この記事では、経営理念を社員ひとりひとりに浸透させるための、具体的な手法をご紹介します。

目次

・経営理念とは
・経営理念を浸透させる6つの方法と事例
・共感を呼ぶ経営理念は浸透しやすい

経営理念とは

経営理念とは、企業活動の方向性を示す、基本的な考え方想いを表現するものです。

参考:経営理念とは?意味と必要性をわかりやすく解説

経営理念の必要性

経営理念が社内に浸透すると「社員のモチベーションが向上する」「社員に顧客目線が身につく」「社内に一体感が生まれる」といった効果を得ることができます。企業を成長・拡大させていくうえで、とても大切な役割を果たすのです。

経営理念の「詳しい意味」「得られる効果」「見直すべきポイント」については、『経営理念とは?社内に浸透しないときに見直すべき3つの点』にてご紹介しています。まだ読んでいない方は、是非一度ご覧ください。

経営理念を浸透させる6つの方法と事例

社内に経営理念を浸透させる方法には以下ようなものがあります。

  • 理念や歴史をまとめたブランドブックを作成する
  • 社内報を発行する
  • 社内向けWebサイト・アプリを活用する
  • 理念や歴史をまとめたブランドムービーを作成する
  • 理念を体現できているかの評価を反映した人事制度を作る
  • 社員総会・社内イベントを行う

具体例も挙げながら、ひとつひとつご紹介します。

理念や歴史をまとめたブランドブックを作成する

ブランドブックとは、経営理念をより深く伝えられるように一冊の本にまとめたものです。

一般的に1,2文程度に短くまとめられている経営理念を、視覚的な効果も交えて伝えることができます。一度制作して手元に置いておいてもらうことで、いつでも何度でも読み返してもらうことができます

参考:ブランドブックの効果と制作で気を付ける3つの点

事例

株式会社三愛さんの事例では、ビジョンの見直しからブランドブックを使った経営理念の浸透までの流れが説明されています。

株式会社三愛さんの事例
老舗ブランドの再構築(インナーブランディング事例・ブランドブック・社内浸透)
macherie(ウエディングブランド)さんの事例
トータルブランディング

※書籍を制作された、株式会社フルスロットルさんのHPに飛びます。

社内報を発行する

社内報とは、社内への広報活動を目的に制作される冊子のことです。企業によっては、Webサイト上で行う場合などもあります。

こちらは、基本的に定期的に発行されることもあって、ブランドブックに比べて、より日々の業務に近い内容が取り上げられます。経営理念を反映した取り組みや、社員の行動などを取り上げることで、理念を意識するきっかけづくりができます。

事例

日本航空株式会社さんでは、社内報の発行にあわせてアンケートを取り、毎回検証と改善が行われているそうです。

日本航空株式会社さんの事例
丁寧なチェックとやりとりの親密さで、負担が軽減しました
※制作をお手伝いされた、glassy株式会社さんのHPに飛びます。

社内向けWebサイト・アプリを活用する

社内向けWebサイトやアプリは、会社から定期的な情報発信に使われたり、社員どうしのコミュニケーションにも使われます。

ネット環境があれば好きな場所、好きな時間に見ることができます。また、情報発信の手間も少ないため、担当者の方も手軽に情報発信が行えます

事例

株式会社スタメンさんからは、TUNAGという社内向けWebアプリケーションが提供されています。 株式会社フーモアさんの事例からも分かるように、理念・ビジョンの浸透や、社員同士のコミュニケーションにも活用されています。

株式会社フーモアさんの事例
「よく知らない」を無くす。組織の多様化が進む中で、タテとヨコの理解をすすめるTUNAGの役割とは – TUNAG
※株式会社スタメンさんのHPに飛びます。

理念や歴史をまとめたブランドムービーを作成する

ブランドムービーとは、経営理念をより深く伝えるための映像のことです。

会社で行っている事業などとあわせて、経営理念を映像で伝えます。

事例

TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社さんでは、店舗のスタッフにも届けやすいよう、スマホ用の縦型の動画なども制作されています。

インナーブランディング動画の事例
※動画を制作された、MOVE EMOTIONS株式会社さんのHPに飛びます。

社員総会・社内イベントを行う

全社を挙げて、場所・時間を共有する総会やイベントを行うことも、理念の浸透に効果的です。

理念を反映した活動を行っている社員や部署の表彰を行うことで、経営理念に対する意識を高めることなどができます。また、社内運動会などのイベントで社員同士のつながりを強め、理念の浸透を促進することも効果的です。

事例

社内運動会の開催を支援している団体もあり、様々な企業で実践されています。

「労働組合20周年イベント」×「社内運動会」で労使一体に!!
運動会のプロが教える、社内運動会を盛り上げる人気の競技・アイディア
※社内運動会の支援事業を行っている、運動会屋さんのHPに飛びます。

理念を体現できているかの評価を反映した人事制度を作る

自社の理念を反映した行動を人事評価の対象に加えることも、理念を意識してもらうことに効果的です。

事例

クレイア・コンサルティング株式会社さんでは、経営理念を反映した人事制度の構築支援が行われています。構築までの流れがかなり詳細に説明されていて、参考になるので、是非一度ご覧ください。

企業理念を軸とした人事制度改革
※人事領域を専門とした経営コンサルティングを行っている、クレイア・コンサルティング株式会社さんのHPに飛びます。

企業規模にあった方法

おそらく企業の規模や目的によって、最適な手法は異なってくるはずです。

あまりに人数が多いと実現が難しいが、適度の人数であればより大きな効果を発揮する「社員総会・社内イベント」は中小規模の企業におすすめです。また、広くたくさんの人に届けられる「社内報」「ブランドムービー」であれば大規模な企業におすすめです。

企業規模にあわせて取り組み方や費用などを柔軟に対応しやすい「ブランドブック」「Webサイト・アプリ」「人事評価制度」は、様々な企業におすすめの方法です。

大企業向け

社内報
ブランドムービー

中小企業向け

社員総会・社内イベント

規模に左右されないもの

ブランドブック
Webサイト・アプリ

人事評価制度

共感を呼ぶ経営理念は浸透しやすい

経営理念を社内に浸透させるための具体的な手法をご紹介しました。

こちらでご紹介した方法を用いるときに気を付けるべきことは、経営理念そのものが社員の共感を呼ぶものになっていなければ、効果を得るのは難しいということです。

浸透しやすい理念を作るときのポイントや、経営理念をつくるときの具体的な手順を以下の記事で紹介しています。まだ読んでいない方は、是非一度ご覧ください。

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