皆様の会社には「SFA・CRMとは何ですか?」と質問されて、正確に答えられる人がどれぐらいいるでしょうか。

実際にこの質問を営業パーソンの方にしてみると、100人いれば100通りの答えが返ってくるのが現実です。

そこでこの記事では「SFA・CRMとは何かを解説します。

株式会社 MCネクストの代表取締役である早川圭一さんの著書『SFA・CRM 情報を武器化するマネジメント7つの力』で解説している内容をもとに編集しています。
【著者】早川圭一 株式会社 MCネクスト代表取締役

SFA・CRMとは

SFA(Sales Force Automation)は”営業活動全般を情報技術で支援する”という概念です。

CRM(Customer Relationship Management)は”顧客との良好な関係づくり全般を情報技術で支援する”という概念です。

顧客との関係づくりは営業活動においても重要な要素であるため、双方の概念は多分に重なり合っています。

そして、SFAとCRMに共通する上位概念として以下の点が挙げられます。

  1. 企業の成長、売上・利益の最大化を目的に導入される
  2. この目的の達成に向けた戦略実行のマネジメントサイクル(PDCAサイクル)を支援する道具である

それぞれの点について、もう少し詳しく述べましょう。

1.に挙げた「企業の成長、売上・利益の最大化」は、企業が存続してステークホルダーを満足させ、社会に貢献していくために重要かつ最も基本的なことです。

そして、この重要かつ最も基本的なことを達成するためには、2.に挙げた戦略実行のマネジメントサイクル(PDCAサイクル) が機能する必要があります。

なぜなら戦略実行のPDCAサイクルは、企業が事業活動を通じて成長・発展し、社会に貢献し続けるための基本中の基本だからです。

上記2点はSFA・CRMの上位概念と述べましたが、結局は「企業活動そのものを支援する道具」だと言い換えられます。SFA・CRMを最大限に活用することで、戦略実行のマネジメントサイクル(PDCAサイクル)が最適に機能し、企業の成長、売上・利益の最大化が実現される、ということです。

したがって、SFA・CRMは「いる」「いらない」で議論するようなものではなく、企業活動を最大化・最適化するために絶対に必要なものといえるのです。

SFA・CRMは「企業文化」を変革できる必須のツール

事業環境が大きく変化していることもあり、「これまでと同じやり方ではこの先が不安だ」という企業が増えてきました。

環境変化に合わせて今までの『やり方』を変えようとする取り組みは非常に重要ですが、長年にわたり社内に染みついた『これまでのやり方』は、時として判断力、決断力を鈍らせ、変革の足を引っ張ります。そのため『やり方』を変えるには、どういう手順が必要かを正しく認識する必要があります。

マネジメントの「仕組み」を変革することで、社員の「行動」に変革をもたらし、この「行動」を継続させることで「意識」の変革を実現する。

これは「仕組み」を変えて、「行動」を促すことで、初めて「意識」に変化が生じる、ということです。そしてこの「意識の変化」こそが、 その会社における『新しいやり方』であり、『企業文化』ということになるのです。

SFA・CRMはマネジメントの「仕組み」の部分を担う道具です。大切なことは、今後の成長に向けて、どのような姿が 「あるべき姿」なのかを描くことです。この「あるべき姿」を描くことができて、初めてマネジメントの土台となる「仕組み」をどのように設計すればよいのかが、見えてくることになるのです。

次に「行動」について考えてみましょう。まず、大前提としてお伝えしたいのは、「分かる」と「できる」はまったく違うということです。

例えば「重要な取引先は月1回必ず訪問すること」という方針を示している企業があるとします。この方針を理解できない営業パーソンは恐らく存在しないでしょう。つまり「分かっている」ということで す。この「分かっている」営業パーソンたちは、「分かった」からといって100%実行「できる」のでしょうか。

営業マネジメントにおいてはここが重要なのです。「分かっている」からといって「できるわけではない」。 実際の「行動」として「重要な取引先は月1回必ず訪問すること」 を徹底させたければ、口を酸っぱくして「ちゃんと月1回は訪問しろ」と言うだけではダメなのです。「行動」を促すマネジメントが必要になります。

具体的には、「訪問すべきタイミングが来ている」という気づきを営業パーソンに与えるとともに、「訪問すべき取引先に訪問できていない」という事実を把握する、ということです。この2つのマネジメントを「人間の力」だけで行うことはほぼ不可能です。

ここでSFA・CRMという「仕組み」が威力を発揮します。

SFA・CRMという「仕組み」があれば、クリックひとつで「そろそろ訪問しなければならない取引先の一覧が表示される」「訪問がヌケ・ モレている取引先の一覧が表示される」ようにしておくのは簡単なことなのです。

「分かっている」だけでは「できない」かもしれないから、「できる」ようにアシストする役割をSFA・CRMに担わせる、ということです。

このように「仕組み」を使って営業パーソンに「重要な取引先については必ず月1回は訪問する」という「行動」を継続させることで、 「そろそろ訪問すべき取引先はどこか?」「自分の訪問すべき取引先に ヌケ・モレは発生していないか?」という意識が自然に芽生えるようになるのです。

この「新たな意識の芽生えこそ」が本質的な「営業変革」であり、 「仕組み」を使って「意識」を変革するポイントは多岐にわたるということを理解しておいてください。

SFA・CRMで成功するための絶対条件

ひとつだけ忘れないでほしいことがあります。

それは『SFA・CRMを導入しさえすれば、企業の成長、売上・利益の最大化を実現できる』と思ってはいけないということです。

ダイエットマシンを思い浮かべてみてください。
マシンを購入しただけでは体重は減りません。マシンを購入して、適切な頻度で、トレーニングメニューを継続してこなすことで、初めて体重を減らすことができます。

SFA・CRMの導入に関してもまったく同じです。SFA・CRMの導入を成功に導くためには、以下に挙げる3つの要素が揃っている必要があります。

  • 最適な道具(例:ダイエットマシン)
  • 最適なマネジメントサイクル・運用ルール(例:適切な頻度、トレーニングメニュー)
  • 最適な活用ノウハウを持つ人材(例:正しいトレーニングの知識)

もしあなたの会社がすでにSFA・CRMを導入しているならば、この3つの要素の充実度を確認してみてください。そこから、現状の課題・問題点が見えてくるかもしれません。

さいごに

記事の内容をさらに知りたい方はこちらの本をお読みください。

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情報を武器化するマネジメント7つの力


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