この記事では「社員が病気の場合、いつまで休職できるのか?」についてご紹介します。人事コンサルタントの内海正人さんが著書『今すぐ売上・利益を上げる、上手な人の採り方・辞めさせ方』で解説している内容をもとに編集しています。

病気による休職

あなたの会社の社員が病気で長期間休むことになりました。いつまで、休みを認めますか?「治るまで」という回答は正解とも不正解とも言えません。大病で治るまで何年もかかる場合もあります。それでも、あなたは待ち続けることができますか?

もちろん、休職期間の給料は発生しません。しかし、社員という身分を維持をする必要はあります。この場合、会社も本人も社会保険料の負担が発生します。だから、一般的には、どこかのタイミングでケリを付けるべきなのです。

休職の定義を就業規則で決める

では、休職期間は何を基準に決めればいいのでしょうか?

この「休職期間」と「休職の定義」は就業規則で決めます。

ちなみに、労働基準法に決まりはありません。だから、会社独自の判断でこれらを決めることができるのです。ただ、いきなり何もない状態からは決められないので、就業規則のサンプルをご紹介します。

就業規則の例

ちなみに、労働基準法に決まりはありません。だから、会社独自の判断でこれらを決めることができるのです。ただ、いきなり何もない状態からは決められないので、就業規則のサンプルをご紹介します。

病気による欠勤が○か月を超え、療養を継続する必要があるため、勤務できない場合は、○年以内
特別の事情がある場合は、必要な期間

ここでいう「休職の定義」は、「病気による欠勤が○か月を超え、療養を継続する必要があるため勤務できない場合」、「特別の事情がある場合」が該当します。

「休職期間」は「○年以内」「必要な期間」の部分になります。もちろん、これは雛形の一部です。

入社間もない新入社員が病気を患った場合…

昨日入社した社員が病気になり長期に休んでも「休職」となるのです。結果、最低でも○年以内は、会社も社会保険料の負担をする義務が出るのです。なぜならば、休職を取れる社員を限定していないからです。

さらに休職期間を「○年以内」としています。社員が多い大企業の場合、「○年以内」でОKです。しかし、中小企業の場合、その社員を1年以上待つ余裕がありますか? それは実情として、厳しい場合が多いでしょう。だから、特に中小企業の場合、会社の個別事情に合わせて作るべきなのです。

例えば、「○年以内」ではなく「○か月以内」を検討するということです。このような問題をクリアする就業規則をご紹介します。

例えば、休職期間を次の通りとします。

  • 勤続1年以上3年未満の者・・・3ヶ月
  • 勤続3年以上の者・・・6ヶ月

このようにすれば、新入社員は休職期間を取れません。また、勤続年数で差をつけているので、長く働いてくれた社員を待つ意味も持たせています。さらに、「6ヶ月くらいなら中小企業でもOKだろう」という会社の体力も考慮されています。ちなみに、休職期間が経過したらどうなるかというと、「退職」となります。休職期間というのは、会社が自由に定められる「退職までの執行猶予期間」なのです。逆に言えば、休職期間を決めていないということは、病気で休職しているときに「退職を促すことができない」ということになるのです。

就業規則で決められること

さらに、就業規則では次のようなことも決めることができます。

  • 復職の方法
  • 病気が完治したことの証明方法
  • 再発の対処法

実際に裁判になった場合、就業規則が判断材料になります。だから、法律と同じくらい、または、それ以上に重要な資料となります。就業規則では、会社独自で様々なルールを決めることができます。それによりリスクを回避できることも沢山あります。しかし、独自のルールを決められるのに、市販の雛形でいいのでしょう? これはせっかくのチャンスを活かしていません。

就業規則は、

  • 社員の働く環境を守るもの
  • 会社のリスクを減らすもの

という両面を持ちます。

休職なんて関係ない・・・。ではなくて、あなたの会社でも明日にでも起こりうることなのです。特に精神の病気が急激に増加しています。はっきりと症状が出てからでは、会社のルール作りは遅すぎます。

ここは予防の意味を含めて真剣に考えましょう。

さいごに

この記事では、内海正人さんの著書より「社員が病気の場合、いつまで休職できるのか?」についてご紹介しました。

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内海正人

日本中央社会保険労務士事務所代表https://www.roumu55.com/
人事コンサルタント・特定社会保険労務士。人材マネジメントや人事コンサルティング及びセミナーを業務の中心として展開。現実的な解決策の提示を行うエキスパートとして多くのクライアントを持つ。著書に『会社で活躍する人が辞めないしくみ』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

Facebook:masato.utsumi1


【参考】内海正人.
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