この記事では、「企業のSNS運用でおさえておきたいデザインのポイント」について、中野由仁さんの書籍『会社と仕事を変えるデザインのしかけ』よりご紹介します。
【書籍】『会社と仕事を変えるデザインのしかけ』
【著者】中野由仁 アドアチーブ株式会社代表
SNSも見た目が9割
TwitterやFacebookなどのSNSの主な目的は、インターネット上でのコミュニケーションです。知っている者同士が、インターネット上で繋がることはもちろんですが、対面したことのない者同士がインターネット上で繋がることができるのは、SNSの醍醐味です。
リアルの世界では、ある人を見て魅力的な人だなと感じることがあると思いますが、その場合、何を理由にそのように感じているかご存知ですか?『人は見た目が9割』竹内一郎(著)という本の中で、人が他人から受け取る情報は、見た目・身だしなみ・仕草・表情が55%、声の質(高低)・大きさ・テンポが38%、話す言葉の内容が7%と解説されています。つまり、見た目の部分が大半を占めるということです。
これをSNSに置き換えて考えてみると、見た目の部分はデザイン、声の部分は更新頻度、話す言葉の内容は掲載する内容という感じでしょうか。
では、Twitter やFacebook では、具体的にどのようにすればいいかをお伝えします。
Twitterアカウントのポイント
まずTwitterから見てみましょう。Twitterは、デザインを設定する場合、変更できる箇所が限られています。アイコン・背景の画像・テキストの色・リンクの色・サイドバーの色・サイドバーの輪郭の色だけが変更可能な部分となります。魅力的だと印象付けるために、特に重要なのは、アイコンと背景画像のデザインです。
ビジネスでTwitterを利用する場合、大きく分けると2種類の目的があります。1つが、一方的な発信で、企業のPRや販促を目的とした場合です。もう1つが、顧客とのコミュニケーションやサポートを目的とした場合です。
前者の場合は、アイコンに使用する画像は、個人的な情報の発信ではないため、担当者の写真ではなく、企業のロゴマークやキャラクターを使うといいでしょう。あえて人間味を消すことで、コミュニケーションをするためのものではないという布石を打つことができますので、返信などオペレーションに手間をかけずに運営をすることができます。
後者は、情報発信者の写真を使うことが望ましいです。著名人であれば、イラストにしてもその人であることが伝わるため構わないのですが、一般の人なら、やはり写真を使うべきです。
心理学的に考えると、写真を使うことは、それだけでも自己開示情報を発信していることになりますので、Twitterの閲覧者が逆に自分の写真をさらしていない場合は特に、自分だけが相手の顔を見ているという心理的報酬を得ることで、好感を持ってもらいやすくなります。ただしこの場合の写真が、残念ではいけません。背景が汚い部屋とか、ピンぼけとか、怖い顔とか、リアルの世界で会ったことがない人は、その写真の印象をそのままあなたに投影します。
お金がかかりますが、きっちりとプロのカメラマンに依頼して撮影を行うことがよいでしょう。その際も、キャラ設定をしっかり行いましょう。明るく親しみやすく見せたいのであれば、そのような表情や服装をして撮影しないといけないですし、権威を表現したいのならば、同じ様に表情と服装に注意を払う必要があります。
そして、その写真を使用する場合にも抑えておきたい重要なポイントがあります。それは顔のサイズです。大きくアップで使うと強い印象、強引な印象がでます。逆に小さく使うと弱い印象、優しい印象がでます。自分が見せたい印象を考えて、戦略的に顔のサイズをコントロールしてください。
次に背景画像ですが、こちらも数少ないTwitterでデザインが許されている部分で、アイコンと同じくオリジナリティを表現できる場所です。こちらも、どのような印象を与えたいかを考えて、意識的に色や写真を選択しましょう。また写真を使う場合、小さな写真をタイル状に配置して使ってしまうと残念な印象が出やすいため、注意をしてください。ライバルサイトや、大手企業、ユニクロなどのトレンドに敏感な企業の写真の使い方を参考にするとよいでしょう。
Facebookアカウントのポイント
次にFacebookですが、Twitterでいうアイコンが、プロフィール写真という名称になります。考え方はTwitterと同じですが、サイズが、幅180ピクセル×高さ540ピクセルまで使用できるため、大きな写真やイメージを使用することができます。
一概にこうあるべきだということも難しいのですが、どのように見せたいか、目的は何なのかを考えて、Twitterのときと同じ様にイメージを作成してください。
また、Facebookには機能的な特徴で、「いいね!」ボタンがあり、このボタンを押してもらうことで、「○○さんがいいね! と言っています」という情報が拡散される仕組みになっています。視覚的に矢印などの画像を用いて、「いいね!」を押してもらう仕組みも作っておきましょう。
さいごに
記事の内容をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください。
会社と仕事を変える
デザインのしかけ