あなたはビジネスマンとして身だしなみに気を配っていますか? なかには「身だしなみなんてそんなに重要なの?」と思う方もいるかもしれません。
モノの良し悪しは意外と一目でわかるもので、特に革靴は3万円を節目に質が格段に変わります。革靴に限らず日頃身に着けるスーツ、ネクタイ、時計から靴下まで、身だしなみに気を配ることがビジネスにプラスに働く場面は多いものです。
そこで今回は、社会人の身だしなみの強力な味方となるオーダーメイドスーツを取り扱い、イメージコンサルティングまで一貫して行うS-style。その代表取締役を務め、日本で唯一のイメージスタイリストでもある、岡本章吾氏へのインタビューをもとに、「経営者に知ってもらいたい身だしなみの大切さ」について解説していきます。
仕事では第一印象がとても大切
「メラビアンの法則」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
1971年にカリフォルニア大学の心理学者アルバート・メラビアンによって提唱された概念で、コミュニケーションをとる際にどんな情報に基づいて印象が決まるのか検証したものです。具体的には、言語情報・視覚情報・聴覚情報のそれぞれがどれくらいコミュニケーションに影響を与えるのか調べたものになります。
コミュニケーションなのだから会話の内容によって印象が決まるのが当たり前だとお考えの方も多いかもしれませんが、実際は会話の内容自体(=言語情報)はその人の印象に7%しか影響を与えていないのです。
メラビアンの法則によると、見た目やしぐさなどの視覚情報が人に与える影響度は55%・声の大きさや話すスピードなどの聴覚情報が38%・会話そのものの内容である言語情報は7%となっています。つまり、コミュニケーションのときに一番影響が強いのは、視覚情報なのです。
たしかにどんなにトークが上手な営業マンでも、スーツがボロボロだったら「この人、大丈夫かな?」と思ってしまいますよね。どんなに良い内容の話でも第一印象で悪い印象を与えてしまっているため、話自体も信頼性を欠いてしまう可能性があるのです。逆に、バシッときまったスーツを着て、足元から指先まで洗礼された格好の営業マンが同じ話をしたらどうでしょうか。第一印象の良い印象を引きずり、話の内容も信頼できるのではないでしょうか。心理学では「初頭効果」と呼ばれています。
また、自分の立場より少しだけ「いいモノ」を身に着けることで所作も磨かれると岡本氏は言います。
大切にしようと動きに気を付けるのはもちろんのこと、服や装飾品に見劣りしないような立ち振る舞いに自然となってくるのだそうです。着る人の格をも上げてしまうような力が「いいモノ」にはあるのです。値段が高ければいいという話では勿論ありませんが、「いいモノ」はそれこそ値段なりに価値と意味があると言えるでしょう。
今日からできる「ファッションブランディング」
「見た目の重要性はわかってはいるのだけど、何からしていけばいいかわからない」
このような声が岡本氏に多く寄せされるそうです。
そこで第一印象をよくするために今日からできる3つの取り組みを岡本氏に教えていただきました。
①服装を見直すタイミングを作る
まずは、服装が今の自分に合っているのか一度考えてみましょう。
役職やTPOに服装が合っていない方も見受けられます。おそらく服装を見つめ直す機会を作らなかったことが原因だと思われます。
最もわかりやすいのは、「30代になる」「部長になった」「起業した」など、年齢や役職に応じた人生の大きな節目に際して「相応しいモノ」を用意する、という考え方でしょう。つまり、自分の格が上がるのに応じて服装の格を上げたりテイストを合わせることで、結果として見た目全体が洗練されるということです。
逆に、日々の生活というミクロな視点に返ってもよいでしょう。例えば、TPOに応じた服を用意しておくことで大事な時でも身だしなみに迷うことや失敗することがなくなります。他にも、「これが自分に似合うモノ」という基準をもとにワードローブを揃えておくことで、日々の服選びの時間も短縮されます。
②手入れを定期的にする
一流のビジネスマンは、革靴を毎日手入れすると言います。身だしなみの手入れまで含めて仕事なのです。
最近では、安いものを買って使い倒す人が増えています。これが悪いというわけではありませんが、安いものでは長くもたせようとなかなか思えないものです。
そのため、手入れが雑になったり、買い替えればいいからと手入れをしなくなったりするのです。スーツや、靴などの革製品は上質なものを購入して、手入れをして長い間使っていくことで風合いも楽しめ、愛着も湧いてきます。また細かい点に目がいく様になります。
