昨年、インターネットの広告費がテレビ広告費を超えたことが広告業界を震撼させました。今年はWEB広告会社の大手、サイバーエージェントの業績がうなぎ上りで、電通・博報堂に届く勢いです。

このようにインターネットの登場で広告の世界は今、目まぐるしく変化をしています。

経営者の中には、このような広告の変革についていけずに悩んでいる方も多くいるのではないでしょうか。良く分からないからと敬遠していると、とんでもないチャンスを逃していることになります。

そこで今回は、リアル広告からネット広告まで時代の流れと共に広告業界を支えてきた株式会社ステイハングリーの代表取締役である大西隼人氏へのインタビューをもとに「今経営者に考えてもらいたいWeb広告」について解説していきます。

Web広告に取り組まないといけないのは分かっているけど、何から始めていいか分からないとお悩みの方に参考になるような内容になっています。

 

WEB広告の世界

近年インターネット広告の世界は著しい成長を見せています。リスティング広告、アフィリエイト、ディスプレイ広告、メール広告、動画広告、SNS広告などWeb広告と一口に言ってもその種類はさまざまです。メディアの多さや、価格の幅広さなど、取れる手法の多さには目を見張るものがあります。一方知らない人から見ると、目が回ってしまいどこから手を付ければいいのか、情報収集すらままならないのではないでしょうか。

Web広告に携わっている人すら1年離れたら何もできなくなるといわれるほど新たな手法が日々生まれ、トレンドが激しく変化するWeb広告の世界。どのように向き合っていくのか、しっかりと考える必要があります。

正解のないWeb広告

これほどまでに盛り上がっているインターネット広告業界ですが、一番の難点は「最適解」を導き出すことが難しいということです。

「Web広告に関する費用対効果を求められたときに、何を目的とした広告なのかを明確にしておかないと数値だけをただ追いかけることになってしまい、予算をかけた意味を見失ってしまうこともある」と大西氏は言っています。

また、いわゆる「バズ」を狙った広告のほとんどは思うような結果が出ず、現段階では偶発的に起こるものとして捉えておくべきです。「バズを起こすためのノウハウがあります」といった業者を見ることもありますが、確立できるノウハウではないことをしっかりと理解しておきましょう。

過去に大手フリマサイトがインフルエンサーを起用した広告を大々的に打ち出しましたが、ターゲットとしていたユーザーの共感を思うように得られなかったということがありました。

確かに費用対効果の良し悪しを問われれば、失敗ということになるのかもしれません。しかしどこがいけなかったのか、プロセスを精査するとさまざまなデータが取れます。その積み重ねからインターネット広告の輪郭を掴んでいくことができるのではないでしょうか。

またCPMやCPCなど、いわゆる費用対効果の指標としやすい「パーコスト」の数値だけをもって、失敗や成功と判断するのも、スタンスとしてあまり良いとは言えません。

このことをネット広告運用前にしっかりと意識しておくことで、今後の取組みにおける制度や効率が大幅に変わってきます。

Web広告の最初のステップ

Web広告に対してすべきことは、いきなり正解を目指して取り組むことではありません。

正しい広告しか出さないために、知識を完璧にしてから取り組もうとすると、いつまで経ってもはじめることはできません。

まずはその膨大な情報量や不確定なプロセスに怖気づくことなく、「知ろうとする」ことが必要なのです。

Web広告がリアルの広告と大きく違うところは、多くのデータを明確に可視化できるところです。どこがウケたのか、どの広告文章だと見てもらえるのかといったデータを集めることができます。すぐに結果を求めるのではなく、データや知見を得るための「投資」という考え方が必要です。

しかし、そのための投資には時間や人材、金銭的なリスクがあるのも事実です。今回は、比較的安価かつ効率的にインターネット広告の世界を「知る」ことの出来る手法を大西氏に教えていただきました。

①テストマーケティングをしてみる

インターネット広告を始めるにあたって、もっとも安価かつテストマーケティングとして有効なのがSNSやGoogleのアカウントを使った広告です。広告代理店を通さずとも、例えば1万円~という少額の予算でも試験運用することが可能になります。また、マーケティングにおけるさまざまなセグメント別のデータを運営側が提供してくれるので、日々データのアセットを増やしていくことが可能です。

「数値を明確化し、現状のステータスを把握する」という目的意識をもってテストマーケティングを行っていくことで、いずれ費用対効果を見据えたノウハウを作成していけます。まずはできるだけ少ない投資で「知るため」の運用をしてみてはいかがでしょうか。

③ネット世代を活躍させる

テストマーケティングを始めるための最初の用語だけでお手上げだという経営者もいるのではないでしょうか。

手を出すための基本知識やリテラシーが不足している場合も往々にしてあるためです。そんなときこそ、社内の「若手」に光があると言えます。デジタルネイティブである若手社員は特にSNSに対する抵抗感がなく、またSNS広告に対する「肌感」を持っているためWEB広告の運用について素早く理解することができるのです。

インターネット広告全盛の時代に向けて、会社の成長を考えた時、若手がインターネット広告に対するリテラシーと能力を身に付けることが必然的に求められます。いち早く若手にWEB広告やSNS広告を担わせることで企業の競争力という意味でも効果を上げることになるでしょう。

代表者様からのメッセージ

Web広告に関しては、やはり一筋縄ではいきません。

その大きな理由の一つに、Web広告運用の目的をしっかりと持てていないことがあげられます。目的というと、商品やサービスが売れることにどうしても目が行ってしまうのです。しかし、商品の認知度向上やリードの獲得などWeb広告によって得られる効果は売上以外にもたくさんあります。

まずは実現可能な正しい目的設計を行い、テストマーケを行いましょう。そしてそのまま放置するのではなく、データが溜まったらしっかりと分析を行うのです。この分析が本当に重要になります。分析を元に改修を重ねて、ベストプラクティスを出していくのです。

「Webのことはほとんどわからない」という経営者の方も、この流れと広告配信先のプラットフォームの性質を最低限理解した上で、最適な人選をしましょう。このときに、専任が見つからないからと広告代理店や業者に丸投げをしてしまうのは危険です。結局社内に知見が貯まらないため、いつまでも代理店や業者に頼りきりになってしまいます。

一緒になって取り組んでくれる「パートナー」を見つけ、社内の人と二人三脚でWeb広告に取り組んでいける関係が理想です。ぜひ、私たちにそのお手伝いをさせていただけないでしょうか。

 

代表取締役 大西 隼人
株式会社 ステイハングリー
URL:http://www.stayhungry.jp/