「お金をかけずにお客様の心を動かし、売上アップを実現する方法」として、衝動買いを促すことはとても効果的です。

参考:衝動買いの満足度は7割を超える

しかし、商品に衝動買いする価値があるとお客様に認められなければ、接客売場づくり、イベント、価格設定でいくら努力してもムダに終わってしまいます。衝動買いには、お客様の心に衝動を与える商品を揃えることがとても重要です。

そこでこの記事では、株式会社SIS 代表取締役・カスタマーリレーショナルマーケター 齋藤孝太さんが著者衝動買いしてもらう21の法則で解説している、「新商品で衝動買いを促すための2つのポイントをご紹介します。

メーカーの商品開発の皆さんには、「衝動買いを促しやすい商品とは、どんな商品なのか?」という視点で、読んでいただければと思います。

齋藤孝太

店舗ビジネス(小売業・サービス業・SC等)において顧客との関係を深め、継続的な売上拡大を目指す企業を対象に、顧客育成/CRMの「販売現場の教育・研修・セミナー」を通じた人材育成を行っている。株式会社SIS

新商品

衝動買いを促すには新商品が有効ですが、ここでは単なる新商品ではなく、今ま
で取り扱いのないカテゴリーの商品を新規に揃えることと、既存商品に付加価値を
プラスした新商品を揃えること、この2点に注目してお話ししていきます。

新カテゴリー商品による品揃えの幅拡大

特定のカテゴリー商品しか揃えていない専門店が、新しいカテゴリー商品を揃えることで、いつも買いにきている固定客の衝動買いを促すことができます。お店の固定客は、そのお店やスタッフのファンなので、おすすめを受け入れてくれる可能性が高いからです。買う気がなくても話を聞いてくれるので、次回来店時の衝動買いも期待できます。

ある宝飾専門店では、宝飾品の他にメガネやカバン等の品揃えをはじめています。

家電量販店は、今や家電だけではなく、スポーツ用品やお酒、玩具、自動車の買取まで行っており、総合ディスカウント店になっています。コンビニエンスストア業界では、ローソン浦安店が生鮮品を新カテゴリーとして揃えたところ、客数が約4割も増え、スリーエフの都内店舗では、10種類以上のいれたてコーヒーを180円で展開したところ、来店客数が5%、売上が8%アップしました。

新しいカテゴリー商品を揃えることには注意点があります。カテゴリーは違っても同じレベルの商品を揃えることです。ルイ・ヴィトンは、商品の幅を広げていますが、必ず最上級レベルの商品を揃えています。それにより、イメージの統一・ターゲットのズレを最小限に抑えているのです。

また、お店の品揃えとして考えるのではなく、催事・イベント時のみ新しいカテゴリーの商品を揃える方法もあります。その場合は、委託販売方式を取ると、売れ残りによる仕入れリスクを考える必要がありません。

メーカーの新カテゴリー商品の開発は、自社が持っているシーズ(種)をベースに考えることが中心になりますが、既存商品を揃えてくれている小売店のお客様とターゲットがマッチしているかということも頭に入れることが大切です。マッチしていれば、多くのお店での商品取り扱い、大きな売場スペースを使った展開(アイランド・エンド・レジ横等)が新発売時に実現します。

お客さまニーズ適合の付加価値プラス

既存商品に、お客様ニーズに合った付加価値をプラスした商品を揃えることで、衝動買
いを促します。お客様ニーズに合った付加価値がプラスされた商品は、全く新しい商品よりも抵抗感が少ないのが特徴です

ゴルフ業界では、飛距離を伸ばすことをコンセプトにしたクラブが売れる中、グローブ
やティー、下着等のゴルフ用品は使い心地を基本に商品選択が行われていました。しかし、ここ数年で飛距離を伸ばすという付加価値をプラスした、グローブやティー、下着がヒットしています(2008年1月から高反発ドライバーが規制されたこともヒットの要因でしょう)。

すべりにくい素材と立体的な構造で力が伝わりやすく飛距離が伸びるグローブ、振り抜き時の摩擦を抑えるタコのような足が5本あるティー、スイング時の体の柔軟性を高める下着等です。

お店には、日々多くのメーカーから様々な商品が持ち込まれてきます。お客様ニーズに適合した付加価値がある商品なのか、厳しくチェックすることで、衝動買いを促す品揃えを実現できます。

衝動買いしてもらう21の法則をもとに編集)

 

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