この記事では、売上を効率的に上げるために大切な、良い顧客を見分けるRFM分析という手法について解説していきます。

齋藤健太
この記事を書いた人
齋藤健太
株式会社クロスメディア・コンサルティング代表 / 『問題解決のためのデータ分析』著者

よい顧客を見分ける方法/RFM分析とは?

毎月のように買っていただいているお客様と、年に1回しか買わないお客様、ここ1年まったく買っていないお客様とでは、その商品に対する気持ちが異なります。買い方の異なるお客様に対して同じアプローチをしていても、十分な効果を得られません。

それぞれのお客様の気持ちに応えた営業が理想的です。

お客様の購入状況に応じた打ち手を考えるためには、RFM分析(Recency frequency monetary analysys)という「よい顧客を見分ける」方法が便利です。

具体的には「一番最近に購入した顧客は誰か」「頻繁に購入する顧客は誰か」「一番お金を使ってくれている顧客は誰か」という3つの側面から分析します。

RFM分析を行うには、データベースに購買履歴が記録されていることが前提となります。購買状況を時系列で追えないような顧客管理の方法の場合、RFM分析はできません。直接お客様へ販売していて、かつ会員登録をさせている企業だけができる分析法といえます。

Recency(リセンシー):一番最近に購入した顧客は誰か

RFMのRはRecency(リセンシー)で、この場合は「最新購買日」になります。ある顧客が最後に商品を購入した日を判断材料とするもので、最近購入した顧客のほうが、何年も前に購入した顧客よりよい顧客と考えるものです。

つまり、すべての顧客の最後の購買日だけを拾い出し、新しい順番に並べ替えれば、一番上にくる顧客がよい顧客となるわけです。

購入してから時間が経過していないということは、企業や商品についての記憶がしっかりと残っていることになるので、企業が営業などのアプローチを行う場合、すでに記憶に残っていない顧客に対して行うより高い効果が期待できます。

Frequency(フリークエンシー):頻繁に購入する顧客は誰か

FはFrequency(フリークエンシー)で、「購買頻度」になります。フリークエンシーは、顧客がどのくらい頻繁に購入してくれたかを判断材料とするもので、頻度が高いほどよい顧客と考えます。

顧客の購買履歴から過去に何回購買したかを拾い出し、その回数が多い順番に並べれば、一番上にくる顧客が最もフリークエンシーの高い、よい顧客となるわけです。

期間については、商品の平均的な購買頻度によって定めればいいのですが、アパレルや化粧品などは1年で見ることが多く、家電製品や車などは10年など長めのスパンで見ます。

フリークエンシーの低い顧客が多い場合は、お客様がサービスレベルや料金などに不満を抱えている可能性があります。フリークエンシーの高い顧客が多い場合は、常連顧客が多いということになります。

別の見方をすると、フリークエンシーの低い顧客が少ないということは、新規の顧客が少ないということなので、新規顧客獲得に向けた施策が必要になってきます。

Monetary(マネタリー):一番お金を使ってくれている顧客は誰か

MはMonetary(マネタリー)で、「購買金額」になります。マネタリーは、顧客の購買金額の合計で、一般的にこの金額が大きいほどよい顧客と考えることができます。購買履歴から顧客ごとの購買金額の累計を計算し、それを金額の大きい順番に並べれば、最も上にくる顧客がマネタリーの高い顧客となるわけです。

マネタリーもフリークエンシーと同様、業種や商品を考えながら期間を定めて分析する必要があります。また、マネタリーのランクが高いということは、潜在的な購買力が高いということですから、そうした顧客が多いことは企業にとっては貴重な財産になります。そのような顧客のリセンシーやフリークエンシーが上がれば、収益に貢献することは間違いないからです。

RFMそれぞれの指標の見方

RFMそれぞれの指標の見方は次のようになります。

RFMの指標の見方
  • Rが高いほど将来の企業収益に貢献してくれる可能性が高い
  • Rが低ければFやMが高くても他社に顧客を奪われている可能性が高い
  • Rが同じならFが高いほど常連顧客
  • Rが同じならFやMが高いほど購買力がある顧客
  • RやFが高くてもMが少ない顧客は購買力が低い
  • Fが低くMが高い顧客は、Rの高いほうがよい顧客
  • Fが上がらないか下がっている顧客は他社に奪われている可能性が高い

このRFMの中で最も重要な指標は、R(リセンシー)になります。FやMがいくら高くても、最近の購買実績がない顧客は、すでに競合他社に奪われてしまっている可能性が高いと考えられます。

つまり、Rの動きが各顧客の動向を把握する上で非常に重要であり、Rの傾向を掴んでおき、以前と比較して購入頻度が減ってきた段階で営業的なアプローチを行えば、他社に奪われなくて済むかもしれないのです。

Rが下がり始めた顧客には、また購入してもらうための企画が必要となります。Fが伸びない顧客も同様です。Mが低い顧客は、購買力が低いということなので、Fを注目する必要があります。

もしFが高い場合は、定期的に購入してくれてはいるものの、潜在的に購買力が低いと考えられますので、将来的な企業収益貢献度は低いと考えられます。

一方でFが低くMが高い顧客は、購買力が高い可能性があるので、購買頻度を高める企画を実施すればいいのです。

また、極端な話ですが、RFMすべてが高い顧客においては、特別なキャンペーンなど行わなくても企業収益に貢献してくれているわけですから、値引きキャンペーンなどはかえって企業収益を減らすことになってしいます。

そのような顧客には、値引きではなく、「特別感や限定感を抱くプレゼント」を与えることで、さらに優良顧客となり、他の人を紹介してくれるようになる可能性もあります。クレジットカードのゴールド会員やプラチナ会員、あるいは航空会社のマイレージの上級会員などがよい例です。

このように、RFM分析によって数値化された顧客ごとに最適の施策を構築して実行することが理想的な営業といえます。

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【出典】齋藤健太問題解決のためのデータ分析