「お金をかけずにお客様の心を動かし、売上アップを実現する方法」として、衝動買いを促すことはとても効果的です。

参考:衝動買いの満足度は7割を超える

一般的に衝動買いというと、通常お店の中だけで考えがちですが、来店も衝動買いを促すための重要な要素です。

そこでこの記事では、株式会社SIS 代表取締役・カスタマーリレーショナルマーケター 齋藤孝太さんが著者衝動買いしてもらう21の法則で解説している、「入ってみたくなるお店のつくり方」をご紹介します。

齋藤孝太

店舗ビジネス(小売業・サービス業・SC等)において顧客との関係を深め、継続的な売上拡大を目指す企業を対象に、顧客育成/CRMの「販売現場の教育・研修・セミナー」を通じた人材育成を行っている。株式会社SIS

一度入ってみたいお店

ショーウィンドウによる興味獲得

お客様の興味をひくにあたって重要なのが、ショーウインドウに飾ってある商品です。

六本木ヒルズのあるファッション店では、平日と週末でショーウインドウに飾る商品に変化をつけています。平日は六本木ヒルズに勤めるOLをターゲットに5~6万円のワンピース、ジャケット等を飾り、週末は地方からの観光客をターゲットに2~3万円のバッグ、靴を飾っています。

多くのお店は、1ヶ月に何回かはショーウインドウを変えますが、曜日によって通行客が変わっても、ショーウインドウを変化させません。お店の前の通行客に変化がある場合、積極的にショーウインドウに飾る商品を変えることで、お客様の興味をひくことができます。

ある和菓子店では、季節の和菓子を年間30品ほどあらかじめ設定し、代わる代わるお店の前にディスプレイしています。ディスプレイに変化があるので、ついつい眺めてしまいます。

銀座4丁目交差点近くにあるジュエリーショップでは、お店のショーウインドウにからくり人形が仕込まれており、毎日特定の時間になると、音楽と共に動きます。からくり人形が動き始めると人だかりができ、その流れで来店を促しています。

特別サービス&絶妙ネーミング

お客様は、高額商品を売るお店(自動車・住宅・家具・銀行の資金相談等)に対して、購入を決めたときにしか興味を持ちません。

どうしたら真剣に購入を検討する前から興味を持ってもらい、気軽に来店してもらえるのでしょうか? 早い時期にお客様に来店してもらえれば、競合店に対してアドバンテージを得ることができます。

そこで興味深い取り組みをご紹介します。自動車メーカーのダイハツが、数年前から実施している「カフェプロジェクト」です。高級ホテルのスイーツとコーヒー等の飲み物をふるまいながら、接客を行います。

通常は来店したときにはじめてこのようなサービスを実施していることがわかるので来店誘引には効果がないのですが、このサービスをお店の前の看板、ネット、チラシ、テレビ等で幅広く告知することで、お客様を来店に結びつけています。この取り組みで、ダイハツは来店客を1・5倍に伸ばしました。また、「カフェプロジェクト」というネーミングのわかりやすさも、直感的に女性の興味をひき、衝動的な来店につながったのでしょう。

興味の幅を広げる工夫

近年、100万人を超える観客動員数を実現している千葉ロッテマリーンズですが、1980年代からチームの成績、観客動員は低迷が続き、一時は年間観客動員が60万人まで落ち込んでいました。しかし、数年前から「勝ちより価値」とうたい、球場に足を運んでもらうこと自体に興味を持ってもらうように改革を進めていました。

その結果、応援の面白さは他チームが模倣するほどになり、会場はライブイベントと化するほど観客動員も増え、その他にも様々な取り組み(選手との握手会・ロッカールーム見学)を行っています。

観客動員を増やすためにすぐに考えつくのが、優秀な選手を集めてチームを強くすることですが、それは観客が「自分が応援しているチームが勝つ場面を見に来ている」という前提に立った発想です。それ以外の価値にも興味を持ってもらい、球場に足を運んでもらおうとしたのが千葉ロッテマリーンズの取り組みです。それにより、球場に来る目的や興味の幅を広げることに成功したのです。

皆さん、お店に対するお客様の興味を狭く捉えてはいないでしょうか?

商品を購入する以外のお客様の興味(楽しさ・心の癒し・コミュニケーション・リラックス・売れ筋チェック・新商品発見等)を挙げてみて、それを実践することで、来店における興味の幅を広げることができ、衝動来店を今よりも増やすことができます。

衝動買いしてもらう21の法則をもとに編集)

 

『衝動買いしてもらう21の法則』
予算も体力も時間もない、ナイナイづくしの小売業に対し、伸びない市場で売上・利益を上げ、現場と会社を劇的に変える知恵と手法を提案する本。 消費者の心理・行動という視点からはもちろん、現場視点からもお店でどのようなアクションをすればいいのかを説明しています。Amazonで書籍の詳細を見る。