この記事では、市場を細分化するときのポイントとなるセグメンテーション変数について、意味や具体例を確認します。
目次
1.セグメンテーションとは
2.セグメンテーション変数とは
3.セグメンテーション変数の例
まとめ.変数の特徴を理解して使い分ける
セグメンテーションとは
マーケティングにおいてセグメンテーションとは、顧客を性質ごとに分類することを指します。また、分類されたグループひとつひとつをセグメント呼びます。
市場を様々な角度から分類することで、それまで見落としていた顧客層に気づき、新しいターゲットへのアプローチを可能にします。
セグメンテーション変数とは
セグメンテーション変数とは、セグメンテーションを行うときの切り口です。
例えば、市場を10代以下・20代・30代・40代・50代・60代・70代以上というセグメントに分ける場合、セグメンテーション変数は「年齢(年代)」です。
セグメンテーション変数の例
セグメンテーション変数には、様々な要素が用いられます。ここからは、セグメンテーション変数としてよく用いられる要素を、4つの種類に分けてご紹介します。
年齢・性別・職業など
年齢・性別・職業などの要素は、人口動態変数(デモグラフィック変数)と呼ばれます。
人口動態変数には、以下のようなものが考えられます。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 所得
- 学歴
- 家族構成
国・地域・文化など
国・地域・文化などの要素は、地理的変数(ジオグラフィック変数)と呼ばれます。”地理的”という名前からもわかる通り、地域によって偏りが生まれる要素が含まれます。
地理的変数には、以下のようなものが考えられます。
- 国
- 地域
- 経済状況
- 人口
- 気候
- 文化
価値観・趣味など
価値観・趣味などの要素は、心理的変数(サイコグラフィック変数)と呼ばれます。人口動態変数や地理的変数と比べて、測定が難しい変数ではありますが、市場のニーズをとらえるうえでは、とても重要な変数です。
心理的変数には、以下のようなものが考えられます。
- 価値観
- 趣味
- 興味関心の対象
商品知識・購買状況など
商品知識・購買状況などの要素は、行動変数と呼ばれます。例えば、商品について「全く知らない」「名前は知っている」「よく知っている」のような分類につながります。
行動変数には、以下のようなものが考えられます。
- 商品知識
- 商品に対する興味
- 購買状況
- 商品への満足度
まとめ.変数の特徴を理解して使い分ける
「人口動態変数」「地理的変数」「心理的変数」「行動変数」の4種類の変数をご紹介しました。
変数にはそれぞれ特徴があります。「人口動態変数」や「地理的変数」によるセグメンテーションは、市場のニーズを反映しづらい面もあります。例えば、関東に住んでいる30代の男性というセグメントを考えても、必ずしも同じニーズを抱えているとは限りません。
一方、趣味が草野球の人という「心理的変数」によるセグメントであれば、おそらく年齢や住む地域は違っても、かなり近いニーズを持ったセグメントをつくることができます。
ただし、「心理的変数」「行動変数」は市場のニーズを反映しやすい反面、計測が難しいという短所もあります。
セグメンテーションを行うときには、それぞれの変数の長所・短所を理解したうえで、適切なものを活用していくことが重要です。