この記事では、「株価の仕組み」について具体例をもとに解説します。

山形大学客員教授の坂本桂一さんが著書『年商5億円の「壁」のやぶり方』で解説している内容をもとに編集しています。
【著者】坂本桂一 山形大学客員教授。(株)フロイデ会長兼シニアパートナー。

経営者が株価の仕組みを知っておくべき理由

ベンチャー企業の社長のなかには、当社は上場しているわけではないので株価なんて関係ないという人がたまにいますが、それはとんでもない勘違いです

昨日登記したばかりだろうが、東証一部に上場している企業だろうが、株式会社であるかぎりは何も変わりません。まったく同じ原理で動いているのです。

もちろんほかのベンチャー企業が一部上場企業になるまでには、越えなければならないいくつもの段階がありますが、それにしても両者はまったく縁もゆかりもないところに存在しているわけではないのです。そして、社長がこのことを知っているかどうかで、会社の成長スピードはまったく変わってきます

株価の仕組み

株式会社の仕組みをわかりやすく解説』では、株式会社の意味を、株式会社という仕組みが生まれた、一六世紀から一七世紀にかけての大航海時代を例にご紹介しました。

そこで、ここでも大航海時代を例にあげます。

航海前:一口十億円で出資

アジアの物産を買い付けるために総額七十億円のプロジェクトが組まれ、一口十億円で、王室が四口、貴族Aが二口、貴族Bが一口とそれぞれ出資しました。この時点で一株あたり三十億円で売れると考えています。その株が十億円です。

アフリカ南端 大嵐発生:五億円で売却

出発後数日が経って、アフリカ南端の喜望峰のあたりで海が荒れて大型帆船が何隻も沈没したという噂が、出資者の貴族Bの耳に入りました。

沈んだのが自分の出資した船「ビクトリア号」かどうかわからないものの、もしそうなら手元にある十億円の株券は紙くずになってしまいます。不安になった貴族Bは友人の貴族Cに「急に現金が必要になったので、五億円でいいから株券を買ってくないか」ともちかけました。

たくさんの船が沈没しているという情報を知らない貴族Cは、喜んで貴族Bから株券を五億円で購入しました。

インド到達:十五億円でなら売却

数カ月後、貴族Bは港のパブでアジア方面から帰ったばかりの船員から、ビクトリア号がたくさんの荷物を積んでボンベイの港を出発したのを見たという話を聞き、慌てて貴族Cのところに走り、株券を五億円で買い戻したいと申し出ました。

ところが、その話は貴族Cもすでに知っていて、十五億円じゃなければ売れないといいます。しかし、いくらなんでも十五億円は高すぎると思った貴族Bは、買い戻すのをあきらめました。

消息不明:十億円で買戻し

一年が経ちました。しかし、ビクトリア号は帰港予定日になっても姿を現しません。どうやら嵐を避けるために、数ヶ月前に通常の航路を外れたらしいのですが、それ以来消息がまったくわからないのです。

そこで貴族Bは再度貴族Cのところに行き、株券を十億円で売ってほしいと交渉しました。帰港が遅れていたので貴族Cも一抹の不安を感じていたのか、今回はすんなり交渉に応じてくれました。

帰港:三十億円の配当を受け取る

ほどなく積み荷を満載したビクトリア号が港に姿を現しました。商品はすぐに売り切れ、貴族Bは三十億円の配当を受け取ることができました

株価は人々の期待や思惑によって形成される

このように、この価格なら買ってもいいという人の間で折り合いがつけば、そこで株価が決定します

つまり、株価というのは、その時々の人々の期待や思惑によって形成されるものなのです。このメカニズムは現在も変わりません。またマーケットでも相対取引でも同じことです

さいごに

この記事では、坂本桂一さんの著書より「株価の仕組み」を解説しました。

この記事のポイント
  • 昨日登記したばかりの会社も、東証一部に上場している企業も、株式会社であるかぎりはまったく同じ原理で動いている
  • 株価は人々の期待や思惑によって形成される。

 

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