわりに
齋藤さんは、それまで勤めていた船井総合研究所を辞めて独立したのをきっかけに、書籍の執筆に取り組まれました。
データ分析という様々な職業の方に役立つテーマで執筆をしたことで、書籍の売上もよく重版にもつながり、自身の認知度・信頼度を向上させることができました。
また、よりテーマを絞ることで本業への反響にもつながるのではないかと感じられていました。インタビューでも触れられていたように、テーマの幅と、書籍の売り上げのバランスをとるのは難しいかもしれませんが、是非挑戦してみていただきたいなと思いました。