「ウチにそんな予算ないよ」
「他社から買ってるからいいよ」

お客からの反対意見、断り文句、反論。私たちは、毎日のようにこうした反対意見や反論への対応を迫られています。

お客の反対意見、断り文句、反論を乗り越える最も良い方法はなんでしょうか。

それは、ズバリ賛成することです。まず、一旦すべてを受け止めてしまうのです。間違っても、お客の反論を途中でさえぎったり、反論に反論してはいけません。意見を尊重する姿勢を見せ、同じ考え方をしていることを印象づけるのです。

そこでこの記事では、インサイトラーニング株式会社代表 箱田 忠昭さんが著書『新版「高いなぁ」と言われても売れる営業のしかけ』で解説している、「断り文句を乗り越えるのに効果的な”クッション話法”をご紹介します。

 箱田 忠昭(はこだ ただあき)

日本コカコーラの広告部マネージャー、エスティ・ローダーのマーケティング部長、パルファン・イヴ・サンローラン日本支社長を歴任。昭和58年、インサイトラーニング株式会社を設立。現在代表取締役。プレゼンテーション、ネゴシエーション、セールス、時間管理等のコミュニケーションに関する専門家として、企業人の教育研修に専念。インサイトラーニング株式会社

目次

1.相手の言うことを一旦肯定する
2.肯定的な見方をしてくれる状態を作る
3.断り文句に便利なクッション言葉

お決まりの断り文句がきたら……

相手の言うことを一旦肯定する

まずは、お客との一体感を作ることが重要です。

ソフトに相手の言うことを一旦肯定するので、これをクッション話法と呼んでいます。

例えば、二階の窓からコップを外に投げれば、地面に激突して割れてしまいます。しかし、下にクッションが用意されていたらどうでしょう。コップは割れずに済みます。

ともかく、相手の反対意見に対しては、それが正しいかどうかは別として、「あなたはそういう考えを持っているのですね」というように理解を示すのです。

「おたくの商品は高いね」と言われたら、「そんなことはありません」と否定せず、「そうですね、最初のうちはそうおっしゃる方が多いんですよね」というようにヤンワリと受けるようにしてください。

POINT
・反論には、クッション話法を使う

肯定的な見方をしてくれる状態を作る

人は誰でも、他人に否定されるのを嫌います。そして、相手に否定されれば相手のことも否定したくなります。

「そのネクタイ、安物でしょ。100円ショップで同じような色のネクタイ売ってたよ」

と言われれば、

「そういうあなたもセンスないですね。ピカピカ光ってる素材のネクタイなんか、今どき流行(はや)りませんよ」と言いたくなります。

人間は感情の動物ですから仕方ありません。自分が否定されれば、相手にも否定で返したくなるのです。反対に、肯定されればどうでしょうか。相手は肯定で返してくれます。

「いいネクタイしてるね。色がいいよ。日本にはあまりないような鮮やかな色でいいね」と言われれば、

「ありがとうございます。そういうあなたもおしゃれなネクタイしてますね。見るからにいい素材使ってますね。どこでお求めになったんですか?」と言いたくなります。

まずは、クッション話法で感情のミゾが生じないよう、そしてあなたに対して肯定的な見方をしてくれる状態を作るよう心がけてください。

断り文句に便利なクッション言葉

さて、セールスパーソンであるあなたは、断り文句が出た際にはクッション言葉で答えられるように、普段から練習しておかなければなりません。

どのようなクッション言葉があるでしょうか。ここに書き出してみましょう。

断り文句に便利なクッション言葉
・そうですね、そう思われるのが普通なんですよ。
・はい、そこのところは確かにその通りだと思います。
・はい、どちらの会社も最初はそうおっしゃいます。
・そうですね、確かにそういうところはあると思います。
・なるほど、さすがに鋭いご指摘ですね。
・そうですね、やはりその点がポイントですよね。

どのクッション言葉も、一旦は相手の反対意見に対して肯定的に受けていますね。

練習問題

クッション言葉がどのようなものかが理解できたところで、次に練習問題をやってみましょう。下記の8つの断り文句は、営業をしていると実際によく出くわす言葉ばかりです。

ではクッション話法を使って、8つの断り文句に答えてみてください。

練習問題
次の断り文句にクッション話法で答えてみてください。
問1 これは少し大き過ぎるな
問2 こんな高いものは買えないね
問3 他から買ってるのでいらないよ
問4 ウチには必要ないね
問5 他社のほうが安いよ
問6 予算に余裕がない
問7 ランニングコストがかかり過ぎるよ
問8 今のが気に入ってるんだ

どうですか、うまく答えられましたか?

この練習問題の8つの断り文句は、ごく一般的な例です。しかし、実際にお客が断り文句を言う際には、業種や業界によって特有の言い方があるはずです。あなたが日頃の営業をしていて、お客によく言われる断り文句ですね。

より実戦的な練習をする場合は、まず業種・業界の特有の断り文句を10個以上書き出してください。

そして、クッション話法で答えを考えてみるのです。頭の中で考えるだけではダメです。紙に書いて、そして実際に言葉に出して練習してみてください。

(『新版「高いなぁ」と言われても売れる営業のしかけ』をもとに編集)

 

『新版「高いなぁ」と言われても売れる営業のしかけ』
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