この記事では、「チーム運営のマニュアル化」について書籍『会社で活躍する人が辞めないしくみ』よりご紹介します。

【書籍】『会社で活躍する人が辞めないしくみ
【著者】
内海正人 日本中央社会保険労務士事務所代表 / 人事コンサルタント・社会保険労務士

リーダー層強化のカギは「チーム運営のマニュアル化」

今、企業に求められているのは、当たり前の仕事をすることではありません。当たり前を超えた仕事をできるかどうかが、生き残りのポイントになります。そのため、組織の力を活用して基礎固めをするのです。そのための標準化が重要です。

標準化された製品、サービスの提供を行ってからはじめて、社員の個性がにじみ出るサービスを提供するのです。そのためにはリーダーはまずは部下の仕事のクオリティーの均一化を図ることです。それから、社員個人、個人のモチベーションを引き出さなければならないのです。このためには個人の興味を知り、楽しく仕事をさせていくことで仕事へのモチベーションを上げていくことが、リーダーに求められているのです。

仕事がしやすい職場環境を

それには職場風土をマネジメントすることが大切です。職場の人間関係や環境が、チームの生産性を左右していくからです。笑顔がなく、いつも暗い雰囲気であれば、自由な意見は出ません。また、いつもガヤガヤとおしゃべりばかりしていれば、集中して仕事ができません。自らの職場が暗い場合は、明るく、笑顔で率先して冗談を言いながら、チームを明るくしないといけません。業務以外でも、イベントなどを行ってチームの結束を強めることも必要でしょう。

逆に、騒がしい雰囲気であれば、チームを引き締めていくのも役割のひとつです。リーダーは、職場の空気を読みながら、その環境をマネジメントしていく役割が重要となるのです。

リーダーはコーチ

それから、目標達成のための手助けをすることです。業務目標を達成することは、ビジネスでは至上命題となっています。目標達成は、充実感と達成感を刺激するでしょう。目標達成するたびに、仕事が楽しくなっていくのです。しかし、メンバーが目標達成に向けての努力をしているときに、障害が発生したらどうでしょう。その障害を乗り越えていくために指導することがリーダーに求められます。単なる指導ではなくコーチとして、サポートする役割が必要になるのです。そして、メンバーに達成感を感じさせる、仕事が楽しくなると感じさせることがリーダーの役割です。

チーム運営のマニュアル化

このことを会社として、マネージャークラスのリーダーに理解してもらうことが大切です。そのためには、チーム運営のマニュアル化を図りましょう。マニュアルを作ることは他のリーダーと話し合う機会を増やすことになりますし、中間管理職層のコミュニケーション活性化につながります。この層が強い会社は将来が明るい会社でもあるのです。

ここで議論をし、チーム運営の悩みを解決するのです。そして、それを標準化するためにマニュアル化をすることで、均一化が図れるのです。こうなると個人も強いですが、組織も強くなります。

きちんとした運用に耐えられない、いい加減な社員は居づらいかもしれませんが、しっかりと仕事をこなすことができる社員にとって、このような環境は願ったり叶ったりでしょう。リーダー人材の育成とともに、骨太の会社組織も作っているのです。

自由な働き方は自己管理ができる人にしか許されない

新しい働き方ができる会社の秘密

新しい会社の働き方のスタイルとして社員に求められるものは、自ら考えて行動できる

ことです。特にメディアに取り上げられるような新たな働き方の場合、ユニークな制度に注目が集まります。出社時間が自由な働き方、コアタイムが極端に短い会社、休み時間が社員にゆだねられ、すべてが自由な会社、場所的な拘束がない会社など、その中身は様々です。

このような会社の共通点として、社員が大人で成熟していることが挙げられます。自由な働き方は社員にその自己管理が任されますので、自己管理がきちんとできる人でないとその働き方ができないからです。

上司が見ていないとサボってしまう、時間管理されているというレベルであれば、逆に自由な働き方をしてはいけないのです。自己管理ができない人は管理されて給料をもらう働き方なのです。

自己管理ができる大人たち

実際に新しい働き方として注目を集めている企業は、その制度やしくみが注目されますが、本当は社員自身が、自己管理ができ、自ら考えて動くことができる者たちの集まりなのです。当たり前と言えば当たり前なのですが、意外とこれができる組織は少ないように思います。

言われたことを従順にこなすことであれば誰でもできますが、大人の場合は自分で判断することが重要です。個々人が成熟していれば、お互いを尊重しながら意見をぶつけ合うので、個人のスキルも自然と高くなるのでしょう。

ここで重要なことは、組織のベクトルが同じ方向を向いていることです。優秀な社員でスキルが高くても、同じ目的や目標に向かう姿勢がないと個々人の力が分散してしまいます。同じ方向であれば1+1が2ではなく3にも5にも、そして10にもなっていくのです。

これが、成熟した組織の仕事であり、チームで働く醍醐味なのです。

さいごに

記事の内容をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください。

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