地域密着経営では、「売り込み」ではなく「挨拶」がとても重要な取り組みになります。では、「売り込み」と「挨拶」は何が違うのでしょうか?また、「挨拶」が重要な理由とは何なのでしょうか?
そこでこの記事では、島倉大輔さんが著書『大手とケンカしても負けない、 経営逆転のヒントあります。』で解説している「地域密着経営に大切な、飛び込み挨拶」をご紹介します。
島倉大輔
株式会社マーキュリーコンサルティング 代表取締役、経営コンサルタント。 中小・ベンチャー企業の経営者を対象に、「会社の発展」と「人生の成功」を実現するための支援を行なっている熱血硬派の経営コンサルタント。過去に支援してきた会社は全国延べ1,000社以上。あらゆる業界で勝ち組企業を生み出している。
中小企業に必要なのは「売り込み」ではなく「挨拶」
売り込み営業だけは絶対にやってはいけない
超・地域密着経営で成功するには商圏の絞り込みが必要になりますが、1つだけ絶対にやってはいけないことがあります。それは、絞り込んだ商圏内で飛び込み営業や電話営業などの売り込み営業をしないことです。
飛び込み営業をかけて無理やり買わせたり、強引な電話営業をした時点でアウト!もうその商圏で商売を続けるのは不可能です。狭い商圏の中で悪い噂はあっという間に広がってしまうので、売り込み営業だけは絶対にしないでください。
そんなことをしても商圏を荒らすだけで成果をあげることはできません。
飛び込み挨拶の本質は、相手との顔つなぎ
では、どうやって営業すればいいんだと思われるかもしれませんが、狭い商圏の中で確実に成果をあげることができる、飛び込み挨拶という方法があります。
飛び込み「営業」ではありません。飛び込み「挨拶」です。
飛び込み営業は、文字通り飛び込みで訪問して強引に営業をかけるというやり方ですが、飛び込み挨拶は飛び込みで訪問するところまでは同じなのですが、営業をしないというところが飛び込み営業とまったく違います。飛び込み挨拶は、飛び込みで「こんにちは!」と挨拶をして回るというやり方です。
飛び込み営業はお客さんに嫌がられるだけでなく、売る側にも相当の心理的な負担がかかります。飛び込み挨拶であれば、売り込むようなことはしないのでお客さんに嫌がられることはなく、また売る側の負担感もまったくありません。まさに、一石二鳥の方法なのです。
飛び込み挨拶の本質は、商品を売ることではありません。相手と顔つなぎをすることです。
「今度近くで開店することになったので、メニュー表をお渡ししておきますね!」「新商品が出ることになったので、案内を置いていきますね!」と声かけして、相手へ直接メニュー表や案内パンフ、チラシなどを手渡しするのです。相手に声をかけながらチラシなどを渡すだけですから、誰でも負担なくでき、さらに相手から拒否されることもありません。
飛び込み挨拶の最大のポイントは、相手にチラシを直接会って手渡しすることです。間違ってもポスティングのようにポストに入れて帰ってきてはダメ。直接会って渡すということが大切なのです。
定期的に訪問してチラシの手渡しを続けていると、相手から自然に顔を覚えてもらえるようになり、「今日もお疲れ様」「毎回頑張っているね」と声をかけられるようになったら成功です。そのうち「試しに頼んでみようかな」ということでお客さんが注文してくれるようになるでしょう。
飛び込みで訪問して、お客さんに営業トークを一方的にあびせかけても嫌がられるだけですが、飛び込み挨拶を続けていれば確実に依頼や注文を獲得できるようになります。
諦めずにやり続けることが成功の秘訣
当社が立ち上げ時から支援しているお蕎麦屋さんも、開店してからずっとメニュー表や割引券、新商品告知のチラシなどを配って挨拶回りを続け、お客さんを獲得し続けています。
飛び込み挨拶を、2回、3回やって効果がないとやめる会社も多いのですが、継続は力なり。やり続けていればかならず成果の出る手法なので、諦めずにやり続けることが成功の秘訣です。
飛び込み挨拶は、あまりにも単純なやり方なので、大手の大卒エリート社員はバカにしてやろうとはしません。だからこそ、小さい会社は飛び込み挨拶で勝負するようにしてください。大手の社員がやらない飛び込み挨拶をあえて徹底してやり続けることが、大手に勝利する近道なのです。
まとめ
この記事では、島倉大輔さんの著書より「地域密着経営に大切な、飛び込み挨拶」をご紹介しました。
「挨拶」は「営業」に比べて、お客さんに嫌がられるれず、売る側の負担もなく実行することができます。ただし、あくまで飛び込み挨拶の本質は相手と顔つなぎなので、直接顔を合わせて行うことが大切です。また、継続することで確実に成果につながるので、2回、3回やって効果がなくても、諦めずにやり続けてみましょう。
『大手とケンカしても負けない、 経営逆転のヒントあります。』では、今回ご紹介した内容の他にも、小さな会社が業績を伸ばすためのヒントをご紹介しています。