「お金をかけずにお客様の心を動かし、売上アップを実現する方法」として、衝動買いを促すことはとても効果的です。
一般的に衝動買いというと、通常お店の中だけで考えがちですが、来店も衝動買いを促すための重要な要素です。
そこでこの記事では、株式会社SIS 代表取締役・カスタマーリレーショナルマーケター 齋藤孝太さんが著者『衝動買いしてもらう21の法則』で解説している、「安心感でお客様の衝動的な来店を促す方法」をご紹介します。
安心できるお店
近年、マンションの耐震偽装の問題や食品に関する問題等、企業が消費者を欺く事件が後を絶ちません。
その影響で、企業に対して安心感を求める消費者が増えています。
今までの企業(特に大企業)は、お客様から見て信頼できる存在でした。しかし、次々と不祥事が明らかになる中で、お客様は企業に不信感を持つようになっています。(なんとなく信用できない…)
お店レベルにおいても当然その影響があります。それを逆手に取って安心感を与えることで、今よりも衝動的な来店を促すことができます。
安心伝達のメッセージスタンド
安心感を持って来店してもらう方法として最も簡単な方法が、路上に置く移動式小型看板、「メッセージスタンド」です。ビジネス街のランチ時間に、飲食店がメニューを告知するときによく使っています。費用もそれほどかからず、気軽に実施できる看板です。その看板で、店内の様子を見込客に積極的に公開することで、お客様に安心感を与え、衝動的な来店を促します。
内容として考えられるのが、「お客様のご希望にお答えして○○な商品を仕入れました」等のお客様との関わりを想像できる内容、「今、この商品がお客様から支持されています」等の売れ筋を紹介した内容、「すべての商品は国産です」等の商品の素材へのこだわりを伝える内容、店内奥の様子を写真で表示すること等です。
ある日本そば屋では、店頭のメッセージスタンドに「当店は日本そば屋ですが、ご来店のお客様のほとんどがラーメンを注文されます。この地に開店して以来40年間親しまれてきたラーメンを是非食べてみて下さい」と表示し、来店を促進していました。この看板の目的は、来店してもらうことなので、「お気軽にご来店ください」というメッセージは必ず入れましょう。
メッセージスタンドは様々な形状のものがありますが、よく見るのは黒板タイプのものです。スタッフが手書きで自らの言葉を綴っています。ジュエリーショップやブランドショップ等は、手書きにするとブランドイメージが崩れるので、他のメッセージスタンドがよいでしょう。
外から見やすい、気づかいを感じるお店構え
お店の中が外から見えづらいお店があります。店内が見えないと、どんなお店なのかわからず、安心して来店できません。
薬の販売店の主役が、従来の薬局からマツモトキヨシ・セイジョー・ヒグチ等のドラッグストアに変わったのは、従来の薬局が外から見えづらかったのに対して、ドラッグストアが店内を外から丸見えにしたことが大きな要因でした。
これは当たり前ですが、掃除が行き届いていなかったり、ホースが乱雑に置いてあるお店では、来店した時に温かく迎えてくれるか不安で、安心して来店できません。
外から見えやすい、気遣いを感じるお店構えで、不安を持っているお客様が安心して来店できるように演出することが大切です。
さいごに
記事の内容について詳しく知りたい方は、こちらの本をお読みください。
衝動買いしてもらう21の法則
予算も体力も時間もない、ナイナイづくしの小売業に対し、伸びない市場で売上・利益を上げ、現場と会社を劇的に変える知恵と手法を提案する本。 消費者の心理・行動という視点からはもちろん、現場視点からもお店でどのようなアクションをすればいいのかを説明しています。
齋藤孝太
株式会社 SIS(ストラテジックインテリジェントシステム)(https://sisys.jp/)
カスタマーリレーショナルマーケター。店舗ビジネス(小売業・サービス業・SC等)において顧客との関係を深め、継続的な売上拡大を目指す企業を対象に、顧客育成/CRMの「販売現場の教育・研修・セミナー」を通じた人材育成を行っている。
【参考】齋藤孝太.衝動買いしてもらう21の法則