SFA・CRMは、企業の成長・発展のため、業績目標の達成のため、顧客満足度の向上のために、営業部門だけでなく全社で活用するツールです。

実際に多くの企業でSFA・CRMを導入する場合、顧客と直接接触する営業部門から導入するケースが多いという現状があります。そのため、先人部隊となる営業部門が導入に失敗してしまうと、全社でSFA・CRMを活用すること自体、夢のまた夢になってしまいます。したがって、会社の命運をかけて営業部門には「必ず成功してもらう必要がある」ということになります。

そこでこの記事では「SFA・CRMを成功を握る営業部の覚悟」について解説します。

株式会社 MCネクストの代表取締役である早川圭一さんが、著書『SFA・CRM 情報を武器化するマネジメント7つの力』で解説している内容をもとに編集しています。
【著者】早川圭一 株式会社 MCネクスト代表取締役

SFA・CRMは「営業部を楽にするツール」ではない

組織内の力関係として、「営業部の組織パワーが大きい」というケースが多々あります。

そして、この営業部のマネジメントが属人的な形に陥っており、顧客や見込案件の状況を組織として把握するのが困難だった場合、SFA・CRMの導入を検討する可能性が高くなります。

ここで重要なことは「誰が主体的に動くのか」ということです。

例えば、この状況を見た経営層が、経営企画部に対して改善の指示を出したとします。経営企画部は「顧客管理や案件管理ならばSFA・CRMの導入が望ましいはずだ」と考えて調査を開始し、いくつかのツールベンダーからプレゼンテーションを受けることになるでしょう。

そして、導入を検討するSFA・CRMをいくつかピックアップして、経営層へ概要を報告することになるでしょう。そのとき、営業部を管掌する役員から次のような指摘が入ったとします。

「SFA・CRMを導入するのはいいけども、営業部の負担とならないようにしてくれ」
「うちの営業パーソンたちは個人商店の集まりみたいなものだから、彼らが使いたいと思うものを導入してくれ」
「いくらシステムを導入したって売上が上がるわけじゃない」
「営業というのは努力と根性が全てだからな」

組織パワーの強い営業部の管掌役員にこのようなことを言われると、改善を指示された経営企画部はどうなると思いますか。

おそらく「営業部が納得してくれるツール」「営業部にとって使いやすいツール」を選ぶことが目的になってしまうことでしょう。そうなると経営企画部の担当者がツールベンダーに出す要望や質問は次のようなものに集中します。

「営業パーソンの負担にならないことが重要だ」
「営業パーソンが必要とする機能にはどのようなものがあるのか」
「営業パーソンが受け入れてくれるツールを選ぶことになる」

このパターンに入ってしまうと、SFA・CRMの導入を成功させることは難しいでしょう。

なぜなら、SFA・CRMの導入は、営業パーソンが「喜ぶところ」からスタートするのではなく、「覚悟するところ」からスタートするべきものだからです。

SFA・CRMの導入には営業部の「覚悟」が必要

SFA・CRMの導入は「営業マネジメントの変革」であり、「従来の属人的なマネジメントから脱却する千載一遇のチャンス」なのです。

言い換えるならば、営業部には現状の課題・問題点をしっかり理解してもらい、あるべき姿の実現に向けて従来のやり方を変えることをコミットしてもらう必要があるわけです。

「営業パーソンが受け入れてくれるツール」という発想には、現状のやり方は変えずに、道具だけを入れ替えて、何かが楽になるようなツールを導入する、というニュアンスが含まれます。

SFA・CRMはインプットがあって初めてアウトプットが出てくる道具です。そのため「なぜインプットが必要なのか」という本質部分をしっかりと理解していなければなりません。

これまで個人商店のようなやり方で営業マネジメントが行われてきたような会社に、上記のような発想でSFA・CRMを導入しても何の成果も出ないといえます。

組織パワーに左右されない「第三者の力」を活用する

SFA・CRMの導入プロジェクトは、「マネジメントのあるべき姿」をしっかりと描き、それを実現するために、営業部のコミットをとりながら進めていく必要があります。

営業部の組織パワーが強いと「あるべき姿の実現」よりも「自分たちにとって楽かどうか」が優先されてしまう可能があります。

経営企画部や情報システム部などといった営業部門以外の推進メンバーだけで営業部を突き動かしていくのは相当困難なことといえます。

そのときにとても有効なのが、コンサルタントなどの「第三者的な公平な立場」といえる存在です。

各企業に存在する社内の人間関係やしがらみに、コンサルタントは囚われません。問題点もあるべき姿も、ためらわずにズバズバ伝えることができます。

社内の組織パワーがSFA・CRMの導入プロジェクトの阻害要因になりそうな場合は、「外部の力」をうまく使って推進することが有効です。

さいごに

記事の内容をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください。

SFA・CRM
情報を武器化するマネジメント7つの力


SFA・CRM 情報を武器化するマネジメント7つの力

AMAZONで見る