魅力的な商品やサービスを開発することができ、さらにそれを売る力があれば、それだけで年商五億円までは可能です。

しかし、それを越えて五十億円、百億円規模の売上を目指そうというならば、商品市場のことだけしか知らないというのは大きなハンディキャップになるといわざるを得ません

会社というのは、商品やサービスを売って利益を稼ぐ商品市場だけではなく、お金でお金を稼ぐ金融市場(マネーマーケット)を利用することもできます。そして、会社の規模を拡大するために、後者の有効活用は不可欠です。

株式会社フロイデ会長兼シニアパートナー 坂本 桂一さんが著書『年商5億円の「壁」のやぶり方』で語られている、「金融市場・会社経営の原理原則を知っておくべき理由」をご紹介します。

なぜ社長が代表取締役なのか

会社でいちばん偉いのは誰かと日本のサラリーマンに聞けば、まず間違いなく全員が「それは社長に決まっている」と答えると思います。

たしかに、会社という組織のトップに立ち、経営責任を負っているのは社長ですから、社長がいちばん偉いというのはある意味正しいといえます。

問題はその社長が、代表取締役を兼ねているという点です

取締役というのは、株主から会社運営を委任された代理人であり、代表取締役というのは、そのなかで議長にあたる人のことをいいます。

株主から委任されているのですから、当然代表取締役は、株主利益を最大にするような運営をしなければならないはずです

ところが、社長という立場に立つなら、社員の利益を優先することも求められます

たとえば社長の給料。

株主にしてみれば、社長があまり報酬を取ってしまうと、その分自分たちの配当が減ってしまうので、できるだけ少ないにこしたことはありません。

一方、社員の代表としては、他の社員の励みにもなるので、なるべく多くしたいと考えるのが人情です。

社長が代表取締役を兼ねると、必然的にこういうことが起こってしまいます。

日本企業の多くは、これまでそういう矛盾に目をつぶり、誰が誰の利益を代表しているのかもはっきりしない状態で経営されてきました

会社は株主のものに決まっています。それは、『株式会社の意味』の中で説明した「株式会社の起源」を考えれば、小学生でもわかるはずです。

これまではそういうことを曖昧にしたままでも、会社の経営ができたのかもしれません。

しかし、これからはそういうわけにはいかないでしょう。グローバル化がさらに進み、資本の移動がより自由になれば、あらゆる企業が国外のベンチャー・キャピタルに狙われ、M&Aの標的になります。

また、投資銀行やファンドとうまくつきあえない企業は、成長スピードが遅すぎて、常に不利な競争を強いられざるを得ないのです。

そうならないためには、会社経営の原理原則を、まだ会社が小さいうちから徹底的に身につけておくほかありません

昔ながらの個人商店のやり方では、年商五億円の壁の前で矢折れ刀尽きてしまうことでしょう。

 

さいごに

年商5億円の「壁」のやぶり方


年商5億円の「壁」のやぶり方

『年商5億円の「壁」のやぶり方』では、「組織」「コミュニケーション」「マネーマーケット」「間接部門」「クオリティ」などの項目から、企業が「年商5億の壁」にぶつかる理由とその解決策が紹介されています。中小・ベンチャー企業の経営者におすすめの書籍です。

AMAZONで見る

 

坂本桂一

㈱フロイデ会長兼シニアパートナーhttps://www.freude.bz/
事業開発プロフェッショナル。山形大学客員教授。アドビシステムズ㈱(当時社名アルダス㈱)を設立しページメーカーをはじめて国内に独占契約で導入、日本のDTP市場をゼロから創造した。専門は、新規事業創出、ビジネスモデル構築、M&A。


【参考】坂本桂一.
年商5億円の「壁」のやぶり方