この記事では「定款とは何か?」についてご紹介します。社会保険労務士の寺内正樹さんが著書「会社のあたりまえはルールにまとめなさい!」で解説している内容をもとに編集しています。

定款の会社における役割、変更時に必要な手順を確認していきましょう。

寺内正樹

2002年11月より行政書士事務所を開設。2005年10月、社会保険労務士の登録も行い、企業の法務・人事労務をトータルにコンサルティングしている。

定款とは何か?

「定款」は、会社の憲法と言われることもある会社の根本規則です。つまり、「定款」が会社の存在を支えているのです。その証拠に、この「定款」がない会社は日本に1社たりともありません。法律上、「定款」を作らずに会社を設立することができないからです。

「定款」は、すべての会社が避けて通ることのできない「ルール」なのです。

会社を成長させるための「ルール」

「定款」は、当然「法律」に反しないことを前提として作る必要があります。しかし「法律」は、あなたの会社を成長させるために作られているわけではなく、会社として動いて良い範囲を決めているだけなのです。ですから、会社の成長のためには、「法律」という動けるエリアを知った上で、さらに、会社独自の「ルール」を決めていくことが重要です。

まずは、「法律」を知ってください。そして、その上であなたの会社が勝つための作戦を練り、それを反映させて「定款」という「ルール」を作り込んでいきます。

定款の変更には時間と手間がかかる

定款の変更には費用がかかる

会社にとって重要な意味を持つ「定款」ですが、実際は軽く見られがちです。インターネットや書籍などから手に入れた雛形を少し変えているものがほとんどで、あなたの会社の将来や成長の過程までを考えて戦略的につくられているものは少ないです。

とはいえ、「定款」は、家がリフォームできるように、後から何度でもつくり変えることができますので、すでにつくってしまったから手遅れということはありません。

しかし、「定款」の変更には、手続のために「費用」がかかることがあります。

法務局に登記の変更申請も必要

「定款」の中には、会社の名前、事業目的、本店所在地、資本金、役員など法務局で登記されている項目もあります。これらの項目の定款変更を行なうと、法務局に申請して登記の変更もしなければなりません。

そして変更の際には、登録免許税というお金を項目の内容に応じて支払います。1つの項目につき数万円のケースが多いですが、変更の数や内容によっては、1度に数十万円の費用がかかる可能性もありえます。

株主総会での議決も必要

さらにこの場合、手続に「手間」や「時間」がかかります。定款変更のためには、株主総会という会社にとって最高の意思決定の場での議決が必要になります。株主総会といっても上場会社でもない限り株主が大勢いるケースは少ないですが、それでも株主に通知をして議事を開き、議決の結果を記録する議事録の作成をしなければなりません。

申請から完成まで時間がかかる

そして、登記の申請を行なってから、実際に登記簿謄本(登記事項全部証明書)が完成するまでにも日数がかかります。申請する法務局によっても異なりますが、1週間前後日数を見なければならないケースが多いのです。

定款変更で考えられる手間
・費用・時間
・法務局への申請
・株主総会での議決

これらの不都合のため、後になって後悔をする経営者が意外に多いのです。会社設立時もしくは早めの段階で、会社の将来や成長の過程を考えて「定款」を作り込んでおけば、費用・手間・時間といった貴重な経営資源を浪費せずに済みます。

定款作りのポイントは「決め方」

定款は、「書き方」より内容の「決め方」がポイントです。定款自体は、記載の形式に大きな違いはないことが多く、一般的な雛形を使用してもそれなりのものが作れます。ただし、内容をよく理解せずに作ってしまうと後から面倒なことになります。以下の記事では、「定款」をつくるにあたって絶対に外せないポイントを「決め方」に着目して解説しています。

これから新しく会社を設立する場合だけでなく、すでに設立が終わっていても現在の「定款」を再チェックしてみてください。

事業目的の決め方
資本金の決め方
本店所在地の決め方

まとめ.定款作りのポイント

この記事では、寺内正樹さんの著書より「定款とは何か?」についてご紹介しました。

会社にとって重要な意味を持つ定款ですが、後から何度でも作り変えることができるので軽く見られがちです。しかし、定款を変更するには手間と時間、そしてひとつの項目につき数万円の費用がかかる場合もあります。あらかじめ会社の将来や成長の過程を考えて定款を作りこんでおくことで、経営資源の浪費を防ぎましょう。

書籍『仕事のあたりまえはすべてルールにまとめなさい!』では、今回ご紹介した内容の他にも、あなたの会社に合ったルールの作り方や、会社の成長につながるヒントを紹介しています。

会社にルールがなく社内にまとまりがないと感じる方や、会社の急成長に対して体制が整ってないと感じている経営者の方は、是非一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

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