この記事では、「商談を成立させるのに重要な「メリットの法則」について、高橋宗照さんの書籍『「検討します」と言われても売れる商談のしかけ』よりご紹介します。

【書籍】『「検討します」と言われても売れる商談のしかけ
【著者】
高橋宗照 (株)タカハシ&パートナーズ 代表取締役

お客の「Yes」を引き出す「メリットの法則」

商談においてお客が「No」と言うときには、お客側が問題を抱えているケースも少なくありません。つまり、自社の商品やサービスの力だけでは解決できないことも出てくるのです。

では、そんなときセールスパーソンは、どうすればいいのでしょうか?

そこで知っておいていただきたいのが、行動心理学で「メリットの法則」と呼ばれるものです。

「メリットの法則」とは?

これは、“行動の根本的な理由は、メリットがあるから”というものです。

「いや! オレは好きか嫌いかで行動するかしないかを判断をすることが多いっすよ!」という人もいるかもしれませんが、私たちはこの「メリットの法則」なるものから逃げられないようです。

一説によれば、私たちの行動を促す理由の割合は次のようになっていると言われています。

① 好き・嫌い →10%
② 正しい・正しくない →20%
③ メリットがある・メリットがない →70%

いかがでしょうか? これほどの差があるというのはとても驚きです。

ここから予想できることは「好き・嫌いが多いっす!」と言っている人の場合でも、

自分にとって何らかのメリットがある場合 → 好きになりやすい
自分にとってあまりメリットにならない場合 → 嫌いになりやすい

となる可能性が極めて高いということを示しているようです。

ということは、お客に何らかのメリットを感じてもらえれば、「Yes」という回答を引き出す、もしくは「No」を「Yes」に変えることも十分に可能だということになります。

メリットを感じてもらうことで「Yes」を引き出す

そして、もう1点重要なことは、お客がどれぐらいメリットを感じるかは、セールスパーソンの力量しだいでいくらでも変化させることが可能だということです。

お客に大きなメリットを感じてもらえれば、セールスパーソンにとってネガティブだった「No」の背景やレベルを劇的に変えることもできます。

ですから、「No」と言われて落ち込んだり、イラっとする必要などまったくないのです。

お客の「No」という言葉にまず冷静に対処して、「Yes」を引き出すためにメリットを感じてもらえるような行動を起こせるかどうかが大切なのです。

「メリット」の説明のしかた

人が行動を起こす理由は、メリットがあるかないかが70%を占めます。ですから、セールスパーソンとしてはメリットを上手に伝えるかどうかで、この“70%”をフル活用できるかが決まるのです。

しかし、残念ながら多くのセールスパーソンが、このメリットという言葉を勘違いしているのです。

よく商品やサービスにおけるメリットを説明するときに、自社のカタログやパンフレットなどに書かれている内容をそのまま話す人が多くいます。それでは売れません。

メリットはよく“特長”“利点”などと訳されますが、問題はこのメリットは誰にとってのメリットなのか? 前項の「ゴト売り営業」「ケツ売り営業」と考え方は同じですが、お客にとって具体的なメリットとは何か? ということです。

相手の立場に立ったメリットを説明できなければ、インパクトの大きな提案や商談はできません。

間違ったメリットの説明

次の3つの例は、典型的な間違ったメリットの説明です。

①「当社のサーバーは毎分○○という膨大な情報量を処理できるんです」
②「おすすめの車輌は燃費が従来のものと比べると20%もアップしているんですよ!」
③「この商品は非常に多くのお客様にリピートしていただき、リピート率は73%です」

はっきり言いましょう。お客の立場から言わせてもらえば「だから何なの?」です。

そもそもお客だってアホじゃないですから、あなたが言うメリットはカタログを読めばわかることです。お客がセールスパーソンであるあなたから聞きたい内容は、「で、結局うちにとってそれがどんなメリットがあるの?」ということなのです。

上手なメリットの説明

同じメリットという言葉を使っていても、売れるセールスパーソンはこのカタログ的なメリットを“お客の立場に立った具体的なメリット”へ翻訳するのが非常にうまいのです。

先ほどの①〜③の例を使うと次のようになります。

①「その処理能力で従来かかった時間の半分で済みますから、御社の時間短縮と別の業務の処理が同時にできて、ゆくゆくは人件費の削減にもつながります」

②「そのため今まで配達していた給油回数も月にすると○○回減ることになり、燃料の経費が御社でしたら○○%削減できますよ」

③「そのリピート理由は何といっても翌日にすぐ実施するアフターメンテ体制にあるんです。特に御社のように機械を止める時間数を少しでも少なくしたい、ロスタイムを減らしたい企業様からご支持をいただいているんです」

さいごに

記事の内容をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください。

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売れる商談のしかけ


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