この記事では「マネジャーの役割」「マネジャーに対する人事評価のポイント」についてご紹介します。人事コンサルタントである内海正人さんが著書『会社で活躍する人が辞めないしくみで解説している内容をもとに編集しています。

内海正人

人事コンサルタント・社会保険労務士。日本中央社会保険労務士事務所代表。

マネジャー職に対する人事評価

人事評価とは社員の仕事に対する姿勢とともに、営業職であれば、営業成績や、業務スキルなどを評価します。管理部門であれば、業務の精度や品質、業務スキルなどが評価の対象となるでしょう。

では、マネジャー職の人は一体、何を見ればよいのでしょうか?

社長が求めるているのは運営とスタッフの育成

アパレルの小売り店舗をいくつも営業している会社の事例です。

各店舗では店長がマネジャー職として頑張っています。ターミナル駅の駅ビルの中に店舗があるところもあれば、郊外のショッピングモールに位置する店舗もあります。

出店のタイミングも売り場面積やスタッフの数も店舗によって異なるという環境ですが、社長曰く求めるものは同じで、店舗の運営とスタッフの育成ということでした。

その会社で賞与支給が行われて1週間ぐらい経過した頃、社長から私に連絡がありました。「先生、賞与のことで店長からクレームが入ったのですが……」。

売り上げと賞与

その後、社長とミーティングをしたときにクレームの内容を詳しくお聞きしました。

社長「A店の店長からですが、『自分のところは月額3000万円の売上を上げているのに、B店の店長と賞与が一緒ということはどういうことですか?』と連絡が来たのです」
私「B店の売上は月間いくらなのですか?」
社長「B店は月間1000万円ぐらいなので、A店の3分の1ぐらいです」

マネジャーの評価基準

私「では、店長の評価基準はどのようになっているのですか?」
社長「店舗の運営ということで、通常の業務は基本的には任せていますが、店舗の立地やベテランスタッフの数などで、その役割を考慮して評価を決めています。だから、店舗の売上だけで賞与の金額を決めることはありません」

私「では、何がポイントなのでしょうか?」
社長「スタッフの教育です。仕事ができないスタッフを、できるスタッフに育て上げることこそが店長の仕事であり、マネジャーとしての評価のポイントなのです」

評価基準を理解してもらう

私「A店の店長はそこがわかっていないということなのですね」
社長「もっとも、評価基準について会社がもっとアナウンスするべきだったのでしょうが」

このことは基本的にどこの会社でも当てはまります。

マネジャーの評価は店舗や部署を運営することですが、売り上げ以外の基準を明確化しないと、ついつい表面上の売上だけで走ってしまうのです。

マネジャーに役割を認識してもらう

マネジメントが苦手なマネジャーは未経験者、新入社員、スキル不足の社員の面倒を嫌う傾向にあります。

しかし、この人たちを育て上げて、立派な社員として戦力化することが、長い目で見て、会社の利益に貢献しているということです。

数字を上げるマネジャーだけができるマネジャーではないのです。

このことを会社もしっかりと認識しておくことが大切です。

まとめ

この記事では、内海正人さんが著書で解説している「マネジャーの役割」「マネジャーに対する人事評価のポイント」をご紹介しました。

会社で活躍する人が辞めないしくみ(内海正人 著) では、今回ご紹介した内容の他にも「採用」「職場環境」「人間関係」など、様々な視点から社員を大切にする方法をご紹介しています。

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