特に靴は「足元を見られる」「足をすくわれる」と言われる程、重要です。クオリティーの違いが一目瞭然で、手入れされていない革靴はみすぼらしく見えてしまいます。
実際エグゼクティブの方で「手入れしていない靴を履いている営業マンから契約はしない!」という方もいる程です。
手入れされていない靴を履いている人は「細かい点に気が付かない」「アフターフォローができない人」とも思われ成約率が下がります。残念なことに女性からの好感度も大きく下がってしまいます。
③他人の目で見てもらう
自分だけで見ている場合に怖いのは“慣れ”です。普段から見ている自分の姿の変化には意外と気づきにくいですよね。外見はあまり変わってないと思っていたのに、気づいたら体重がとても増えていたなんてことありませんか? これと同じで、ずっと変わってないと思っていたスーツ姿が傍からみると、くたびれていたりパツパツだったりすることがあるのです。
身だしなみを評価するのは自分ではなく、周りの人です。そのため他人から見てもらい、しっかりと評価してもらうことは大切なことなのです。
同僚はもちろん、信頼できるお店の店員さんに聞くのもいいですし、近年増えているオーダーメイドスーツのお店で聞かれるのも良いでしょう。
S-styleでは、お客さまに「相応しい」スタイリングを戦略的かつお洒落に提案しています。
他のオーダーメイドスーツとの大きな違いは、色彩心理学や対人認知学など様々な理論を用いてアプローチしている点です。
どのような理論からアプローチしているのか、いくつか見ていきましょう。
まずは「骨格診断」
骨格診断とは、一人ひとりの生まれ持った骨格や体型を生かして美しく魅せるスタイルを知るための方法です。診断によって「ストレート」「ウェーブ」「ナチュラル」の3タイプに分かれ、それぞれが最も美しく見えるファッションの方向性や素材感を把握することができます。
次に「パーソナルカラー診断」
パーソナルカラーとは、その人の生まれ持った色(肌・髪・瞳・頬・唇など)と雰囲気が調和した色(=似合う色)のことです。人それぞれ個性が違うように、似合う色もそれぞれ違います。そういった似合う色を見つける診断のことを「パーソナルカラー診断」と呼びます。
そして「顔タイプ診断」
顔タイプ診断とは、顔の輪郭やパーツの特徴やバランスなどから顔のタイプを分析することで、似合うファッションのテイストや髪型などを導き出します。
これらの診断により、似合うファッションテイスト、生地や柄、デザイン、スタイリングなどが判明します。また顔や骨格といった本人の要素だけでなく、TPOやさまざまな外的要因も総合してコンサルティングを行う、「イメージコンサルティング」を行います。
ここでは職業、役職、着用シーン、ターゲット、与えたい印象など詳しくヒアリングを行い一人一人の「印象形成」を固めていきます。会社の商品サービスに加え理念やビジョン、方向性なども聞くことがあります。またオーダースーツだけでなくジャケパンなどのセットアップスタイルも増えています。それにより「似合う」を超えた「相応しい」を体現することを可能にします。
読者へのメッセージ
リモートワークなどが進み、コロナ禍ではスーツやジャケットを新調しようという需要は下がっているのかもしれません。しかし、だからこそ「人に会う時」の価値が向上し、より身だしなみというものが重要になっているのではないでしょうか。
身だしなみは自分のためだけにするものではありません。「相手」のためにする心配りなのです。お会いする人や会場の雰囲気に合わせた身だしなみをすることは「おもてなし」の一つということは忘れないでください。
そして、S-styleでお届けしているのはスーツなどの「モノ」だけではありません。
その「モノ」を通した「未来」です。
お客様がどうなりたいか、どう成果を上げたいか。ここを最も真剣に考えています。その目標に向けて行う手段として「イメージスタイリング」を行っています。ブランディングの一環としてもぜひファッションを取り入れ楽しんでいただきたいと思います。
(またぜひお気軽にご相談ください。)
岡本章吾(Shogo Okamoto)
株式会社 S-style代表取締役
URL:https://s-style-fashion.com/
住所:東京都中央区銀座2丁目12番4号
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