五年、五億、 五十人の壁。年商五億円の壁を破るとは、この壁を乗り越えることです。

壁は突然やって来ます。今まで最高にうまくやってこれたのに、です。

その時に、今までの運営方針を全く変えられるか、考え方を180度変えられるかどうかで、これから大きな壁を越えられるかどうかが決定します。

株式会社フロイデ会長兼シニアパートナー 坂本 桂一さんが著書『年商5億円の「壁」のやぶり方』で語られている、「年商5億円の壁を越えるための『タフな文化のつくり方』」をご紹介します。

坂本桂一

㈱フロイデ会長兼シニアパートナー、事業開発プロフェッショナル、山形大学客員教授。アドビシステムズ㈱(当時社名アルダス㈱)を設立しページメーカーをはじめて国内に独占契約で導入、日本のDTP市場をゼロから創造した。専門は、新規事業創出、ビジネスモデル構築、M&A。㈱フロイデ

テキサスヒットを許さないタフな文化をつくれ

現状に満足しない

ヤマダ電機にしてもユニクロにしても、頭角を現したと思ったらみるみるうちに成長し、業界のトップに登りつめるまで十年もかかっていません。

この二社の強さの大半は、山田昇、柳井正というトップの手腕によるものといってもいいと思います。

とくに私が注目しているのは、山田氏、柳井氏とも現場を非常に重視している点です。山田氏は時間があれば自社の店舗を回り、売り場の人間に声をかけ、自ら商品の配置を直したりもします。柳井氏もやりすぎだと顧問にたしなめられるくらい、社内のあちこちを見て回り、あまりにいろいろなことに口をはさむのだそうです。

もちろんどちらもあれだけの大企業ですから、権限委譲ができていないなどということはありません。しかし、トップは決して社長室でふんぞり返っているようなことはせず、自分の足で歩き、現場の社員や顧客の声に耳を傾け、あそこを直せ、ここはこうしろと直接指示を出すことをいとわないのです。

なぜそんなことをするのでしょうか。おそらく二人とも現状に満足していないからでしょう。

会社をもっとよくしたい。隅から隅まで完璧にしたい。そういう気持ちが強いから、細かいところまで気になり、思わず口を出さずにはいられなくなってしまう。その気持ちは私にもよくわかります。

そして、トップのこの姿勢こそが、会社を急成長させている最大の要因だといっても過言ではないのです。

「俺の目指す会社はこんなものじゃない。ゴールはもっと先だ。まだまだ改善の余地があるじゃないか」

毎日のように現場に足を運ぶことで、社長はまさに体を張って、このような強烈なメッセージを社員に向けて発信しているのです。

タフな文化をつくる

また、日々そんな社長の姿を見ていれば、社員のほうも改善のために自分たちにもできることはないかと必死で探し、悪いところは社長に指摘される前に直そうとするようになります。

そうすると、これは自分の仕事じゃないから関係ないとか、他部署のことだから見て見ぬふりをするとかいうようなことが、社内から自然となくなっていく。こうなったらその組織は最強です。

なにしろ社員の誰もが会社のよくない点を改めようという意識をもっているのですから、責任の所在や管轄がはっきりしないため、誰もが不都合を感じているにもかかわらず、手つかずのまま何年も放置される。野球でいえば守備と守備の間に打球が落ちるテキサスリーガーズヒットのようなことが、その会社では起こらないのです。

私も社長を務めていたときは、これは改めたほうがいいと思ったらすぐに指示を出していたし、社員にも、他の部署だろうが悪い点にはどんどんダメ出しをしろと命じていました。

年商五億円の壁を越えて五十億円、百億円を目指すには、そういうタフな文化が必要なのです。

年商5億円の「壁」のやぶり方をもとに編集)

 

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