「お金をかけずにお客様の心を動かし、売上アップを実現する方法」それが「衝動買いを促すマーケティング=衝動買いマーケティング」です。

今、様々なお店・企業で熱心に行われています。特徴的な商品を揃え、心に響く接客、キャッチーなコピーのPOPづくり、お客様が興味を持つイベント等です。

また、お客様の側から考えても、豊かな時代をむかえ、「絶対にこの商品が欲しい」というモノ発想のショッピングから、「ショッピング自体を楽しむ」コト発想のショッピングが増える中、「衝動買い」は、よりいっそう増えていくでしょう。

そこでこの記事では、株式会社SIS 代表取締役・カスタマーリレーショナルマーケター 齋藤孝太さんが著者『衝動買いしてもらう21の法則』で解説している、「今、衝動買いを促すマーケティングが効果的な理由」をご紹介します。

なぜ今、衝動買いなのか?

衝動買いの満足度は7割を超える

日本では、「節約」「倹約」が望ましいとされ、「衝動買い」というと、あまり良い意味で取り上げられることは少ないのではないでしょうか。その理由は、「衝動買い」は買った後、後悔することが多いと考えられているからでしょう。しかし、本当にそうでしょうか?

百貨店、スーパー、専門店、駅構内の商業施設(駅ナカ)、テレビ通販を対象に日経産業消費研究所が行った「現代の衝動買い調査」によると、実際に、衝動買いをした商品の購入後の満足度は約7割です。企業にとって衝動買いをしてくれるのが望ましいことはもちろんですが、お客様にとっても、望ましい場合が多いという結果が出ています。

流通経済研究所の調査によると、スーパーマーケットの場合、商品をあらかじめ決めて購入する計画購買は約2割に留まり、約8割が来店してから購入商品を決める非計画購買(衝動買い)です。お店の形態・商品でも割合は異なりますが、衝動買いの割合は皆さんが思っているよりも多いのです。

衝動買いは二度美味しい

女性のストレス解消法のアンケートで必ず上位に顔を出すのが「ショッピング」です。女性はショッピングをモノを買う〝手段〟というより、買い物それ自体を〝コト〟として楽しむ傾向があります。買い物それ自体をコトと楽しむ場合(ウインドーショッピング等)、目的買いというよりは、衝動買いが行われる場合が多いでしょう。

買い物自体を楽しめて、購入後の満足度も高い、まさに二度美味しいのが衝動買いなのです。

これからも衝動買いは増え続ける

日本は、高度経済成長時代から成熟社会に移っています。成熟社会の消費の特徴は、差し迫って欲しいモノがあまりないことが特徴です。幸せをモノではなく、コトによって見出す場面が増えていきます。今後、コトとしての「衝動買い」は成熟し続ける日本市場において、増え続けるでしょう。

もう一つ、衝動買いが増える要因があります。

インターネット・テレビCM・DM・チラシ等、一消費者が受け取る情報が爆発的に増えています。人間は、情報がある一定量であれば、解釈して選択する気持ちになりますが、あり過ぎると情報を受け取って考えること自体が面倒になります。結局はお店で判断することが増え、結果として衝動買いが増えるのです。

さいごに

 記事の内容について詳しく知りたい方は、こちらの本をお読みください。

衝動買いしてもらう21の法則


衝動買いしてもらう21の法則

予算も体力も時間もない、ナイナイづくしの小売業に対し、伸びない市場で売上・利益を上げ、現場と会社を劇的に変える知恵と手法を提案する本。 消費者の心理・行動という視点からはもちろん、現場視点からもお店でどのようなアクションをすればいいのかを説明しています。

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齋藤孝太

株式会社 SIS(ストラテジックインテリジェントシステム)https://sisys.jp/
カスタマーリレーショナルマーケター。店舗ビジネス(小売業・サービス業・SC等)において顧客との関係を深め、継続的な売上拡大を目指す企業を対象に、顧客育成/CRMの「販売現場の教育・研修・セミナー」を通じた人材育成を行っている。


【参考】齋藤孝太.
衝動買いしてもらう21の法則